見出し画像

ぼくらが美里を考える。学生と大人がまちづくりのアイデアをプレゼン、地域学習合同発表会。【みさすてβ】

どうも、こんにちは。宮城県美里町みさとまち地域おこし協力隊の大村です。

2月24日(土)、美里町中央コミュニティセンターにて地域学習合同発表会「WE THINK.」を行いました。

地域の学生も大人もいっしょになって、町について考える企画。町内の高校の学生たちからは「総合的な探究の時間(通称“総探そうたん”)」の授業で学んだ内容を、そして有志で登壇してくれた大人たちからは今後のまちづくりや自身の活動についてのアイデアを、それぞれプレゼンし合いました。

当日は、およそ30名の方々に集まっていただき、有意義な時間になったのではないかと思います。発表者も来場者もプレゼン発表直後で質問や感想をシェアしたり、その後の交流会ではお菓子を食べながら談笑したり、コミュニケーションと学びを深められたようです。

(司会を務めてくれた町内在住の西條さん)

企画した背景

地域おこし協力隊に着任した昨年度から、学生たちのキャリア形成や地元愛の醸成には興味はあって、中学校や高校の授業にお邪魔する機会をいただいていました。そして今年度、総探そうたんの発表会を見学しているときに気づいたのです。「町内の学生同士で発表しあったら、良い刺激になるのではないか」あるいは「地域の大人が見聞きしたら、学生たちが研究したアイデアが実現に向けて動き出すのではないか」と。

今の学生たちはスマホやタブレットをしっかりと使いこなしてリサーチし、スライドに自分たちの成果や考察をまとめています。ただ、一見立派なことをやっているように思えても、学校内での学生同士の発表では、そのすごみに気がつきません。また、発表後に質疑応答の時間になったとしても(決して悪い意味ではなく)なかなか問いが浮かばないのです。

だからこそ、せっかくの彼らの学びをより広い場所で、より幅広い人に見てらもらう必要性を感じていました。聴講する大人たちにとっても、今の学生たちの学びを知るための良い機会になると考えました。

(協力隊・桜井プレゼンツのアイスブレイクからスタート。だいぶ盛り上がりました)

【写真で振り返る】プレゼンの様子

ここからは実際にプレゼンした8グループの様子を、写真でご覧いただきます。1グループのプレゼン終了ごとに質疑応答の時間を設けたことで、活発なコミュニケーションが生まれていた印象です。

①小牛田農林高校

❶現場実習を終えて
❷ロッサビアンコを野菜班の名産にしよう
❸美里町の子どもたちを笑顔にするためにはどのような遊び場が必要か

(❶トップバッターを務めていただいた農業土木コースのお二人は、現場実習で土地改良事業に取り組む町内企業へ。実際の現場は勉強と異なること、しかし勉強で得た知識が現場に活きることを感じたという、質疑応答でのコメントが印象的でした)
(❷イタリアの伝統的品種のナス「ロッサビアンコ」を、校内“野菜班”の新たな名産にしようと考えた、農業科学コースのお三方。野菜を育て観察するだけでなく、プロモーションキャラクターもデザインし、実際に町内外で販売もしたそうです)
(❸総合学科の皆さんは、美里町内の子育て世代が遊び場事情に満足していないのではという仮説を立て、実際に保育所やこども園でアンケート調査を敢行。その結果から、自分たち高校生にできることも考察していました)

②南郷高校

❹水稲栽培のフルボ酸の可能性に関する研究と搾油用ひまわりの栽培
❺世界農業遺産「大崎耕土」支援事業について

(❹世界情勢の変化による農業用資材の急激な高騰を背景に捉え、リン酸に代わるフルボ酸活用の可能性を探究。また、2年目の研究を迎えて容易に搾油できるようになったという、ひまわりによる社会課題の解決案も提案しました)
(❺大崎耕土支援として、大崎市鳴子地域の伝統野菜「鬼首菜」を“知る・守る・広める”活動に取り組んだプロジェクトの発表。その実直な取り組みは、新聞やテレビなどの各メディアで掲載されました)

③地域おこし協力隊

❻今後の活動について

(❻アイスブレイクでも活躍した桜井のミッションは「スポーツの振興と健康づくり」。「スポーツとは?」という問いから、自身の定義づけや今後の活動のビジョンを話しました)
(❻発表を終えた高校生たちも聞き入っている様子でした)

④まちづくりコミュニティ-Peace Plus-

❼Misato Study Place
❽ひとりのやってみたいから、みんなのやってみようへ

Peace Plus(通称ピープラ)は、昨年10月から始まったまちづくりワークショップで生まれたコミュニティ。町内在住もしくは通勤・通学している方を対象に、現在30名ほどがグループLINEに在籍しています。

(❼美里の学生が抱く「自習室がない」という問題から、小牛田駅前の空き店舗を活用するコミュニティスペースの設立について話した引地さん。勉強に集中できる環境だけでなく、さまざまな人が集い、つながる仕組みづくりを提案しました)
(❽町内で保育士として従事する白旗さんは、ピープラでの出会いやそれによる自身の活動の発展をプレゼン。社会人としてのこれまでの経験、それを経て現在の親子を対象とした地域でのイベントの開催、そしてこれからの展望を話しました)
(❽白旗さんからのすてきなメッセージで、プレゼンテーションは締め括られました)

プレゼン後は交流会

全8グループの発表を終えてからは、30分ほど設けた交流会へ突入。お菓子をつまみながら、学校や年齢の垣根を超えてさまざまコミュニケーションが見られました。特に学生の発表を聞いていた大人たちが直接質問していた姿が印象的で、有意義な時間になったのではないかと思っています。

(プレゼン発表した人も聞いていた人も、大人も学生もみんなで交流)

来年度も開催へ

充実の内容となった今回を経て、主催した大村は来年度の開催も見据えています。今回は町内の高校だけでしたが、今度は中学校や小学校も巻き込んで、さらなる大人たちの来場も募って、規模を大きくして第2回を迎えるのが理想です。また、今回は町内在住の方に司会を、イベントで知り合った小牛田農林高校の写真部の学生に撮影を頼むことができました。より多くの人を巻き込みながら、みんなでまちを考え、そして変えていくための取り組みができればと思っています。

今回ご参加いただいた全ての皆さんに、本当に感謝です。ありがとうございました。来年度もどうぞよろしくお願いいたします。

(最後はみんな揃って「WE THINK.ポーズ」でパシャリ)

(photo by Runa Tokita)

★大崎タイムズ(2/29)に掲載いただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?