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クロネコ谷の日々

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庭の仕事と猫、時々ものつくりの備忘録。丘陵地にある古い家にて。 2020年6月はじまりから2023年2月
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2020年6月の記事一覧

(24)水無月も終わり

(24)水無月も終わり

眼に映るのは緑と鈍色ばかり、さっぱりしたものが見たくなってきた。庭のバラは昔流行ったものらしく、昭和らしいこっくりしたピンク色の素朴な花をつける。

雨が本格的になる前に、胡瓜とミニトマトの支柱を追加して補強をしたけれど、始めの骨組みがデタラメだから何とも頼りない。来年は最初からきちんと作ろう。シャンツァイ、つまりパクチーに実がついた。つまりコリアンダーの種でややこしい。F-1の種はほとんど芽が出

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(23)笊にのるもの

(23)笊にのるもの

夜中にジジに起こされたけれども朝は普通に目覚めた。ジジは退屈して遊びたいのにみんなが寝ていると、ガリガリ障子を引っ掻いて起こそうとする。私がびっくりして飛び起きるのを知っているのだ。

収穫したのは胡瓜1本とミニトマト4個、スペアミントと糠床用に山椒の葉、ヒメヒオウギズイセン。赤いトマトは育ちすぎて弾けてしまったが甘くておいしい。姫がつくのが正しいらしいヒメヒオウギズイセンはオレンジ色というよりは

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(22)ひと休み

(22)ひと休み

朝4時半ころにザーッと強い雨音がして目が覚めた。今年の梅雨は男梅雨かな。うつらうつらして6時になって起きようとしたら頭痛がした。昨日はやり過ぎたかもしれない。すこし起きてはソファで横になり、をしてるうちに薬が効いて楽になったので仕事へ行くことにした。ずっと側にいたジジは、家にいる方が良いと思っているようでニャァニャァと抗議していて、私もそうしたいが仕方ない。

昨日の朝切り落とした紫木蓮の枝に大き

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(21)剪定日和

(21)剪定日和

前庭の椿の剪定を朝6時半から始めた。椿の周りの草を抜いているうちに、紫木蓮が気になり出して枝をよく見てみたら、枝が混みすぎて中が薄暗い。細い枝を切ってみて、これは全体的に切らないとダメだなと観念して太く直立して伸びている幹のような枝を切っていった。木蓮の木は剪定が難しくて、いつも変な形になるが何がいけないのかわからない。切っては離れてみて考えて、また切ってを繰り返す。木蓮は樹木としては古い種に属し

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(20)成長するもの

(20)成長するもの

庭に出るとひょうたん池の睡蓮がまた花を咲かせたのに気が付いた。可憐な草花も好きだけども、大きな花の植物はたっぷりとして余裕があって、ほら咲いたよ、見ていきなさい。良いことがあるよ、と呼びかけてくる。

雨が止んでいるから前庭の未央柳を切らなければと鋏と蚊取り線香を焚いて持っていく。雨の中でも咲いている黄色い花は近づくとすこしぼろぼろな感じで、樹勢も良くなってきているから思い切って小さく整えた。門脇

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(19)儚い色

(19)儚い色

明け方に地震の揺れで目が覚めて、雨音を聞きながらまた寝てしまって目が覚めた時にも雨はまだ降っていた。雨の朝は、猫たちは起きて私を待つことはしなくて、籠の中にいて、人の動きを観察して慎重に動く。

昨日グリーンカーキに染まったレッグウォーマーは夜には緑味がなくなっていた。生乾きだったので干していたが、直射日光は当たらなくても陽の光で退色したのかもしれない。がっかりしたけれど足にしてみると濃い色よりも

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(18)ブルー×カーキ色

(18)ブルー×カーキ色

朝わからないほどの雨が降っている。煮出してから3日目の染液で昨日染めたものはいい色合いになっていた。濃紺が色褪せたブルーのスカートはカーキをかけると藍色になり、生成りのレッグウォーマーは深みのあるグリーンのカーキ色になった。前回よりも緑味が出たのは白い生地ではなく生成りだったので生成りの黄色味が出たのだろうけども、そろそろサンプル用の生地を用意しなければならない。もっと染められる物がないか箪笥を調

