アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

‐写真整理‐

雪子と出会って早1週間。
あれからなんにも起こってはいない。

雪子は変わらず私の部屋でのんびり寝ている。

とうさんを探すのはどうなったんだ?
とは思うけど、私にはどうにもできないし。

たまに目を覚まして、私に声をかけるけど、すぐに寝てしまう。
こんなに寝ていられるのは、ちょっと羨ましい。

この1週間、私は部屋の片づけを始めていた。
お父さんが亡くなって1年が過ぎているが、おそらく手付かずのままだ。

お母さんはしばらく体調を崩しているし。
弟も、きっとお父さんのものを片付ける気にはなれないのだろう。

このままにしていても、結局はいつか弟が片付けなくてはならない。
その負担を少しでも減らせれば、と手を付け始めたが。

・・・・・なんでこんなに物が多いんだ。

いろいろな写真があちこちから出てくるし。
手付かずの薬、名刺、はがき、健康診断の結果などなど。
まとめてあるなと思ったら、なぜこっちの棚やこんなところから。

うーん、これは簡単には終わりそうにないな。

私の部屋も、冬休みが終わったら、ちゃんとしとこう。
私に何かあって、迷惑かけるのも弟だし、な。

などと反省もしつつ、まずは写真の整理から始めることにした。

いろんな缶、箱、現像されて袋に入ったまま、など様々な状態。
まずは年代順にしていかねば、どうにもならない。

しかし、写真すべてに日付があるわけじゃない。
兄弟のサイズ感で、おそらくこれの前・・・でこれは、このあたりか・・・。

神経衰弱か、間違い探しか。
ただ写真を整理していくだけなのに、脳が疲れていく。

ふぅ。
お父さん、降りてきて手伝ってくれっ!
と、なんど叫びそうになったことか。

いや、仏壇に手を合わせながら、言ったな。

兄弟の学校行事、家族旅行、日常のなんでもない一枚。
そんな写真とはまた別に、白黒写真もたくさん出てきた。

こうなると、誰のいつの写真やら、私にはわからないものばかり。
その中に、小さな女の子の写真があった。

これは・・・・・雪子?

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