西村勇哉(ミラツク)

大阪大学大学院人間科学研究科修了。2011年にNPO法人ミラツク設立。領域を超えたイノ…

西村勇哉(ミラツク)

大阪大学大学院人間科学研究科修了。2011年にNPO法人ミラツク設立。領域を超えたイノベーションプラットフォームの構築と、大手企業の事業創出、研究開発プロジェクト立ち上げの支援、未来潮流の探索などに取り組む。理化学研究所未来戦略室イノベーションデザイナー、大阪大学SSI特任准教授

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最近の記事

「反集中 ANTI FOCUS」という書籍の話 vol.4 / クラウドファンディング編

今日は、クラウドファンディングの話。 (ここまでの経緯はこちらから) 「反集中 ANTI FOCUS」では、立ち上げの際にクラウドファンディングで支援者を募る、というプロジェクトに取り組みました。 プロジェクトの立ち上げが6月くらい。READYFORの米良さんに相談させていただき、チームを組んでいただいて、まずはキックオフ。 そして、プロジェクトページを立ち上げ、お返しをまとめ、気がついたらあっという間に時間が経って9月になり、9/26にスタート! 期間は、10/28ま

    • 「反集中 ANTI FOCUS」という書籍の話vol.3 / 書店訪問編

      今日は、after編。で、本日の話です。 前回の記事はこちら 「反集中 ANTI FOCUS」は、ミラツクと英治出版という2つの組織によって世の中に届けられています。 今日は、英治出版の方と一緒に書店を巡る1日。というわけで、話を少し現在に早送りして、書店巡りの1日をお届けします。 今日1日で巡ったのは、この6つの書店。 東京堂書店神田神保町本店 丸善日本橋店 誠品生活日本橋店 代官山蔦屋書店 紀伊国屋書店新宿本店 ブックファースト新宿店 それぞれ、「反集中 AN

      • 「反集中 ANTI FOCUS」という書籍の話 vol.2 / 表紙デザイン検討編

        というわけで、無事に企画がスタートした書籍「反集中 ANTI FOCUS」。 (前回の記事はこちら) 最初に悩んだのは、この本はいったいどういう本なのか。 シリーズなのか、一冊完結なのか。 22名のインタビュー記事はどのように着地するのか。 実は、初期にはこんなバージョンもありました。 MIRATUKU FUTURE INSIGHTSをメインタイトルに。そして、サブタイトルを毎回のテーマとして入れていく。 そんな、続いていくシリーズを念頭にしたパターン。今とは全然違う

        • 「反集中 ANTI FOCUS」という書籍の話 vol.1

          2022年12月24日に、ミラツクから書店販売第一弾となる書籍「反集中 ANTI FOCUS」が発売されました。 「反集中 ANTI FOCUS」について、どこかにまとめて書ける場所があるといいな、と思い、noteにまとめていこうと思います。 書籍「反集中 ANTI FOCUS」を作ろう、と思ったのは、2021年11月の沖縄での出来事がきっかけでした。 沖縄県南城市の南東部にフェリーで15分くらいで着く久高島(くだかじま)、という小さな島があります。人口238人の小さな島

        「反集中 ANTI FOCUS」という書籍の話 vol.4 / クラウドファンディング編

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        • 「反集中 ANTI FOCUS」という書籍の話
          4本
        • ミラツク
          10本

        記事

          お金という貸し借りの台帳

          お金は、溜めても仕方ない。使うもの。 使い道が大事。 使い道に出会えるかがものすごく大事。 お金は、貸し借りの台帳だから、貸しを集めて、その貸しの力で他の人に動いてもらう。その貸し借りが直接的でなくても同じお金の中(もしくは交換可能なお金の中)で連結しているので、ものすごい広範囲で発揮できる貸しの力。 その貸しの力を結集して、何を生み出すか。 だから使い道が大事。 その使い道を考える軸の一つが倫理。つまり、どのように振る舞うことが他者と自分にとって良いものか。だと

          お金という貸し借りの台帳

          最近のROOM&ROOM's Circleはじめました

          しばらく全くnoteを更新できていなかったのですが、少しミラツクが運営するメンバーシップROOMの近況を。 まず、ほぼ毎週1本ずつ出している記事は、この9ヶ月で38本目となりました。 連載シリーズも今では「ROOM Q」シーズン1・2、「ROOM F」シーズン1・2、「ROOM U」OIST、「ROOM U」シーズン1と広がってきました。沖縄にあるOIST(沖縄科学技術大学院大学)との連携による連載が始まったのは12月。Uは研究者にフォーカスを置いた「未知の未来との出会い

          最近のROOM&ROOM's Circleはじめました

          100万年の先からみた人が生まれた意味

          700万年前に森から追い出されて、それでも手と歩行を生かして生き延びた猿がたまたま出会った石との再会によって石器を手に入れ、手に入れる食料を増やし、たまたま二本の足で立っていたことで頭が大きくなっていって、 40万年前にホモ・サピエンス・サピエンス現れる。 人類がなぜ生まれたのか、というと、それは環境による淘汰圧と適応の結果としての進化だろう。 そして、人類が生まれてきた意味は一体何だったのか、と問われると、それは何なのだろう。 石を手に入れ、火を手に入れ、歌と踊りを

