mitaflag2017

学生街に50年続いた喫茶店を引き継いで、 カフェ&バーを運営しています。 多くの学生が…

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学生街に50年続いた喫茶店を引き継いで、 カフェ&バーを運営しています。 多くの学生が、談笑し、議論し、 青春のひとコマに刻んでいった、 この場と雰囲気だけは残していきたい。 マスターと同じことができるわけではないですが、 そんな気持ちでやっています。

マガジン

  • マスター~回想録~

    学生時代に通った喫茶店 引き継いで、4年が過ぎました。 多くの学生が、談笑し、議論し、 青春のひとコマに刻んでいった、 この場と雰囲気だけは残していきたい。 マスターと同じことができるわけではないですが、 そんな気持ちでやっています。 先代のマスターとの思い出、 喫茶店での思い出を 回想録として、綴っていきます。 ご常連さん、日頃から支えてくださるお客様を中心に配信している、 MITA FLAG MAGAZINE のコラムとして連載中の、 マスター~回想録~ の内容を、できるだけ内輪にならないように、少しずつ変えて、 NOTEに公開していきます。 たくさんの方が愛した喫茶店、 多くの学生に愛されたマスターとの、 他愛のない思い出です。 昭和、平成のすこしレトロな雰囲気を 味わっていただければ幸いです。

  • 小さなカフェの始め方

    小さなカフェのはじめ方 人が集まる場所を作りたい方 飲食店でみんなを幸せにしたい方 こんなご時世でも、 お店を出したいという夢をお持ちの方 私が微力ながらもやってきたこと、 考えてきたこと、常々考えていること お役に立てればという思いで 記していきたいと思います。

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学生街の52年続いた喫茶店

学生時代に通った喫茶店 引き継いで、4年が過ぎました。 多くの学生が、談笑し、議論し、 青春のひとコマに刻んでいった、 この場と雰囲気だけは残していきたい。 マスタ…

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マスター~回想録~vol.9

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別冊マスター〜回想録〜vol.1

魔性の味 仕事柄 よく道具街に来る ペナントを引き継いでからというもの、 事あるごとに、 物を揃えに通っている 道具街の横路地に とある喫茶店がある とにかくなんで…

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マスター~回想録~vol.8

この時期になるといつも思い出す。 ロビーには、いつご用意してくださったのか、 大きな花瓶いっぱいの生け花 年始の朝礼である。 つい先日まで、 父方の実家大分で、お…

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マスター~回想録~vol.7

MIAT FLAG MAGAZINE vol.16 2021.7.14より 「東京の父たち」 以前、私には父が何人もいるというお話をしました。 くどいようですが、父と慕う方々のことです。 学生時代…

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マスター~回想録~vol.5

MIAT FLAG MAGAZINE vol.4 2020.11.11より 早稲田の友と 慶應の友と 肩組みながら 歌わんかな 早慶賛歌 華の早慶戦~ ~早慶賛歌冒頭より~ すべてをかけて、特別…

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マスター~回想録~vol.6

MIAT FLAG MAGAZINE 2020.12.04より 「こんにちは~」 「おー、はんちゃん」 マスターは今日は やけに機嫌がいい 店には今日も長渕が流れている 落研の男の子たちが、…

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マスター~回想録~vol.4

MIAT FLAG MAGAZINE vol.3.〈別冊〉 2020.10.21より 暗がり、 私にとって初めての体験であった。 ボールが6っつも入った、大きなバッグを肩から下げて、 汗だくの制服で…

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お店を出す前に

物件をおさえる前に、 お店をイメージしてみよう ということで、以下のような流れで考えることが多いようです。 1、地域のマーケット調査 2、商品企画 3、売上・収支シ…

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マスター~回想録~vol.3

MIAT FLAG MAGAZINE vol.3 2020.10.08より いつもの喫茶店の前を通る 窓には自分が映っている。 どちらかというと、足早に通り過ぎる、 といったほうが正しい。 通り過ぎ…

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中秋の名月を見ながら、刺激と安らぎについて考えた

関東はここのところ、秋晴れが続いています。 昨日9月21日は、中秋の名月、 ベランダから、きれいな満月を楽しめました。 なぜ、食後のコーヒーは 満足感が高まるのだろう…

