アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

-家族の写真-

写っているのは赤ちゃんだ。
こちらを見て笑っている顔が可愛らしい。

目元の感じとか鼻筋が雪子に似ている感じがする。

ここにある写真は、おそらく私の家族の写真だ。
この子は・・・だれなんだろう。

そして。
深く考えなかったけど、ここにいる雪子は。
なぜ私の前に現れたんだろう。

難しいことは、私にはわからない。
けど、なんというか、感覚的になんだけど、雪子がここにいることに違和感を感じない。
それもまた、おかしなことなんだけど。

考えてもしょうがないか。
と、写真の整理を進めていく。

どの写真も笑顔が多い。
家族親戚仲いいってことなんだなぁと、こうして目にすると、改めて素敵な繋がりだなと胸が熱くなる。

おじいちゃんおばあちゃんが、私たち孫と一緒に笑顔で写ってる。

「おじいちゃんの笑顔って珍しいなぁ。いい笑顔。」

怖い人ではなかったし、いつも穏やかに座っているイメージで。
でも、笑顔ってあまり見た記憶がなかった。

おじいちゃん、こんな風に笑うんだなぁ。
なんとなく嬉しい気持ちに満たされて、しばし写真を眺めていた。

と。

次に出てきたのは、二人の赤ちゃんを抱っこする若かりしおじいちゃん。
雪子に似てる赤ちゃんと、同じくらいの赤ちゃんを左右に抱いている。

そういえば。
私のお母さんは双子で、妹は赤ちゃんの時に亡くなったと聞いたことがある。

そうだ。
その妹の名前は、雪子だったはずだ。

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