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ちょっとできるようになったと思ってた大人の二回目の一人旅〜ああ松島や松島や編〜(あとがき以外一つの記事にまとめました版)

(写真付きのひとつひとつの記事はこちらから☺︎)
 

初めての一人旅で伊勢神宮に行ってから早二ヶ月。弾丸バナナワニ園に行ったことを除いたらしばらく遠出からは足が遠のいていた。

「旅に出たい…」

気持ちがモヤモヤしていたことも相まって、すごく出かけたい気持ちでいっぱいになっていた。
行きたい場所は浮かんでくるものの、色々な気持ちの面でのしがらみもあり、なかなか一歩が踏み出せずにいた。
だらだら悩んでまた日にちだけが過ぎてゆく。。
そして先日、ようやく重い腰を上げる。

「松島に行こう」

なんで松島に行きたかったのかよくわからない。もはやほとんどなんとなく思いついた松島。そして行きたいと考えていた場所たちの天気を比較した結果、最も天気が保ちそうだったので、松島に行くことを決めた。直前まで悩んで悩んで、また当日に決めて突撃パターンである。

前回の伊勢神宮は一泊二日だったが、今回はもう少し長く行きたい。最大三泊四日のていで準備をすることにした。一泊二日と比べたら、なんと荷物の多いことか。めんどくさいの気持ちを抱えつつ、なんとか準備が完了した。

行くと決意するまでうだうだ悩んでいた結果、本来なら十分に時間はあったはずなのに電車の時刻がギリギリになっていた。余裕なんかいくらでもあったのに…またドタバタ劇で始まってしまった。

急いでいるために忘れ物がないかも心配だし気持ちもとてもせかせかと焦っていた。こういうのはとても良くない。余裕がないと危ないしちょっとしたことでもイライラしてしまう。次こそは気をつけたいものだ。。

家を飛び出し、早足で駅に向かった。三度目の一人新幹線だ。前よりも不安少なく、新幹線のチケットもちょっとサクサクと購入もできるようになった。チケットが一枚だろうともう動じることはない。

電車に乗り込み、ホテルをとることにした。前回の激怖ホテルがまじでトラウマだったので、今回は多少値が張ろうとよく聞くお馴染みのホテルにして、ひとまず二泊でとって、その後のことはその時に考えることにした。

電車を乗り継ぎ、無事に新幹線の駅に到着した。掲示板を見ると一本早いのに乗れそうな気がする。しかし携帯で調べるとその一本早い新幹線が表示されない。。何故だ…???
もう一度掲示板を確認する。

…もしかして、指定席しかないのか?

私が買ったのは自由席のチケットだった。ホームへ向かい、駅員さんに確認し、指定席しかない新幹線があることを初めて知った。ちょっとできるようになったつもりでいたけれど、やっぱり知らないことばっかりだ。駅員さんにお礼を言って、自由席の位置まで移動して並んで待つことにした。

そんなに待たずに、乗る予定の新幹線は到着した。フォルムがかっこいい。記念にと写真を撮った。前回、前々回が空いていたのでそれが当たり前になっていたのだが、今回はそこそこ人が乗っていた。

窓際には座れなそうだ…

諦めて空いていた三人席の通路側の席に座ることにした。大きい荷物はお腹に抱え、手提げを前の人の席の荷物掛けにかけて本を読み始めた。仙台に行くので、読もうと思って積読になってしまっていたサンドウィッチマンの本を持ってきたのだ。

読んでいる途中で手提げがぐいんぐいん振り子のように揺れているのが視界に入る。これ、前の席の人の椅子揺れてたりするのかな…そうだとしたら申し訳なさすぎる。そしてあまりにも動いているので、私の並びの席の人の視界にも揺れる手提げがやかましく映っているかもしれない。

本に集中するどころじゃないので、自分のつま先をちょっと浮かせてストッパーにして、その足の上に手提げを置くことにした。これがなかなか疲れる。(そりゃそうだ
ちょいちょい足の甲を伸ばして休憩を挟んだがだいぶ疲れてしまった。