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(17)梅雨の晴れ間

(17)梅雨の晴れ間

薄曇りで雨は降っていない。朝7時過ぎからはじめたのに作業が終わったのが午後の2時で遅い昼食をとった。土曜日に染めた染液が余っていたので鉄媒染で色褪せた青いスカートと生成りのレッグウォーマー。両方とも麻だから良く染まったと思う。合間にテーブルを占領していたローズマリーを葉と枝に分けながら、庭仕事はほとんど下ごしらえか後片付けだなと思ったが、植物は一年かけて準備をしてるのだから文句を言うところではない

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(16)雨の日

(16)雨の日

雨が降っている。雨の日は眠くて一日中猫と寝ていたい。猫たちは、私がダラダラしていても怒ったりしないで一緒になってダラダラしてくれる。とても友好的だ。たぶん猫もぐうたらしていたいのだろうね。

剪定した桑の枝についていた葉はその日すぐ1.5キログラムを染料にして、もう1.5キログラムは乾燥させている。大ザル二つ分はあり、乾燥葉で染料になるなら剪定と同日にしなくても良いから時間が使いやすくなる。部屋の

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(15)桑の葉染めと谷興し

(15)桑の葉染めと谷興し

昨夜はあまりにも疲れて話しの途中でアップしてたし文字も間違ってた。
朝から桑の枝を剪定して葉を摘み、摘んだ葉を煮て染料を作って染めと媒染を繰り返す。じゃぶじゃぶと水を流して洗う。図書館が再開し借りてきた資料を見ながら、私は色々な染色をしたいのではなくて庭にあるもので出来るものを作りたいんだなと考えてたら、そこのモノを生かしたいっていうのはつまり町興しじゃないかと思った。そうか、私は谷興しをしていた

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(14)谷起こし

(14)谷起こし

雨が上がったので先日の続きで桑の木の剪定をした。この数年でだいぶ手馴れて的確に切って行けるようになった。プチトマトは黄色をひとつ収穫した。朝ごはんをさっと食べて葉摘みの作業をするのだけど、前回手で取っていたら手が重労働すぎて使い物にならなくなったので、ナイフを使う。昔まだ日本にウィリアムズソノマがあった頃に一目ぼれして買ったナイフ。何に使うかも分からないのに欲しくなってしまったのだが、非日常の場面

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(13)神経衰弱ゲーム

(13)神経衰弱ゲーム

朝から雨で気分もLow ジジを探した疲れかもしれない。放置していた誕生花スケッチをコラージュしたスクラップブックを開き、二次スケッチを見ながら花の名前を探すという神経衰弱ゲームにも似た作業をする。最終形をしっかりイメージせずに手と気持ちのままに作ってきたから一次スケッチにはメモをしてなくて、無駄なような贅沢なような妙な作業をするハメになってるがこの道で合っていると思う。この本が完成したら次はもっ

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(12)ヘクソカズラと脱走

(12)ヘクソカズラと脱走

今朝は軽く草を抜いて、さて次は部屋で作業をと思ったら窓が5センチほど開いていてジジがいない。しまった。家が傾いていて庭側の窓はすぐに開くのでストッパーをしていたのに。午後から仕事なので早く見つけなければ。ぐるっと家の周りを見たけどいない。汗だくなので、とりあえずシャワーを浴びてそのまま出勤になってもいいように準備をしながらどちらへ向かったか考えてみて、もう一度見に行ったが姿が見えない。表に出てまだ

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(11)桑の葉染め

(11)桑の葉染め

桑の葉を煮ると香ばしい匂いで部屋の中はいっぱいになり、桑の葉で染めた毛糸も古い服も桑の葉とお日様の匂いになっていた。コットンはやっぱり染まりづらい。毛糸を2種類染めたら染まり方が全然違っていて、ひとつは淡いイエローベージュ、もうひとつはこっくりしたマスタードイエローになった。コットンのワンピースも濃い黄色にしたかったのだけど、でも桑の葉にこの黄色を出す力があるのだとわかって嬉しい。木綿糸はほとんど

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