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無形との対峙

体内のどこかにモヤモヤとしたものがある……

フォーカシングという心理療法がある。モヤモヤとしたものに名前を与え、形のあるものに変え、それと向き合う方法だ。モヤモヤとしたものはフェルトセンス(felt sense)といい、自分をいらいらさせたり、どよ〜んとさせたり、キリキリさせたりする。はっきり何かは分からないけれども、体感的に感じるものを指す。

フェルトセンスは漠然としている。その漠然とした、もやっとしたものが、体内に長らく存在していると感じたことはないだろうか。それはX線検査やCT検査では見えないし、いくら精神科医や心理カウンセラーでも見ることができない。見ることはできないが、あなた自身は感じている。

そのあなた自身が感じている不快なものに自ら近づき、フェルトセンスと共に過ごすことは、場合によっては、かなり辛い時間になるかもしれない。辛い、苦しいと感じたらいつでもすぐに離れられる。早急に近寄る必要はないから。はじめは少し遠くからフェルトセンスを眺めることができたら良いのではないかと思う。

明確に何に悩んでいるか分かっている場合やできるだけ早く解決したい問題がある場合は、フォーカシングはあまり効果がないかもしれない。なぜなら、フォーカシングは「自分と向き合う」ことに徹する心理療法であり、自分自身で問題を解決するために「スタート地点に立つ」ことが目的だからだ。きっかけ、トリガーである。

フェルトセンスは各自各様なので、自分だけが感じているものを大事にしてほしい。それらは色、形、オノマトペ(擬音語、擬態語等)も異なり、体内のどこにあるかも十人十色だ。中には肩の上にいる、頭の上に乗っかっていると感じる場合もあって然り。言葉にできない、なんと表現したら良いのか分からない、それを表現しようとすると言葉に詰まる。それは当然であり、そこからがはじまりだ。なんとも形容し難いものと向き合うという未知の取り組みなのだから。

さて、もしもあなたの中になんだかモヤモヤっとするものがあるなら、静かな空間でひとりになって力を抜くことから始めてみてはどうだろう。ただ感じてみる。謎のフェルトセンスがどこにあるか。それは何色でどんな形をしているか。それはどんな匂いがするか。言葉にならないなら、そのまま適度な距離を保って眺めてみるだけでも良い。フェルトセンスを感じられなければ、そのまま切り上げても良いし、自分と向き合うとはなんだろう、と考えてみるのも大切な時間になるに違いない。

モヤモヤの正体を知って、自分と向き合いたい!
心理カウンセラーがお供します↓
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