仙台に段々近付いてきて、三人席の窓際に座っていたひとは途中の駅で降りて行き、前の席の人も降りて行ったので、手提げをまた椅子にかけることができた。

今回は全然風景の移り変わりを見られなかったので、仙台に着いた時に急に景色変わった!!!感があるのかなどんな気持ちになるんだろうと少しわくわくした。

新幹線はついに仙台に到着した。

一旦荷物をホテルに置いて、それからご飯を食べる予定だ。初めて降り立った仙台駅は、めちゃくちゃ都会だった。お土産屋さんもたくさんあるし、帰りに買っていくのにもとっても便利だなあ帰りはここで買って帰ろうと思った。

マップを見ながら少し迷いつつ、無事にホテルに到着した。チェックインの順番を待っている間に牛タンや仙台のマップを見つけたのでありがたくいただくことにした。

チェックインを無事に済ませ、部屋へ向かう。お部屋のなんて綺麗なことか。。前回の激怖ホテルとは申し訳ないがえらい違いである。疲れながらも晩ごはんを食べねばと、近くの牛タン屋さんに行くことにした。

移動用のかばんに荷物を入れ替え、身軽になって牛タン屋さんへ向かった。伊勢神宮の時もバナナワニ園の時も、荷物の入れ替えはせずに重い荷物を持ち歩いていたので、前よりもレベルアップした感じがする。

牛タン屋さんに到着し、すぐに席に通してもらうことができた。定番の定食を頼み、塩と味噌どちらにするか訊かれ、塩の方が定番とのことなので塩味の牛タンにした。
ほどなくして定食がやってきた。ひとつひとつのメニューをさらりと説明したあと店員さんは去っていった。

いただきます!

牛タン美味しい!スープも美味しい!!

毎回毎回、その土地の物を味わうことをせずに過ごしてしまっていたので、今回はその土地の食べ物を食べるぞ!と決めていた。

食べてよかった。美味しいなあ。

お味噌にまみれたお漬物があったので、一気に食べてしまおうとそこそこの量を一気に口に入れた。

ら、
かっっっっっっっっっっっっっっっっっら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

一口入れた瞬間はわからなかったから一気に追撃して口に入れたんだが、めちゃくちゃ辛いまじで辛い。辛すぎて舌がめちゃくちゃ痛い。お茶を飲んでもスープを飲んでも痛い。治らない。牛タン食べても味わからないし、ご飯のほんの少しの温もりですら熱く感じて舌が痛い。

これなんだ???????
何を食べてるんだ???????
何故これがあるんだ????????

痛すぎて辛すぎて何故か片目だけからぼろぼろ涙が流れた。

痛いいいいいいいいいい

まじで全然痛みが引いてくれない。何故こんなことに…美味しい牛タンの美味しさが全然わからないし、本当に舌が痛すぎて本当にしんどかった…

落ち着くまで何分要したかわからないが、結構長い間痛かった気がした。(激怖ホテルの恐怖も長く感じたな…と思い、苦痛は長く感じるのだろうか…と今思った)

落ち着いた頃には牛タンは冷めてしまって、あたたかかった頃の柔らかさは失われ、固いお肉と化してしまっていた。

悲しい…悲しすぎる……

正面の席の男子二人組の一人が漬物に箸を伸ばすのを見るたび、辛いぞ!!!気をつけろ!!!!!と念を送った。

固い牛タンを食べ、スープを飲み干し、ようやく全て食べ終わり、私もお会計をしてお店を出た。
悲しいことに牛タン美味しいよりも、辛くて痛い印象が上回ってしまった。

せかせか準備しただけあって、普段なら忘れることのないハンドタオルを一枚も持たずに来てしまったのでハンドタオルを買いに行き、薬局でシャンプーとリンスのセットと飲み物も買ってホテルへ戻った。

お風呂に入って歯磨きも済ませて、やっと一段落だ。明日の移動時間を調べたりして予定を立てた。明日は朝一で鹽竈神社(しおがまじんじゃ)参拝からスタートだ!目覚ましをセットして一人眠りについたのだった。

4:55にセットした目覚ましでちゃんと目が覚めた。厳密に言うと、うまく眠れなくてずっと覚醒したまんま…うまく眠れなかったのでシャッキリとは言い難いが、予定を狂わすわけにはいかない。わたわたと準備をしてホテルを出た。仙台駅へ向かい、コンビニで飲み物と朝ごはん代わりに飲むゼリーを購入して急いでホームへ向かった。

慣れないから急いだものの、着いた時にはだいぶ余裕があった。飲むゼリーを飲んで電車を待つ。
しばらくすると電車がやってきた。先頭に並んでいたのでドアが開くのを待つ。すると横から人影が現れて、私の後ろに並んでいたお兄さんがドアを開けるボタンを押してくれたことに気付いた。

はっ、ドア自分で開け閉めするタイプか!!

