LINEミニアプリ(LINE Mini app)とは?開発方法や最新事例をご紹介
私、井口が代表を務める株式会社ネッコスは、LINEと連携したカスタマーサポートツール『tunakan(ツナカン)』を提供しています。
LINE APIを活用したアプリ制作、システム開発は、ウェブ開発を便利にするものからIoT開発・音声アシスタントなど多岐に渡り、開発の幅を広げてくれました。
そんな最中、2019年にLINE株式会社が新たにリリースしたのが『LINE Mini app』=LINE(内)ミニアプリ。
2019年6月27日開催「LINE CONFERENCE」での公式発表の通り、2020年5月現在一部のLINEミニアプリが先行リリースされ、今後ますますサービス拡大を加速させていく予定です。
しかし、まだまだLINE Mini app(ラインミニアプリ)というサービスを知らない方も多いはず。
そこで今回は、LINEミニアプリが出来ることや特徴、機能、開発方法や最新導入事例、メリット・デメリットなどを分かりやすくまとめました。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)とは
LINEミニアプリ(LINE Mini app)とは、LINEアプリ内でさらに別のアプリ機能が利用ができるサービスのことです。
LINE公式アカウント(旧LINE@)と混同されがちですが、実際にはまったく別のサービス。そのため、アプリを利用するときもLINEで完結できるのでアプリをダウンロードする必要がありません。
一例を挙げると、「LINEマンガ」や「LINE MUSIC」「LINE pay」「LINEゲーム」などがミニアプリに該当します。
ミニアプリを搭載するための親アプリは「スーパーアプリ」と呼ばれています。
LINE Mini app(ミニアプリ)と自社アプリ・公式アカウントの違い
Mini app(ミニアプリ)は自社アプリと何が違う?
Mini app(ミニアプリ)と自社で独自開発したネイティブアプリの異なる点は、先述したように、アプリストアからのダウンロードが不要なことです。
他にも違いはありますが、この点はミニアプリが注目される大きな理由の一つです。
これまでアプリと言えば、必要に応じてストアからダウンロードし、それぞれのアプリ内で検索や購入を行っていたと思います。
それが、そもそもLINEなどのアプリ上でダウンロードの必要なく利用できるとすれば、アプリ開発業界にも激震が走るのは当然のこと。
日常使いしているアプリのプラットフォーム上で、自社開発アプリと同じような機能がダウンロードなしに使えるのであれば、迷わずMini appを選択するでしょう。
Mini app(ミニアプリ)はLINE公式アカウントと何が違う?
Mini appとLINE公式アカウントの違いは、
・Mini appはサービスそのもの
・LINE公式アカウントは、友達追加後サービスの利用を促す役割
だと言えます。Mini appはホーム画面のサービスから友達登録などは不要ですぐに利用が可能です。一方、アカウントを友達追加した後で、LINEトーク内で立ち上げ、メッセージ配信やチャットボットを用いて検索や購入といった行動を促す役割。
しかし、この二つがまったく交わらないという意味ではありません。
LINE Mini appとLINE公式アカウントは、同じくLINEが提供するLIFF(LINE Front-end Framework)という技術で、Webアプリの機能を開発したり、組み合わせて使用することが可能です。
LINE Mini appの誕生のきっかけと注目される理由
LINEがMini app(ミニアプリ)を提供するようになった背景としては、LINEが国内約8500万人(実に国内6割以上)に利用されている巨大プラットフォームへと成長したことが挙げられます。
数多くのユーザーを抱え、強い影響力を持つメッセージアプリ『LINE』は、スーパーアプリ化の中で、より便利で使いやすい完結型のアプリの提供を目指したというわけです。
アプリをダウンロードする手間や、スマホ内にアプリがありすぎる状態を嫌うユーザーにとって、1つのアプリでダウンロードの手間もなく、様々なことが完結するというのは画期的であり、より便利に感じます。
クーポン配信やカルーセル機能など、独自性を持たせた自社アプリの開発には、多大なるコストと開発期間、さらには広告・宣伝やASO対策(アプリストア最適化)などの問題もあり、開発者側から見てもMini app(ミニアプリ)はベネフィットが多くあります。
