mistershu

58歳の時に早期退職し、キャリアカウンセラーCDA(現国家資格キャリアコンサルタント)…

mistershu

58歳の時に早期退職し、キャリアカウンセラーCDA(現国家資格キャリアコンサルタント)の資格を取得。また定年前後のシニアを対象とした活動に特化するために、シニアライフ・アドバイザーの資格を取得。行政や研修会などで講師を多数務める。

最近の記事

■人生の化学反応

事例にもあったように、とにかく行動を起こすことにより、予期せぬ出来事に出会う。そして自分の中に潜んでいた今まで抱いたことのない感情が、突如噴き出してくる。 私たちの日常は偶然に支配されているという。その偶然が突然「化学反応」を起こし、思わぬ方向に私たちを導いてくれることがある。 「行動」が「偶然」を生み、そして「チャンス」にめぐり合う。このサイクルを回すためにはまず行動を起こすことが必要である。 しかし行動を起こすことは簡単なようで難しい。やはり結果を考えてしまうからだ。

    • ■「感謝される」ことより「感謝する」こと

      今まで何回感謝という言葉が出てきただろうか。 「親子ゆえに容赦のない辛辣な言葉を投げつけてきた娘に感謝」 「退職直後に救いの手を伸ばしてくれた測量士の友人に感謝」 「渋谷で偶然出会った元同僚に感謝」 「迷っているときに背中を押してくれた、年下のカウンセラーに感謝」 「未経験の私に、講師のイロハを仕込んでくれた先輩講師に感謝」 「講座を暖かく見守ってくれた主催者の方に感謝」 「講座の際に、手伝ってくれたスタッフの方々に感謝」 退職して4~5年の間にこんなにも多くの人に助けら

      • ■第2の人生を生きる#生きがいはどこに

        新たな体験、未知の世界が導く生きがい 見聞きする事例は疑似体験。参考にはなるが所詮は人のこと、その通りにはできない。それでも新しい発見や勇気づけられる場合もあり、思わぬ方向に導かれる可能性がある。シニアにとっては、増える疑似体験をなんとか実体験へつなげていこうという気持ちが大切だ。 日常生活においてあまり深く考えずに「なんとなく」何もしないで過ごすことが多くなる。このままいったらまずい、まだまだ時間はたっぷりある。とりあえず何かをしてみよう。なんとなく何もしないのではなく、

        • ■生きがいはどこに <事例Ⅴ>安来節にはまった女性

          この50代の女性にお会いしたのは5年前。ある講座でご一緒して、話をしているうちに「わたしいま、安来節を習っているの」と言い出した。私はびっくりして「あのドジョウすくいの?」と思わず聞いてしまった。このご婦人が短い割りばしのようなものを鼻に突っ込んで踊るなんて、想像もできなかったからである。いまは割りばしではなく5円玉を鼻に充てていると言う。 「なぜ、あなたみたいな方が安来節を習う気になったの?」と、興味があったので訊いてみた。  最初、友達に面白い会合があるから一緒に行こうと

        ■人生の化学反応

          ■生きがいはどこに <事例Ⅳ>異質な経験と緊張感

          知り合いのDさんは70歳までずっと働いてきた。60歳で定年になりその後は子会社や関連会社で働いてきたが、今年でその仕事人生から卒業する。だからといって家にじっとしているつもりはない。今までも休みの日は趣味のテニス、登山、旅行、映画鑑賞など活発に活動していた。リタイア後を考えてみると、趣味の遊びだけでは気持ちに張りが持てず、時間を持てあますだろうと考えていた。いろいろ本を読んだり講座やセミナーに通ったりして、漠然と趣味以外のやりがいのあることを模索していた。 そんな時にDさん

          ■生きがいはどこに <事例Ⅳ>異質な経験と緊張感

          ■生きがいはどこに<事例Ⅲ>報酬は一粒の涙

          Cさんはリタイアして5年。特にすることもなくあっという間に5年経ってしまった。  そんなCさんと知り合って1年、私が今まで何回か参加したことのある、介護施設の入所者と会話を楽しむ「おはなしボランティア」にCさんを誘ってみた。このボランティアは学生が中心になって立ち上げたものだ。 Cさんはたまたまその日が暇だったのと、将来お世話になるかもしれない施設を見ておくのも悪くはないかと思い、とりあえず参加することになった。 ボランティア当日、もともと人付き合いの良いCさんは本領を発揮

          ■生きがいはどこに<事例Ⅲ>報酬は一粒の涙

          ■生きがいはどこに<事例Ⅱ>まんまと功を奏した妻の作戦

          Bさんは70歳、会社の役員をしていて、3年前に退職した。それからはずっと家にいる、いわゆる引きこもりである。  Bさんの奥さんはこのままではまずい、何とかしなくてはと日頃から心配していた。奥さんは町内会の役員をしており、次回の役員会に、何とかBさんに出てもらう方法はないかと考えた。 当日、奥さんは身体の具合が悪いからBさんに出てくれるよう頼んだ。奥さんは会計の役員をしているので、どうしても出席する必要があるからと、Bさんを説得した。 いやいやながらBさんは初めて町内会の役員会

          ■生きがいはどこに<事例Ⅱ>まんまと功を奏した妻の作戦

          ■生きがいはどこに<事例Ⅰ> 仕方なく応じた元上司の誘い

          Aさんは定年退職して6か月、やることもなく家でぶらぶらしていた或る日、元会社の上司から電話があった。  東京近郊の街のスナックで、シャンソンのリサイタルを仲間と定期的に行っているので来ないかという誘いであった。 そういえば、その上司はフランスでの海外勤務が長く、滞在中にシャンソンを習っていたということをAさんは聞いていた。Aさんはカラオケスナックで演歌は歌うけれど、シャンソンには全く縁もなく興味もなかった。しかし現役時代にお世話になった元上司からの誘いである。仕方なく1回だけ