全然気付かなかった。みんな急いでるだろうに座りたいだろうに時間をとらせてしまったと申し訳ない気持ちになり、お兄さんにお辞儀をして電車に乗り込んだ。

そして頭の中に疑問が浮かぶ。

ドアは…開けっぱなしなのか…?
それとも都度都度閉めるのか…???

こういうルールがわからないと自分が乗り降りする時どう振る舞えば良いのかとびくびくしてしまう。しばらく周りの様子を伺うことにした。

降りる人を見ていると、皆ボタンで開けて出たあとは閉じることなくそのまま去っていた。発車の際にドアは一気に閉まるので、どうやらそれで良いみたいだ。自分も降りる時はそうすることにした。これで降りる時ドキドキしないで済む。

朝一は鹽竈神社(しおがまじんじゃ)参拝の予定なので、私は鹽竈神社のある本塩釜駅に向かっていた。仙台から本塩釜まではJR仙石線で約30分。電車の外には穏やかな田んぼが広がっていて、ここに住んでいるひとたちは毎日こういう景色を見て通勤したりしているんだなあ。穏やかで素敵だなあ。と考えたりしていた。

本塩釜駅に到着し、学んだことを活かして電車を降りた。

鹽竈神社へ繋がる参道は、表参道、東参道、そして七曲坂と呼ばれる最古の参道がある。七曲坂も気になったが、表参道の石段を登って入りたかったので表参道へ向かった。東参道、七曲坂を通り過ぎ、本塩釜駅から15分くらい歩いて表参道に到着した。迫力のある石段が目の前に立ちはだかる。写真を撮っていたら後ろの人が撮り終わるのを待ってくれていたのでお礼を言った。

鳥居の前でお辞儀をして、石段を登り始める。
日課のお散歩らしきおじさまたちが私の前を歩いてゆく。いつもこの石段を登っているのか…すごいなあと感心する。石段を登り終えて振り返るとなかなかの高さでちょっと怖かった。

いざ、念願の鹽竈神社参拝だ!

やっぱり朝の神社は人がまばらで空気が澄んでて気持ちがいい。鹽竈神社は正面に左右宮拝殿、右手に別宮拝殿があり、右手の別宮拝殿で主祭神である鹽土老翁神(しおつちおぢのかみ)が祀られている。どちらから参拝するべきなんだ…?と少し悩み、石段で前を歩いていたおじさまに倣って別宮拝殿から参拝することにした。

参拝後、お清めのお塩と欲しかったお守りを授かった。時刻はまだ7時ごろだったにもかかわらずお守りを授かることができたので嬉しかったしとても有り難かった。

末社を参拝し、御神木を見て、撫で牛を撫でたあとは同一境内の志波彦神社に向かった。志波彦神社からは海が見えて。眺めが素敵でまた写真を撮った。

志波彦神社を参拝した私は駅へ戻ることにした。
神主さんにどこから出た方がいいかとかあるか尋ねたところ、特にないらしく、七曲坂は山道で、東参道はゆったりとしているとのことだったので東参道から戻ることにした。

なんとなくざっくりと朝の段階で電車の時間を調べてあったので、それに間に合うようにとちょっと急ぎ足になった。東参道は歩きやすく、下りだったこともあり、だいぶ早く降りることができた。

東参道から出て、鳥居の前で一礼し、鹽竈神社を後にした。次はいよいよ松島へ向かう。予定通りでとっても順調だ。

松島に着いたらまず遊覧船に乗る予定だ。事前に調べていたら予約していくと料金が安くなるとのことだったので、本塩釜の駅で電車を待つ間に遊覧船の予約をした。

本塩釜駅から松島海岸駅まではJR仙石線で約10分。少し待つと電車が到着し、予定通りに乗ることができた。電車は松島へ向けてゆっくりと出発したのだった。

松島に到着した私はまず予約した遊覧船のチケットを買いに向かった。遊覧船のチケット売り場は何ヶ所かあるらしく、今回は駅からすぐのところで購入した。予約の名前を伝え、お金を支払う。安くチケットが手に入ったのでちょっとじょうずに出来た気分だ。