そういった理由から、今LINE Mini app(ミニアプリ)は世界中から注目されている新サービスとなっているのです。
LINE Mini app(ミニアプリ)を使うメリット
LINE Mini app(ミニアプリ)の活用には、企業側にも、アプリを利用するユーザー側にも違った側面でのメリットがあります。
ユーザー側(顧客)がLINE Mini appを使うメリット
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◆1.ダウンロード無しでアプリを使うことができる
先述した通り、ミニアプリは機能を利用する際に、一々個別のアプリをダウンロードする必要はありません。
ネイティブアプリをダウンロードするのはユーザー(顧客)の手間になるだけでなく、ホーム画面がアプリだらけになり散らかってしまうので、マイナス面が多いもの。その点、ミニアプリであればその課題が一気に解決できます。
◆2.スマホの容量を気にせずに済む
何かをするたびに個別のアプリをダウンロードしていると、スマホの容量を圧迫してしまいます。その点、LINE Mini app(ミニアプリ)はダウンロードの必要がないため、容量を気にせずに様々な機能を利用することができます。
◆3.自社開発のアプリに近い機能が利用できる
LINE Mini app(ミニアプリ)を利用すると、店舗や企業が提供している予約フォームやクーポン、ポイントカード、支払い機能、お知らせ機能、などのサービスをLINEのプラットフォーム内で使うことができます。
◆4.LINEの友だちと共有ができる
LINEを利用しているユーザーであれば、誰とでも共有することができます。これも、国内利用者数約8500万人とも言われる巨大プラットフォームならではの強みです。
店舗・企業がLINE Mini appを使うメリット
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◆1.アプリ開発費用が大幅に抑えられる
アプリを開発するには、iOS・Android両方の開発が必要です。そのため、自社内でのネイティブアプリ開発には膨大な開発費がかかります。LINE Mini app(ミニアプリ)の場合は、LINEに対応するWebアプリを1つ開発するだけなので、コストが大幅に削減できます。
アップデートも自動反映のためアジャイル開発が可能で、とてもコンパクトな開発ができます。
◆2.約8400万人のユーザーが利用しているため、自社サービスの展開が容易
LINE Mini app(ミニアプリ)はアプリ内で動作するものなので、そもそもLINEをアンインストールされなければ消されないというメリットがあります。また、始めからLINEがインストールされているユーザーが大半のため、自社サービスを展開しやすく、使ってもらいやすいというメリットもあります。
◆3.LINE広告との連携で、集客のハードルを下げることができる
アプリを開発したあとで、多くの企業が頭を悩ますのが「集客」です。しかし、LINE Mini app(ミニアプリ)であればLINE広告と連携できるため、販促や集客のハードルがとても低いという特徴があります。
また、プッシュ通知や配信機能も充実しているため、「ユーザーの反応が薄い」「集客が思うようにいかない」などの課題を解決することができます。
◆4.短期間でのリリースが可能
アプリの独自開発には、半年~長くて1年程度かかることも多くあります。その間に他社の類似サービスがローンチされたり、仕様変更などが頻繁に起こり、更に開発期間が長引くことも…。しかし、LINE Mini app(ミニアプリ)は、LINEに対応するWebアプリを1つ開発するだけなので、開発期間を短くスムーズにすることが可能です。
◆5.30%の手数料なし(課金型のサービスの場合)
通常のアプリは、課金型サービスの場合売上の30%の手数料という手数料がかかってしまいます。しかし、LINE Mini appであればその手数料はかかりません。
また、店舗・企業側は決済手段をLINE Payやクレジットカードなど自由に設定することが出来るため、決済面でも融通が効き利用しやすくなっています。
◆6.LINEの圧倒的な開封率・既読率でユーザーの反応が分かりやすい
販促や集客のやりやすさはもちろんのこと、「開封率が100%近い」ことや、「既読率がメルマガと比べ遥かに高い」ことで、ユーザーの反応が分かりやすいという特徴があります。
