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今こそ必要な【根性】について

会社で「おまえは根性がない」と言われることはありませんか?

 しかし、これを口にする先輩やマネジメントは、果たして教育の専門家でしょうか?彼らはマネジメントの資格を持っているのでしょうか?おそらく、ほとんどの場合、答えは「いいえ」です。彼らの言葉は経験から来るものであり、それ自体には価値があるものの、現代の職場環境で求められる本当の「根性」とは一線を画します。

今回は、様々な資格を持つ私が多角的に考えた【根性】についてご紹介します!(※イベント・講演会等でよくお話している内容です)


根性の本来の意味とは?

 まず、根性という言葉を再考してみましょう。この言葉には2つの捉え方方がされています。1つは、物事を根気よく続けていく力。そしてもう1つは、どれだけ叩かれようと負けない精神的な強さです。しかし、ここで強調したいのは、根性の本来の意味が「どれだけ叩かれようと負けない精神的な強さ」だけではないということです。

 心理学的な研究において、根性(grit)は、困難に対する抵抗力や精神的な強さだけでなく、むしろ「長期的な目標に対する情熱と粘り強さ」として理解されています。精神的な強さは重要ですが、それだけではなく、根性には目標に向かって進み続ける持続力が含まれています。


今、職場で必要な根性とは?

 現代の職場で必要とされる根性は、単に困難に耐えることではなく、変化に対応し、自発的に新しい挑戦に取り組む力です。特に若手社員は、キャリアの成長機会が限られていると感じると転職を考える傾向が強いことがわかっています。実際、成長機会が限られていることが転職の理由のトップであり、全体の約20%の社員がこれを理由に転職を選んでいると報告されています。


若手社員が転職したくなる理由:根性の欠如ではない

 若手社員が転職したくなる理由は、単に根性が無いからではありません。彼らは、現在の職場で自分が成長できると感じられないため、新しいスキルを身につけ、自分をさらに成長させる場所を求めているのです。これは、彼らが自らを奮い立たせ、さらに高めようとする意志の表れに他なりません。

一方で、OJTやマネジメントにおいて、若手社員が根性がないと感じている上司やマネージャーも少なくありません。ある調査によると、多くのマネージャーが若手社員を「根性がない」と感じている一方で、その背景には、若手社員が成長機会を求めていることが十分に理解されていないことがあるようです。これは、彼らが若手社員の精神的な強さや耐久性を誤解している可能性があります。


部下への接し方:根性の育て方

 上司や先輩として、部下に対して根性を求めるときには、ただ厳しさを押し付けるのではなく、彼らが楽しんで挑戦できる環境を整えることが大切です。根性は一朝一夕で身につくものではありません。それは、少しずつの成功体験やポジティブなフィードバックを通じて育まれていくものです。


コーチング力を鍛える重要性

 現代の職場では、ただの指示出しではなく、コーチングが重要なスキルとして求められています。コーチング力とは、部下やチームメンバーの潜在能力を引き出し、彼らが自ら考え、行動できるようにサポートする力です。これは、根性を育てる上で非常に重要な役割を果たします。


根性は苦ではない、楽しく飛び込むものだ

 最後に、根性とは決して苦しいものではなく、楽しく飛び込んでいくものだということを強調したいと思います。私たちは、子供の頃には誰もが持っていたこの「楽しむ力」を、大人になるにつれて忘れてしまいがちです。しかし、変わるべきは環境や周囲の期待ではなく、私たち自身の心の持ち方です。

 根性とは、困難を楽しむ姿勢であり、失敗を恐れず挑戦し続ける力です。職場で求められる本当の根性とは、楽しむ力を再発見し、それを部下にも伝えていくこと。これこそが、今の時代に必要な「根性」のあり方だと私は信じています!

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