教えてもらった船の乗り場へ向かう。ネットには船の席選びが重要と書いてあったので、景色とか堪能するのは遊覧船の後にしようと急いで船着場へ向かった。

目の前には広々とした空と海が広がっていて気持ちがいい。船着場へ到着した私は乗船時間まで並んで待つことにした。早く着いたので無事に良い席に座れそうだ。私の後ろにも続々と人が並んできた。

乗船時間になり、チケットを切ってもらって船に乗り込む。別料金で二階に上がることが出来るので、料金を支払って二階に上がった。

他の船も一緒かは分からないが、私が乗った船の口コミを書いてた人たちによると説明される島が右側が多いので右側に座るのが良くて、デッキの側だとデッキに行きやすいと書いてあったので、私もデッキの側の右側の席に座ることにした。
無事に席をとれて一安心だ。早々と行動した甲斐がある。続々と人が乗り込んできてみんな各々の席についている。

周りを見渡しながら出航の時間を待っていた時だった。

あれ…私四人席に座ってる…???

よくよく見てみると、(前の方はわからないが)私の席は四人席になっているが、他の席は二人がけになっている。

どうしよう…!!

他の席はまだまだ全然余裕があるし、見た感じ困っている人がいるわけでもない。そして二人がけの右側の席はすでに埋まってしまっていた。空いていたら二人がけの席に移動したのだが、空いてないとなると移動したらおすすめの席ではなくなってしまう…

どうしようどうしよう…

せっかく朝一で来たし、せっかくの観光だし、見られるならば良い席で見たい。。なんで私はいつもこう周りをよく見ていないのかなんでしっかりしていないのかと頭の中で考えがぐるぐるし始めた。

一度気になるとずっと気になってしまう。一人なのに四人席を陣取ってしまった申し訳なさに罪悪感に襲われる。

まもなく出航の時刻を迎え、遊覧船は海に向かって進み始めた。船内のアナウンスが松島の島々を紹介している。

しかし席のことが気になって、全然頭に入ってこない。。。

周りを見ていると、少し離れた前の方の席には三人組のおばさまが縦三列に並んで座って話している。私がここに座っていなければ、おばさまたちは三人でここに座れたんじゃないだろうか…席を譲りに話しかけに行こうか悩むも、時間経ってるし、わざわざ遠い席から話しかけるのもおせっかいなのでは…気持ち悪いのでは…と考えると、話しかけることも出来ない。

そうこうしているうちに、30分が経ってしまった。遊覧船は50分。全然楽しくない。モヤモヤしたまま時が経ってしまった。。

今更も今更だが、デッキに行こうとデッキに行くことにした。

外の風は気持ちよく、デッキからの眺めは素敵だった。

最初からデッキにいりゃよかった……

今度来ることがあったらデッキで過ごそう…と胸に誓い、残り時間だけでも島々を見ようとアナウンスの説明に合わせてうろうろしたり島に視線を向けたりした。

悶々としていたせいであっという間に船は船着場に到着した。俺はなんて無駄な時間を……今日も私の中の後悔を呟く三井寿は絶好調である。

船着場は次の出航を待つ人たちで溢れかえっていた。早く来て良かった。悶々としてみられなかったけれど、席以外の判断は間違ってなかった。
船を降りて海の写真を撮った後、早々とご飯を食べることにした。一人だと何もかも自分のタイミングで決められるのは楽である。

どこのお店にするか悩み、マップに載っていた海鮮丼のお店に行くことにした。どれにするか悩んだものの、海鮮てんこもりの海鮮丼にすることにした。外の景色を見ながら海鮮丼を待つ。しばらくすると海鮮丼がやってきた。なかなかの多さに不安がよぎる。しかし残すわけにはいくめえとむしゃむしゃと食べ始めた。