これまで、DMやメルマガでユーザーにしっかりと届いたか、どのような反応があったかイマイチ分かりづらかったというケースが多くありましたが、ミニアプリの活用により相互コミュニケーションの活性化が期待できます。
LINE Mini app(ミニアプリ)の最新導入事例
続いて、LINE Mini app(ミニアプリ)の最新導入事例をご紹介します。LINE Mini app(ミニアプリ)を使うには、LINEのホームからサービスをタップし、最下部にある「LINEミニアプリ」の項目をご覧ください。
ミニアプリを使うには、上記画像のように利用許可のリクエスト画面で許可するをクリックしてください。これだけのステップで簡単にミニアプリを使用することができます。
matoca|マトカ(整理券の発券)
マトカ(matoca)は、LINEミニアプリを導入している店舗などの受付・順番待つシステムで、時間が来るとLINEにプッシュ通知としてお知らせが来るというものです。
使い方は簡単で、オンラインの場合は使える店舗を位置情報や検索から探し、LINEメッセージやリッチメニューからリンクをクリックし整理券を取得するだけ。オフラインの場合は、QRコードを読み込み5秒で発券ができます。
現在導入しているのは、飲食店や医院・クリニック・調剤薬局、商業施設(スポーツ観戦・イベント・催事)、小売、美容室、公共施設などで、随時導入店舗を拡大しています。
現在、コロナ禍で「三密」を避けることが必須となっているため、並ばずに自分の順番が把握でき、待ち時間を有効活用できるといった点で需要が高まっているサービスです。
クラシル(お料理・レシピ検索)
固有のアプリとしても人気が高いお料理・レシピ検索アプリ「クラシル」もLINE Mini app(ミニアプリ)として提供されています。
検索、またはトップの一覧スクロールから気になったレシピがあれば、ミニアプリ内でそのまま閲覧することもできる他、LINEに送るというボタンから、自分や家族、友人などと共有することが可能です。
シンプルな機能ではありますが、LINEと連動することにより、個別のレシピがより共有しやすく、便利になっています。
ジフマガ(無料動画・スタンプ送り放題サービス)
ジフマガは無料のスタンプや動画を自由に送ることができるLINEミニアプリのサービスです。映画やアニメの公式GIFも配信されており、友だちと無制限で無料のスタンプや動画を送り合うことでコミュニケーションを取ることができます。
ジフマガは公開から約1ヵ月で利用者数20万人を突破しており、LINEのトークルームからジフマガを起動し、簡単にGIFスタンプを選択、送信できることで人気を博しています。
中でも人気なのが、GIFスタンプに好きなメッセージを入れることができる「セリフメーカー」という機能。
LINEメッセージの表現の幅を広げることができるということで、日常的にメッセージを送り合う若年層を中心に広がりを見せています。
おくすりPASS FAST(アイセイ薬局のお薬予約サービス)
おくすりPASS FASTは、アイセイ薬局が提供するお薬予約サービスです。スマホで全国のアイセイ薬局グループのお薬受け取り予約が簡単にできることから、待ち時間を短縮し、スムーズなお薬受け取りが可能になります。
Web版・LINE版の2種類があり、LINE版の使い方は医療機関から受取った処方せんをスマホで撮影し、送信するだけで薬局にいる薬剤師が確認し薬を用意するという仕組み。
説明動画も用意されており、今後問題視されている「病院やクリニックでの待ち時間」を大幅に短縮することが期待されています。
LINE Mini app(ミニアプリ)の開発方法
LINE Mini app(ミニアプリ)はまだまだ新しいサービスのため、開発会社や開発事例は多くありません。
ミニアプリの開発はLINE Biz Partner人認定された企業が提供し始めています。
LINE Biz Partnerの中でも、実際に開発をしたり自社のミニアプリツールを提供しているのが『Technology Partner』なので、ミニアプリを開発したい場合は、まずパートナー企業に問い合わせてみることが賢明です。
開発方法としては、LINE株式会社が提供する「LINE Mini app」を活用することになります。企業や店舗がクーポン発行やポイントカード機能、予約や決済、会員登録機能などを搭載したサービスページをLINE内に開設できるとあって、今後ますます事例や具体的な活用方法なども増加していくでしょう。
もし、要件がはっきりしていないがミニアプリを開発したいという方がいらっしゃったら、LINE APIを用いた開発実績が豊富な弊社までぜひお気軽にご相談ください!
