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#江戸時代
平谷美樹『虎と十字架 南部藩虎騒動』 猛虎脱走! 混沌の謎の行方は
時代小説と歴史小説を中心に活躍する平谷美樹ですが、時代小説においては実はミステリ色が強い作品を得意とする作家でもあります。本作はそれが前面に出た作品――家康から拝領した二匹の虎の脱走を巡って南部藩を揺るがす複雑怪奇な騒動に、藩の徒目付が挑みます。
かつてカンボジアから徳川家康に贈られた二匹の虎・乱菊丸と牡丹丸を拝領し、盛岡城内で飼っていた南部利直。しかしある晩、この二匹が檻から脱走するという
乾緑郎『戯場國の怪人』 史実と虚構、この世とあの世を股にかけたスーパー伝奇
ミステリと並行して独自の時代伝奇小説を描いてきた作者によるオペラ座の怪人オマージュ――に留まらない、凄まじい奇想に満ち満ちた物語です。女形の溺死の謎を追ううち、市村座に潜む謎の怪人と対峙することになる平賀源内や深井志道軒たち。一連の怪事の背後に潜む「戯場國」の驚くべき姿とは……
宝暦十三年の夏、舟遊びをしていた市村座の役者たちの一人・荻野八重桐が怪死した事件を、作品にするよう依頼された戯作者