食べてるうちになんだか悲しい気持ちになってきた。なんで私は一人で海鮮丼食べてるんだろう……

薄々感じていたことだったが、私は多分一人でも行動出来るんだけど、楽しくないことはないんだけど、誰かと一緒だとより楽しいのかもしれないなって思った。

しょぼんとしながらも海鮮丼を残さず食べ終え、気持ちを切り替えてお会計に向かった。一人だと喋ることがあまりないので店員さんと話して心が和む。

20分くらいかかるけど、松島を見渡せるフォトスポットがありますよー!と、知らなかった公園とそこまでの道を簡単に教えてくれた。食後は橋巡りの予定だったので、素敵そうだし余力があったら行ってみよう!と思った。

店員さんにお礼を言ってお店を後にした私は、良縁に恵まれるパワースポットの橋、松島三大橋巡りに向かうことにした。

三大橋巡りは順番があるので、順番通りにちゃんと巡る。

まずは雄島にかかる渡月橋からだ。渡月橋のある雄島は三大橋の中で最も松島海岸駅寄りにある。渡月橋は悪縁を切る橋と呼ばれていて、まずはここを渡って悪縁を断つところからスタートする。
雄島の入口について進んでいくと、まさに現世と違う世界へ進むような空気感の道があってわくわくした。

少し進むと渡月橋が見えてくる。悪縁が断ち切れますようにと考えながら橋を渡り、島の中をうろちょろと巡った。
島からの見晴らしは良く、そして意外と人に会わない一人の時間も多かった。

雄島を満喫したあとは、福浦島にかかる福浦橋へ向かう。雄島から福浦島までは少し歩く。福浦島の入口に着き、ここは通行料金を払うので、チケットを買って支払いを済ませて橋を渡る。

出会い橋と呼ばれている橋を渡り、福浦島を巡る。広くて結構歩いた気がする。

歩き疲れて見つけたお茶屋さんで冷やし甘酒を飲むことにした。こういう現地でのお食事は楽しいなあと思いながら甘酒を飲んだ。

福浦橋を渡って戻り、最後の橋は五大堂につながる透かし橋だ。透かし橋は雄島と福浦島の真ん中にあるので元来た道を戻る。良縁を結ぶと言われている透かし橋を渡り、五大堂をお参りした。

そして最後は円通院へお参りに行く。

のだが、

ここで久しぶりのうっかりが発動する。

円通院へ向かっていた私だったが、マップを見るといくつかお寺が並んでいて、その中の一つ、瑞巌寺の中に円通院もあるんだと勝手に思い込んでいたのだ。

チケットを買う時に調べた方がいいのかな?と一瞬思ったのだが、ま大丈夫だろうと調べずにチケットを購入し、瑞巌寺に入っていった。そして入ってマップを見る。

円通院が…ない……?????

間違えた。違うところに入ってしまった。そして脳裏に不安がよぎる。

順番通りにまわらないといけないのに、違うところを挟んでよいのだろうか……?????

入っちゃったし、このまま出るのも謎だし、瑞巌寺に失礼では…でもこんな気持ちでまわるのも失礼では……でも入っちゃったしせっかくだし……
一応、順番通り巡っていることにはなるはず…!と思い込み、瑞巌寺をくるりと拝観してから出口を出た。

今度こそ円通院へ向かう。めちゃちゃんと看板あったし、本当よく見てないの直したい…と思いながら入り口でお金を払って円通院に入った。

円通院の中もくるりとまわり、入口にある縁結び観音様にお願いをして円通院を後にした。

最も重要であろう縁結び観音様のことをちゃんと把握していなかったので、出る時にちゃんと気付けて良かった…と安堵した。

大分歩いて疲れたので海の方のベンチに向かい、座ってしばらく休憩して体力を回復し、海鮮丼の店員さんに教えてもらった公園へ向かうべく立ち上がった。

時刻は夕方に近づいていた。少し肌寒くもなってきた。到着する頃にはちょうど夕焼けとかになってて綺麗なんじゃと期待を胸に歩き出した。

まさか大変な思いをするとはつゆ知らず…

海鮮丼の店員さんに教えてもらった松島を見渡せるスポットは、西行戻しの松公園という高台にある公園だった。松島海岸駅の近くのトンネル?をくぐり、マップを確認してひたすら歩き続ける。これがなかなかの坂道だ。最初は何人か人もいたのでみんな公園に行くのかな?と思っていたのだが、ぽつりぽつりといなくなり、いつの間にか歩いているのは自分だけになってしまった。

これ、怖いな…

ちょこちょこ車は通るものの、歩いている人が全くいない。そして周りはおうちやホテルもあったが、その周りは雑木林?森?である。これ帰り暗くなってたら絶対怖い。絶対タクシーで帰ろう…
行きの時点で帰りの身を案じながら、ひたすら歩き続ける。

マップを少し見て確認するも、合っているのか不安になる。でも大分来ちゃったしもう引き返せない…

いや道こわっ!!!!!!!

