なごみちはる

読書倶楽部の一員。冬休みに執筆をする流れになり、とりあえず書いてみた小説置き場。たまに…

なごみちはる

読書倶楽部の一員。冬休みに執筆をする流れになり、とりあえず書いてみた小説置き場。たまにゆるゆる文章を書いてみたりもしたりする。

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白髪染めをやめてみた話

コロナの影響で3ヶ月休業し実家へと帰った。 その間、誰にも会わないし、実家のお風呂を汚すの悪いし、という理由から、白髪染めをやめていた。 染め始めたのは、30代後半。 ちらほら顔を出し始めた白髪が気になり出し、母親も時々染めていたので、<白髪は染めるもの、黒髪が若々しい>という日本人特有の呪縛にずっぽりハマっていたらしい。 マメな性格じゃないし、面倒くさがりなので、あーまた白髪見えてんなぁと思ったら染める、くらいだった。 染めてたって言っても、安い市販のカラートリートメ

    • 都合の良い頭

      私の記憶力は、あまりよろしくない。 そのおかげで、良いこともある。 読書やアニメ、映画を見て楽しんだ後。 しばらく間を置いて、久しぶりに見たときに覚えていないので、また新鮮に楽しめるのだ。 決して自慢できる事ではないのだが、大好きなアニメでも何度も楽しめるし、大好きな本も概要はなーんとなく覚えているものの、ちゃんと盛り上がりでドキドキできる。 なんて便利な機能っ! ↑いや、違う。 本人が喜んでいるから、よしとしよう。 あとは、彼氏さんから 「これ欲しい(美味しそう)

      • アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

        ‐エピローグ‐ 雪子が蒼国に戻って数日。 大人の冬休みも、終わりが近づいている。 なんとも不思議な時間だった。 そして、楽しい時間でもあったなぁ、と振り返る。 夢だったのか、現実だったのか。 それを確かめるすべもないまま、時間は過ぎていく。 だいぶ暖かくなり、桜の開花予想も発表された。 いつもならGWにかけて見頃を迎えるが、今年は4月中旬には咲き始めるようだ。 家族との3ヶ月という時間。 離れていては知ることができないことにも、気付かされた。 夢だったとしても、雪子

        • アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          ‐トビラ‐ 「雪子っ!あった、あったよ!」 部屋に駆け込むなり、そう言った私に雪子はびっくりしていた。 「あったって・・・ツララ?」 「そう、あったの、ツララ、大きい、やつ。」 息が切れて、言葉も途切れ途切れだ。 「今日、ほら、暖かいから、早く、行かない、と。」 「えっ。 あ、そっか、とけちゃうっ!」 雪子も、急がなくちゃ!と気付き、二人でツララのある場所へ向かった。 幸い、まだそこにツララはあった。 暖かさのせいか、止めどなく水が滴っている。 「雪子。」 「

        白髪染めをやめてみた話

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        • アオイクニノモノガタリ
          19本

        記事

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          ‐みつけた‐ 出かけるたびに、キョロキョロとツララを探す。 人生の中で、こんなにツララを欲したことがあっただろうか。 雪子をとうさんかあさんに早く会わせてあげたい。 ただ、その為だけに。 「はぁ、今日もみつからないか・・・」 写真整理のアルバムを買いに出た帰り道。 普段は通らないような道も歩きながら、ツララを探す。 こんなにみつからないとは。 子供の頃はそこら中にあったのになぁ。 諦めモードに入りそうになるが、そうもいかない。 「よしっ!」 ちょっと気合を入れ

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          ‐ツララ‐ それから二人のツララ探しが始まった。 山の中、滝が凍っているような場所だったらすぐみつかるんだろうけど、街中で探すのはなかなか難しかった。 私が子供の頃は、あちこちの屋根にツララができ、それを遊び道具にしてたものだ。 でも今は、新しい建物が多く、屋根の形状のせいなのか、ツララを見かけても小さな短いものしか目につかない。 「あのね・・・」 ツララが見つからず、二人とも疲れ切っていた時、雪子が話し出した。 「とうさんをさがしてるって、言ったんだけど。」

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          ‐蒼国‐ そこは深い森の中。 木漏れ日が降り注ぎ、心地いい場所だ。 ニャロメTシャツの山守さまと、隣にはいかにも山守さまといった風情のおじいさんが立っていた。 「雪子や、ひさしぶりじゃのぉ。」 「山もりさまっ!」 「元・山守さまじゃ。」 あ、そうだった。と、雪子はテヘヘと頭をかく。 「ユッキーコサン、オトウサンサガシテイルト、キキマシタ。」 「はい・・・」 「オトウサンオカアサンモ、ユッキーコサンヲ、サガシテイマスヨネ。」 「・・・はい。」 「デ。」 「で?」 「

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          アオイクニノモノガタリ -蒼国物語-

          -山守さま- 雪子は手や顔にクリームがつくのも構わず、美味しそうに楽しそうにケーキを頬張る。 いろいろ考えたりしたけど。 まぁ、とうさんを探してあげたら、雪子は安心するのよね、きっと。 聞きたいことは山ほどあるけど。 とりあえずは、とうさん探しを終わらせなくちゃ。 「んふぅ、おいしかったぁ!」 雪子は満足そうに声を上げた。 なによりなにより。 手も口の周りもクリームだらけだけど。 拭いてあげていると、 「今日は山もりさまのところに行こうと思ってるの。」 と、思いつ