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2年前
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マスター~回想録~vol.2

MIAT FLAG MAGAZINE vol.2 2020.09.01より カランコロン 「マジありえないっす❢」 店に入った瞬間、私はマスターに語り始めました。 三年の春、早慶戦は近い。 私は、…

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マスター~回想録~vol.1

MIAT FLAG MAGAZINE vol.1 2020.08.15より 7月23日 マスターのご命日でした。 ここ、そういえば、ペナントだった。。 日々追われると、 そんな当たり前のことすら、 忘…

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2年前
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学生街の52年続いた喫茶店

学生時代に通った喫茶店 引き継いで、4年が過ぎました。 多くの学生が、談笑し、議論し、 青春のひとコマに刻んでいった、 この場と雰囲気だけは残していきたい。 マスターと同じことができるわけではないですが、 そんな気持ちでやっています。 先代のマスターとの思い出、 喫茶店での思い出を 回想録として、綴っていきます。 ご常連さん、日頃から支えてくださるお客様を中心に配信している、 MITA FLAG MAGAZINE のコラムとして連載中の、 マスター~回想録~ の内

マスター~回想録~vol.9

なかなか物事が進まないとき、 何か、世間に取り残された気になるとき、 誰しも、心のもやつきが拭えないことがある。 私も、ここのところ、 そんなことが多い。 ふと、あることを思い出した。 * 確か、私が大学2年生の頃だったと思う。 友人が、相談があるというのだ。 ついては、彼の家まで来てほしいと。 特にやることもなかった私は、 おいそれと、呼ばれるがまま行くことにした。 他人の悩みは、蜜の味、 はたして、本当にそうなのだろうか? 彼の部屋につくと、 単刀直入に、

別冊マスター〜回想録〜vol.1

魔性の味 仕事柄 よく道具街に来る ペナントを引き継いでからというもの、 事あるごとに、 物を揃えに通っている 道具街の横路地に とある喫茶店がある とにかくなんでもいいから なんらかの商売のヒントを得たくて よくぶらぶら道具街を歩いた 歩きに歩き 疲れたところ ちょうど良いところに この喫茶店はある 昭和をそのまま残した店内には ミュージックも流れていない 豆を挽く音 湯が沸く音 コーヒーを淹れる音 いつきても変わらない 頭が空っぽになって、 なんか別に

マスター~回想録~vol.8

この時期になるといつも思い出す。 ロビーには、いつご用意してくださったのか、 大きな花瓶いっぱいの生け花 年始の朝礼である。 つい先日まで、 父方の実家大分で、お餅とみかんをたらふく食べて、 温泉につかって、熱燗を嗜んでいたのだ、 不謹慎ではあるが、頭と体はなまりになまっていた。 ただ、支店長のお話しだけは覚えている。 よく、野球に例えてお話をされるが、 「勝つチームには、勝つ雰囲気がある」 ということだった、 試合前に対峙したとき、そこで悟ってしまうこともある

マスター~回想録~vol.7

MIAT FLAG MAGAZINE vol.16 2021.7.14より 「東京の父たち」 以前、私には父が何人もいるというお話をしました。 くどいようですが、父と慕う方々のことです。 学生時代とは、比較的あまりある時間を 学業、課外活動や部活、そして、社会 この3つの中で、葛藤したり、悔いたり、悩んだり、 わからないながら、 自分の進む方向性を模索したり、 不安を振り払い、将来への希望を見出したり するものだと思います。 どちらかというと、希望的観測を練り上げ

マスター~回想録~vol.5

MIAT FLAG MAGAZINE vol.4 2020.11.11より 早稲田の友と 慶應の友と 肩組みながら 歌わんかな 早慶賛歌 華の早慶戦~ ~早慶賛歌冒頭より~ すべてをかけて、特別な思いで臨む どちらかは勝利し、どちらかは敗れる 秋の早慶戦は、 勝っても終わり、負けても終わり 次はないのである。 神宮外苑の銀杏は、 そんな寂しさを教えてくれる 精一杯に黄色く秋空を染め、 道行く人を楽しませた後 実を落とし、葉を落とし 次会えるのは、また一年後