本当に怖くて疲れている中での全力で早歩きをした。しばらく歩くとやっとマップが公園の近くになってきた。

絶対タクシーで帰る
絶対タクシーで帰る
絶対タクシーで帰る

そう考えながら歩いていると、上から二人組の男子が降りてきた。道が合ってるかと、ずっと一人で彷徨っていた不安が爆発し、公園この先で合ってますか?と話しかけた。合ってますよと教えてくれて、頑張ってくださいと言ってくれたので笑って男子たちと別れた。ありがとう…怖かった気持ちが少し和らいだ…

少し歩くと、ようやく森を抜け、公園らしい感じになった。しかしどこが見晴らしの良いポイントかわからず、しばらくうろうろした。車は止まっているものの、人気がなく、一人はやっぱりちょっといや大分怖かった。

うろうろしていると展望台を見つけ、ここか!と思いながら登った。二組のカップルがいて、ささっと写真を撮って去っていった。私もささっと写真を撮り、そして展望台を後にした。

思ったよりまだ明るかったので、一瞬歩いて帰るか…?とも思ったが、やっぱりタクシーをお願いして帰ることにした。電話でお願いするとタクシーはすぐにきてくれた。乗り込んで元の山道を下ってゆく。まじで安心した。そして車だとあっという間に駅まで着いた。

お支払いするとき、本当に有り難かったので「行き大変だったんで、助かりました」と心からお礼を言った。運転手さんに「歩いて行ったんですか?」と言われ、それに返答して会話はすぐ終わった。お礼を言ってタクシーを降り、周りに人がいることに、街に、安心した。運転手さんの「歩いて行ったんですか?」は会話の流れで言っただけなのかどういう意図かはわからなかったが、もしかして歩いて行くところではなかったのか…?と少し思った。

駅に着くも、電車まで少しだけ時間があったので、一瞬また海の方まで行き、思い出を刻んで駅へ戻った。

信号待ちで飛行機雲が右上に向かって伸びているのを見つけ、私も右肩上がりに上がっていけたらいいなあと思った。

松島海岸駅に戻り、電車に乗って仙台へ戻った。ヘトヘトだ。晩ごはんお弁当にするかどうしようかしばらく悩むも、一人ホテルでお弁当はなんだか悲しい気持ちになりそうな気分だったのでお店で食べようと思って前日とは違う牛タン屋さんに入った。

店員さんの感じがよくて、なによりあの衝撃の辛い漬物への注意喚起がわかりやすく貼ってあったのが私の中でめちゃくちゃポイント高かった。(もしかしたら前日のお店も書いてあって、私が気付かなかっただけかもしれないけど…)

牛タンの感じは二つのお店で違ったが、どちらもとても美味しかった。

前日買い忘れたボディソープを買ってホテルへ戻った。

諸々を済ませたあと明日はどうしようかなあと考えるも、結局決められずに眠りについた。
この日の歩数は、31194歩だった。



初日と違い、歩き回って疲れ果てただけあってよく眠れた。昨夜もう一泊をぬるぬると考えていた旅館を調べるも、埋まってしまってたので帰るか!と思って帰ることにした。準備を済ませてお世話になったお部屋にお礼を呟いてから出た。

チェックアウトし、重い荷物を持ったまま仙台駅へ向かった。初日にお土産を買うぞと決めていたゾーンに向かってお土産どれにしようか悩み、いくつか見繕って無事にゲットすることができた。もう何も思い残すことはない。

お土産で増えたたくさんの荷物を抱えながら新幹線のチケットを買った。ホームへ行き、パンを買い、新幹線が来るまではパンを食べて過ごした。
到着した新幹線に乗り込み、私は仙台を後にした。

窓の外から見える仙台に思いを馳せながら、二回目の一人旅は無事に終わりを迎えたのだった。
 
 
 

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