アオイクニノモノガタリ ‐蒼国物語‐

‐朝ごはん‐

1時間ほどウトウトして、さすがにもう起きようと布団を出た。

今日は雪も止み、陽射しが暖かそうだ。

今度こそ夢から脱出か!と思ったが、まだ雪子はそこにいる。
ということは、まだ夢なのか。
それとも現実なのか。

ま、朝ごはんでも食べるかぁ。
散歩するには気持ちよさそうな天気だし。

こんがり焼けたトーストにバターを塗り、ホットミルクにインスタントコーヒーを溶かして準備する。

さて、食べようかと座ったところで。

「いいにおい………」

眠そうに目をこすりながら、雪子が起きてきた。

「おはよう。食べる?」

「おなかすかないから、へいき。」

そう、と遠慮せずトーストを頬張る。

「今日も探しに行くの?」

「うん、どこ行けばいいかわかんないけど。」

まだ眠そうな顔で、空を見ている。

特に予定もないし、夢か現実かもわからない状態だけど、一緒に探せなくもない。

「これ食べ終わったら、探しに行く?」

「夜にしかさがせないから、もう少しねるね。」

大きなあくびをしながら、布団に、いやタオルに戻った。

夜だけ、かぁ。
雪子は夜型なのか?
あの空飛んだりする能力は夜限定、とか?

もぐもぐトーストを食べながら、なぜ夜限定なのか考えを巡らせてみた。
が、わかるわけもなく。

夜までのんびりするか〜。
しばらくゆっくりできそうだし、カフェオレのおかわりを作り、テレビをつけてみた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?