          ■生きがいはどこに<事例Ⅰ> 仕方なく応じた元上司の誘い

          ■報われた思い  #第2の人生 を生きる

          講座当日の受講生は15名。自治体の職員とスタッフの見守る中、途中10分の休憩を挟み2時間の講座は始まった。 「最初の3分間をうまく乗り切るとスムーズにいきますよ」 と、丸山さんからは言われていた。開き直って臨んだこともあり、なぜか落ち着いて大した緊張感もなく、受講者の前に立つことができた。余裕はなかったが講座は順調に進んでいった。多分最初の3分を何とか乗り切れたのだと思う。 しかし休憩後の後半30分過ぎた頃、用意した資料が時間内に終わりそうにないことに気が付いた。 頭の中でカ

          ■報われた思い  #第2の人生 を生きる

          #講師 デビュー・実践60の手習い  #第2の人生 を生きる

          さあ、それからが大変。紹介された人材派遣会社の担当者は、丸山さんという50代の女性であった。  丸山さんからは、私のような年配者は 「今までの経験に執着した価値観や実績を振り回す人が多い」 と、まずカウンターパンチを食らった。  そして講師の心がまえとして 「初めて講師をする方が、今回の講座は初めてなので、慣れていなかったので、などとエクスキューズすることがありますが、それは絶対にしないこと」 「私たちはお金をもらう立場、プロだということを自覚して下さい。相手もそう見ていま

          #講師 デビュー・実践60の手習い  #第2の人生 を生きる

          決断はちょっとした勇気

          講師というものに多少興味があった。言わば憧れのようなものだ。そう簡単に自分にできるとは思えない。どうしたものかと悩んでいた時に、ふと桜井さんのことが頭に浮かんだ。彼女だったらこの件について、どんなことを言うのだろうか非常に興味があった。 早速、連絡をすると快く応じてくれ、また彼女の勤務する大学の近くでランチをすることになった。そして講師のオファーを受けた経緯と現在の心境を話した。 講師の経験がないこと、人前で話すこと、講座の進め方、資料作成のことなど、とにかく不安を並べ立てた

          決断はちょっとした勇気

          偶然が引き起こした化学反応

          思いがけないことは渋谷で起こった。  年金の手続きをするために池袋の年金事務所に行くつもりだったのだが、たまたま渋谷に行く用ができたので、そのついでに渋谷の年金事務所に寄って、手続きをすることにした。 受付の男性がにこにこしながらこちらを見ている。驚いた、彼は以前私が勤めていた会社の40代の同僚だった。訊くと、私が退職した後に彼も早期退職したと言うのである。彼は退職した時に、すでに社会保険労務士の資格を取得していたそうで、時間があるときに年金事務所を手伝っているとのことだった

          偶然が引き起こした化学反応

          1年ぶりの再会

          資格を取って再就職した人、大学で学生の就職支援をしている人、ハローワークなどの公共機関に携わっている人など、養成講座の同期数名の消息はわかっていた。その他の人はどうしているのだろうかと、ぼんやりと考えていた。 そんな時、養成講座の同期でマドンナ的な存在だった桜井さんからメールが届いた。北海道出身の30代半ばの溌剌とした素敵な女性で、養成講座の中にあって明るく愛想良しの人気者であった。 私が言うことではないが、残念ながら既婚者であった。私の入社当時の上司は、女性社員のことを「結

          1年ぶりの再会

          友人が背中を押してくれた転機

          合格して資格を取得した達成感に酔っていたのだが、その酔いがさめるのは早かった。  資格を取って近くの女子大で学生の就職支援をするつもりだったが、出鼻をくじかれたからだ。私にとっては良い条件だったので残念だ。資格は取ったものの、これからどうしよう。 「資格は取得することがゴールではなくスタートである。これから先は約束されたものではなく、どう生かしていくのかは本人次第である」  と養成講座の講師が言っていたことを思い出した。 測量の仕事を手伝い始めて1年近く経った年の暮れには、

          友人が背中を押してくれた転機

          娘はカウンセラー

          来年から娘の就職活動が始まる。親としても無事就職できるのかどうか心配である。  退職して間もなく娘がある仕事をしたいと私に相談してきたことがあった。  私は自分の経験から「そんな仕事はやめたほうがいい、給料は安いし、重労働で長くは続かないぞ。それよりもこんな仕事のほうがいいのではないか」と軽い気持ちでアドバイスした。  数日後、娘が妻に 「二度とお父さんには相談しない」 と言っていたというのである。娘に良かれと思いアドバイスしたのにどうしてそんな風に思うのか合点がいかなかった

          娘はカウンセラー

          達成感と自己肯定感

          だがこの資格を取得するためにはいくつか問題があった。毎週土曜日9時~18時まで3か月間養成講座に通学しなければならない。  その費用は取得まで40万円くらいかかる。一次試験の筆記試験と、二次試験のロールプレイ、さらに面接試験があると知って、正直腰が引けた。1回で受からなければさらにお金がかかる。 養成講座に通うのはいいとしても一次試験の筆記試験が最大の難関である。しかしカウンセラーが自分に向いていると思い始めた私は、この資格を取得することを当面の目標として、とりあえずやってみ

          達成感と自己肯定感