          100万年の先からみた人が生まれた意味

          GIVE SPACE井口さんと考える、人と動物が共存できる世界のための視点

          ROOMが始まって1ヶ月。やっと動画アーカイブも立ち上げることができました。よかったらチャンネル登録してください☆ そして、3回目となるオンラインセッションには、ドイツ・ベルリンからアーティストでありGIVE SPACEの取り組みを進める井口奈保さんが登場。人と動物が共存できる世界に向けて、私たちが都市の中で取り組める視点についてディスカッションを行いました。 1. 私たちはなぜSPACEを作れなくなってしまったのか今回も、セッションは記事を読んできてくれた人がいる前提で

          GIVE SPACE井口さんと考える、人と動物が共存できる世界のための視点

          人工サンゴ礁を手がけるイノカの高倉さんと考える人が地球の役にたつ未来

          2020年7月28日にスタートしたROOM。一ヶ月半が経ち、日々メンバーが増えながら、今は、210名が参画してくれています!(9/11時点) ROOMとは:https://note.com/miratuku/n/nd430ea674a7f そのROOMで、第2回目となるオンラインセッションがメンバー向けに開催。 今回は、人工サンゴ礁をつくるサイエンススタートアップ企業のイノカでCEOを務める高倉葉太さんにお越しいただきました。 1. 他の生命を支える地形を生み出すサン

          人工サンゴ礁を手がけるイノカの高倉さんと考える人が地球の役にたつ未来

          ROOMのオンラインセッションがスタート

          1. ゲストは京都大学総合博物館准教授の塩瀬隆之さん2020年7月28日にスタートしたROOMは、193名が参画するメンバーシップになりました(9月3日時点)。 ROOMとは:https://note.com/miratuku/n/nd430ea674a7f そして、初めてのオンラインセッションが開催。ROOMのオンラインセッションは、記事と連動するので、ROOMの初めての記事のインタビュイーをしていただいた京都大学総合博物館准教授の塩瀬隆之さんにお越しいただきました。

          ROOMのオンラインセッションがスタート

          ミラツクが「ROOM」で取り組む2つの連載シリーズ

          ミラツクが「ROOM」で取り組む共に全10回の2つの連載シリーズがスタートしました。 【インタビューシリーズ「時代にとって大切な問いを問う」】 問う行為そのものを肯定し、問いを味わって楽しむ方法を伝えたい。 インタビュイー:京都大学総合博物館准教授・塩瀬隆之さん インタビュアー:NPO法人ミラツク 西村 【インタビューシリーズ「未来をテクノロジーから考える」】 生態系をデザインし、人と地球の未来を変える。 インタビュイー:株式会社イノカ 代表取締役CEO・高倉葉太さん

          ミラツクが「ROOM」で取り組む2つの連載シリーズ

          未来をつくるメンバーシップ「ROOM」はじまります

          ミラツクでは、2020年8月より、未来をつくるための「場」を提供するメンバーシップ「ROOM」をスタートします。 2008年にダイアログBARという渋谷の片隅のイタリアンカフェで始まった対話の場からはじまり、2011年にNPO法人として生まれたミラツクは、2020年12月にミラツクとしての10年を経ます。 ROOMは、10年を経てミラツクが次の10年に向けて立ち上げる新しい”既にある未来の可能性を実現する”ための取り組みです。 1. 未来をつくることは「世界と対話するこ

          未来をつくるメンバーシップ「ROOM」はじまります

          時代が動くとき

          時代が動くとき。というか、時代はずっと動いている。 時代が動くとき。元に戻ろうとする力と、前に進もうとする力の間にtensionが生まれてくる。 元に戻りたい想いは、守りたい気持ちから。前に進もうとする想いは、気づかなかった積み重ねから。それぞれそれでもなんとか生きようともがく人々の意思の中から生まれてくる。 2つの間にtensionが生まれて、それでも時代は前に進む。この世界は、物事が前に進む世界だから。 これまでの時代は動いてきて、そうは悪くない状態になってきた。

          2020年1月1日付 京都新聞掲載「想像力の時代、未来は静かに見つかる時を待っている」

          「想像力の時代、未来は静かに見つかる時を待っている」  より良い未来をつくるために、私たちに何ができるのだろうか。  700万年前、人類は歩み始めました。力では子どものチンパンジーにも劣る人間が、世界中に生存圏を広げることができたのは、石を石斧として使い、火を調理に活用するという、テクノロジーを生み出す力を持ったからでした。  2019年、カリフォルニア大学のリチャード・ミュラー教授が代表を務める非営利団体「バークレー・アース」は、地球上で観測史上最高の気温を示した

          2020年1月1日付 京都新聞掲載「想像力の時代、未来は静かに見つかる時を待っている」

          半年かけて取り組む、身体化する振り返り

          「年末の振り返りってどうやってるんですか?」というメッセージにさくっと返信しようと思ったのだけど、せっかくだからちゃんと書こうと思って、なんかの年末の大掃除の勢いが合わさってnoteを作ってみました。 書いてみることで、そうかこうやっていたのか、というのが自分の中でも明確になるはず。 1. 8月の空白の時間 ここ数年は、娘の夏休みに合わせて8月にとっている1ヶ月の休暇。毎年ここに10冊くらいの、ちょっといまの仕事とはあんまり関係ない本、を持っていきます。今年はこんな感じ

          半年かけて取り組む、身体化する振り返り