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マスター~回想録~vol.2
MIAT FLAG MAGAZINE vol.2 2020.09.01より
カランコロン
「マジありえないっす❢」
店に入った瞬間、私はマスターに語り始めました。
三年の春、早慶戦は近い。
私は、下級生をまとめる役。
気合も最高潮で、
充実していた。
その日は、早稲田大学での応援合戦の日、
私は、司会を担当していた。
無事にステージは終わった、
我ながら、なかなかの掴みとネタの構成…
きまった。。
その頃の私は、根拠無き自信に満ち溢れていた。
ステージ後、大隈講堂の裏で悦に浸っていたところ、、
とある先輩が、いぶかしそうな顔で、
「おまえ、『早稲田大学をお招きしまして』って言っただろ。」
と、、
え?
耳を疑ったが、どうやら、私がそのように言った、
と早稲田大学側から注文が入ったというのだ。
(いやいやいや、言うわけないやん❢そんなこと。。ここ早稲田やん。。)
まずは、
ド気合で、「言ってません」の顔で先輩を見る。
そして、
同期を「言ってねぇよな?」の顔で見る
・・・
が、
同期は下を向いている。。
(えっ?まじっ?…そこ、お前らも「言ってません」の顔だろ…)
確かに、
「早稲田大学にお招きいただきまして」とは言ったさ。
(え、でも、言うわけないやん。そんなこと。ここ早稲田やん。。)
結局「言うわけないやん」の心の声は届かず、
肯定の返事が、虚しく講堂の裏にこだまするのであった。
そう。
そして、そんな私の無念を伝えに、
この喫茶店にやってきたのだ。
店に染み付いた煙草の香りで、少しは、怒りが収まってきた。
「どぉ思います?マスター??」
マスターは煙草をぷかぷかしながら、
「ははは、いいじゃない。別に。。カレーでも食いなよ。。」
「え?…あ、はい…まいっか…」
いや、よくない…
ただ言えることは、
激しい運動後のカレーは、めちゃくちゃ、よかった❢
ケチャピラ、ケチャドラ、ニンピラ、ドライカレー
どれもおいしくて、人気だったが、
私は、マスターの作ったカレーが、一番思い出深い。
やさしい辛さ。
*
追伸
ご指導くださった両校先輩方、ありがとうございました。
(文中の心の声の言葉遣いは当時のものではありません。
超訳現代語版です。)
マスター。
カレーありがとうございました❢
MITA FLAG 飯田 将嗣
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