マスター~回想録~vol.6

MIAT FLAG MAGAZINE 2020.12.04より 「こんにちは~」 「おー、はんちゃん」 マスターは今日は やけに機嫌がいい 店には今日も長渕が流れている 落研の男の子たちが、マスターを囲んでいる。 勉強好きな私は、二年も余計に同じクラスを取っていたのだが、 その男の子たちの中には、同じクラスの子がいた。 気恥ずかしい気持ちもあったが、 フレンドリーに話しかけてくれる彼らに好感を持っていた。 部活は引退していた。 浮いた話しもない。 しぼんだように学生

マスター~回想録~vol.4

MIAT FLAG MAGAZINE vol.3.〈別冊〉 2020.10.21より 暗がり、 私にとって初めての体験であった。 ボールが6っつも入った、大きなバッグを肩から下げて、 汗だくの制服で、先輩たちと同期の数名でその店に入った。 広島の繁華街、流川通りの路地裏にある、喫茶店 「ここのがうまいんよ」 先輩の一人が、得意げに言う 田舎高校の我々は、繁華街に来ることなど、ほとんどない。 その日は練習試合のあと、 チンチン電車で広島駅からやってきたのだ。 先輩は

お店を出す前に

物件をおさえる前に、 お店をイメージしてみよう ということで、以下のような流れで考えることが多いようです。 1、地域のマーケット調査 2、商品企画 3、売上・収支シミュレーション 4、資金調達方法の検討 5、物件の購入・賃借 6、内装 7、什器・機材購入 8、告知・集客 9、開店準備 10、開店 大雑把にいうと、こういった流れが一般的かと思います。 まずは、何屋さんをしたい、 という思いがあって、 どこで、どうやって、どんなかたに、 と考えていくこ

マスター~回想録~vol.3

MIAT FLAG MAGAZINE vol.3 2020.10.08より いつもの喫茶店の前を通る 窓には自分が映っている。 どちらかというと、足早に通り過ぎる、 といったほうが正しい。 通り過ぎる瞬間に、店の中を一瞬、 横目で確認するのだ。 だが、いつも見えるのは窓に映った自分の顔。 店の中が暗すぎるのだ。 特に奥が見えない。 大事なのは、ふと店に入った時に、 上級生がいるかどうかなのに。。 ついに私は、 窓に額をつけて確認する。 エアコンの室外機が縦に重ねら

中秋の名月を見ながら、刺激と安らぎについて考えた

関東はここのところ、秋晴れが続いています。 昨日9月21日は、中秋の名月、 ベランダから、きれいな満月を楽しめました。 なぜ、食後のコーヒーは 満足感が高まるのだろうか? 昼に食べた、最近作っている新作のカレー、 いつもながら飲んだコーヒーことを思い出し、 ふと、そんなことを考えてみました。 スパイスによる、 新陳代謝向上、リラックス効果、抗酸化作用、 カフェインの鎮痛、疲労回復作用。 そういうのも、きっとあるんだと思いますが、 なんといっても、この組み合わせには な

マスター~回想録~vol.2

MIAT FLAG MAGAZINE vol.2 2020.09.01より カランコロン 「マジありえないっす❢」 店に入った瞬間、私はマスターに語り始めました。 三年の春、早慶戦は近い。 私は、下級生をまとめる役。 気合も最高潮で、 充実していた。 その日は、早稲田大学での応援合戦の日、 私は、司会を担当していた。 無事にステージは終わった、 我ながら、なかなかの掴みとネタの構成… きまった。。 その頃の私は、根拠無き自信に満ち溢れていた。 ステージ後、大隈講堂

マスター~回想録~vol.1

MIAT FLAG MAGAZINE vol.1 2020.08.15より 7月23日 マスターのご命日でした。 ここ、そういえば、ペナントだった。。 日々追われると、 そんな当たり前のことすら、 忘れてしまうこともあります。 実は、FLAGとして開店してから、 あまり、マスターと話をしていませんでした。 開店後は日々全く余裕がなく、 落ち着いてから、たまに連絡をしても、 電話口で辛そうにされている、 だんだん、連絡も遠慮がちになっていたところ、 「天国に召された