          アオイクニノモノガタリ -蒼国物語-

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          ‐ひなまつり‐ 雪子はお母さんの妹。 と、いうことは、私の家族ってこと、だよな。 ってことは。 雪子の探しているとうさんは、私のおじいちゃん。 ってことに、なるよ、な。 んーーーーーーーーー。 考えたところで、答えは出ないし。 少し休憩しよう。 今日は3月3日。ひなまつり。 実家で迎えるのはかなり久しぶりだし。 せっかくだから、雪子にも楽しんでほしい。 ひなまつりを口実に、ケーキも買ってきた。 昨日調べてみたら、近所にケーキ屋さんが出来ていた。 こんな近くで可愛い

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

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          -家族の写真- 写っているのは赤ちゃんだ。 こちらを見て笑っている顔が可愛らしい。 目元の感じとか鼻筋が雪子に似ている感じがする。 ここにある写真は、おそらく私の家族の写真だ。 この子は・・・だれなんだろう。 そして。 深く考えなかったけど、ここにいる雪子は。 なぜ私の前に現れたんだろう。 難しいことは、私にはわからない。 けど、なんというか、感覚的になんだけど、雪子がここにいることに違和感を感じない。 それもまた、おかしなことなんだけど。 考えてもしょうがないか

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

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          ‐写真整理‐ 雪子と出会って早1週間。 あれからなんにも起こってはいない。 雪子は変わらず私の部屋でのんびり寝ている。 とうさんを探すのはどうなったんだ? とは思うけど、私にはどうにもできないし。 たまに目を覚まして、私に声をかけるけど、すぐに寝てしまう。 こんなに寝ていられるのは、ちょっと羨ましい。 この1週間、私は部屋の片づけを始めていた。 お父さんが亡くなって1年が過ぎているが、おそらく手付かずのままだ。 お母さんはしばらく体調を崩しているし。 弟も、きっと

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

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          ‐さんぽ‐ テレビショッピング。 ここもテレビショッピング。 あとは、昔のサスペンス、か。 チャンネルを回してみるも、心躍るような番組はやってない。 そもそもチャンネルが5つしかないんだ。 見たい番組がやってる方が珍しい。 さんぽ、行ってみようかなぁ。 たまに実家へ帰ってきても、家族と過ごし、友達と会い、あっという間に3泊4日なんて終わってしまう。 が、今回は3か月だ。 天気もいいし、久しぶりに近所を歩くのもいいかもしれない。 雪子はしばらく起きなさそうだし。

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

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          ‐朝ごはん‐ 1時間ほどウトウトして、さすがにもう起きようと布団を出た。 今日は雪も止み、陽射しが暖かそうだ。 今度こそ夢から脱出か!と思ったが、まだ雪子はそこにいる。 ということは、まだ夢なのか。 それとも現実なのか。 ま、朝ごはんでも食べるかぁ。 散歩するには気持ちよさそうな天気だし。 こんがり焼けたトーストにバターを塗り、ホットミルクにインスタントコーヒーを溶かして準備する。 さて、食べようかと座ったところで。 「いいにおい………」 眠そうに目をこすりな

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

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          ‐布団の中‐ 気が付いたら、布団の中だった。 あれ。 さっきまで海の上にいなかったっけ? あ・・・そっか、夢から醒めたのか・・・。 ぬくぬくの布団の中で、さっきまでの夢を思い返す。 ちっちゃい子が現れて、自分が小学生に戻ってて、その子のお父さんを探しに行ったんだっけ。 あのス〇イムさま触りたかったな・・・・・ もう一度、眠りの中に入ろうと、寝返りを打った視線の先に。 私のB'z LIVE-GYMのマフラータオルを器用に折りたたみ、それを布団のようにして眠っている

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

          ‐海守さま‐ 「海守さまに聞いたらどうだい?」 ハチの提案に、雪子は海の方向に手を伸ばした。 海には、人々が運んだ雪がプカプカ浮いている。 あぁ、そういえばこんな景色を見るのも久しぶりだな。 雪が積もり続けると、雪を寄せる場所もなくなってくる。 そうなると、軽トラで雪を運び、海に捨てる人たちがいたものだ。 今もそれは続いているのだろうか? その光景を見ながら、流氷ってこんな感じなのかなぁ・・・ と、子供心に思ったりしたものだ。 そんなことを思い出している間に、海に

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

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          ‐雪子‐ モコモコに着込んで、外に出た。 家も周りの景色も何もかも、私が小学生だった頃に戻っている。 いやぁ、夢ってすごいな・・・ 自分の記憶でも、ここまで鮮明に思い出すことはできないだろう。 我が家だけじゃなく、周りの家々も古い家に戻ってるし。 お向かいにあった商店もなくなったのに、そこにズラリと並んでいた自動販売機も元通り。 今ではお目にかかれない銘柄もあるし、メジャーな物もデザインが昭和だ。 250ml缶しか並んでないし、プルタブ外すタイプの缶ジュースだよなぁ。

          アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