LINE Mini app(ミニアプリ)にかかる開発費用
LINE Mini app(ミニアプリ)は、通常のネイティブアプリに比べて費用が半額程度という話をしましたが、実際にはどれくらいの開発費用がかかるのかも知っておきたいところです。
LINE Mini app(ミニアプリ)の開発費は実際のところスマホアプリの開発費用と変わりませんが、先述したようにiOSとAndroidの二つを開発する必要がないため、実質半額程度で済むという意味です。
通常のアプリと同様に、ミニアプリにおいても必要な機能やページ遷移、データ量により開発コストは大きく異なりますが、1つのミニアプリを開発するのに大体150~500万円、大規模なミニアプリ開発になると1000万円前後となる場合が多いでしょう。
ただし、繰り返しになりますがLINE Mini app(ミニアプリ)ではアップデートも自動更新されるため、その都度の保守などの必要がない分費用対効果が高いと言えます。
LINE Mini app(ミニアプリ)の追加予定機能
カンファレンスの発表でもあったように、LINE Mini app(ミニアプリ)は今後、リテラシーの高さ・低さに関わらずどんな人でも簡単に利用でき、またユーザーに日常的に使われるサービスを展開していくという予測です。
サービスリリースの目的としては、小規模店舗も含め使いやすい機能ということで、その代表的なものがカンファレンスでも発表されました。
予約機能
予約機能(名称としてはreservation機能では、ミニアプリと予約フォームを連携しLINE Mini app上に予約フォームを設置できます。ユーザーは、予約をしたい日時を選択するだけで、簡単にいつでも予約が可能。
これは企業側にも大きなメリットがあります。かつては費用の高い外部の予約フォームを利用していた企業は、LINE Mini appの導入によりLINEが提供する予約フォームを使うことが出来るので、コストの削減にも繋がります。
LINEのプッシュ機能との掛け合わせにより、LINE内で予約の動線設計が出来るようになるため、美容室や飲食店など予約が必須な店舗からの需要が期待されています。
クーポン機能
クーポン機能(名称としてはcoupon機能)は、LINE Mini app内でクーポンの作成・抽選、さらにはユーザーのタイムラインへの投稿や直接のメッセージ配信ができます。お友達へのクーポン配布などで再来店を促進できるため、店舗や企業としては大きなメリットがあります。
支払い機能
支払い機能(名称としてはpayment機能)は、LINE pay決済を通して、欲しい商品をLINE上で簡単に購入(決済)できるサービスです。
これまでのサービスと違った点は、オフラインのサービスをスマホで決済できるというところ。クレジットカードも登録できるため、キャッシュレス化が進む現代にマッチした機能と言えそうです。
通知機能
通知機能(名称としてはNotification機能)は、プッシュ通知を利用してユーザーにリマインドができる機能です。公式アカウントと連動して、予約時間前に通知したり、キャンペーンのお知らせを届けたりします。
会員(ポイント)カード機能
会員(ポイント)カード機能(名称としてはmembership card機能)は、商品を購入したり、再来店時の特典ポイントをLINE Mini app内で発行・管理できます。いわゆる、ポイントカードの機能が利用できるということです。
お財布を出すのが面倒、という現代のニーズにマッチした機能として注目されています。
まとめ
LINE Mini app(ミニアプリ)について簡単にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
SNSの中でもLINEならインストールされている・できるという人は多いと思います。
日本の人口の66%以上が利用しているSNSだからこそ、LINEミニアプリはサービス提供の勝ちがあると言えるでしょう。
ミニアプリのサービスはまだ提供を開始したばかりで、その存在や名称、仕組みなどを知らないという方がほとんどです。しかし、そんな今だからこそ、企業はLINE内アプリを取り入れて、他社との差別化を図り一歩リードしていきたいものですね!
ミニアプリに関してはまだまだ不明な点も多いため、もし開発を考えているという方がいましたらお気軽にご相談ください。
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