半年かけて取り組む、身体化する振り返り

「年末の振り返りってどうやってるんですか?」というメッセージにさくっと返信しようと思ったのだけど、せっかくだからちゃんと書こうと思って、なんかの年末の大掃除の勢いが合わさってnoteを作ってみました。

書いてみることで、そうかこうやっていたのか、というのが自分の中でも明確になるはず。

1. 8月の空白の時間

ここ数年は、娘の夏休みに合わせて8月にとっている1ヶ月の休暇。毎年ここに10冊くらいの、ちょっといまの仕事とはあんまり関係ない本、を持っていきます。今年はこんな感じ。

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全部読めているわけではないのと、持ってはいったけどやっぱりちょっと違ったな、というのもあるので、inputとしての読書というわけではなく、ちょっと気になっているけどちゃんと読めていないものを読むことで、自分の関心の解像度を高める、という感じです。

この時は、「この宇宙の片隅に」「クロードシャノン」の2冊が自分自身にとっては特に良かった。

ここから次の一年が始まっていきます。

2. 10年を振り返りながら2020年を考え始める

帰国してちょっと経った、10月くらいから、翌年のことを考え始める時期が始まります。大きな紙に書き出してみたり、手帳に書き出してみたり。

特に10月末には、年3回やっている3日間のミラツクの職員合宿の3回目もあり、そこにどういうテーマを持ち込むかを考えるためにも、翌年に向けてどういう流れと捉えるかを考えるためにこれまでの流れを振り返り、ここからの展開を考えてみます。

今年の合宿のテーマは、「プロセスから情報へ」。これまでのミラツクを捉えた時にプロセスによる支援を行ってきたと捉え、これからはより情報にシフトした自分たちであろうと考えての合宿テーマでした。

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3. 模索の時期

10月末〜12月上旬まで、模索の1ヶ月半が続きます。合宿でつくった新しいツールを試してみたり、その中で見える自分たちに必要な取り組みを試してみたり、今目の前で起こっていることや目の前にやってきたものの意味を今までの文脈以外の位置付けで捉えることを試みてみたり。

その一方で、この10年を捉え直し次の10年に何を描くのか。特に今年は、来年にミラツクとしての10周年を迎えることもあって、10年というのを強く意識しながらとりあえず思いついたものを言葉として吐き出してみてはしばらく寝かせる、という作業を繰り返します。

見えた!と思ったものが翌週にはどうでもいいくらい低レベルなものに見えたり、を繰り返す、本当にこの先に答えがあるんだろうか、と思う日々。

毎年この時期は結構きつい。結構きついけど意味はある。結局、何が答えの片鱗だったかは後からしか分からないので、一つ一つの出会いと経験に意味が生まれる時期。振り返ってみると、この時期の出会いは次の展開に大きく関わってくるものが多いな、と思う時期です。

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4. 12/23のミラツクフォーラム

毎年12/23は1日かけて、招待制のフォーラムを開催しています。2009年に始めて以来11回目(当時はまだミラツクではなく、任意団体としての活動でした)。

今年のテーマは、

基調セッション「私たちはどこから来てどこに向かうのか」
基調鼎談「未来への問いと社会をつくるイノベーション」
セッション「テクノロジーの先にある可能性」
セッション「地球をなおすリーダーシップ」
セッション「対角線上のイノベーション」
セッション「私たちは経済で何ができるのか」

の6つ。

ミラツクのフォーラムは、非公開の招待制にしているので、集客や参加者層という概念がなく、今まさに一番関心があるテーマをそのままセッションに持ち込んでいます。この日はある種の回答が生まれる日。

設定されたテーマに対するディスカッションを繰り返していきながら、何かが見える、かもしれない1日。今年は、テーマ自体をもうそのまんま「私たちはどこからきて、どこへ行くのか」としてみたこともあって、個人としても最高の気づきが得られた時間でした!すごかった!

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5. 棚卸しと書き出し

年末最後の2~3日は、毎年、振り返りをやりきるための時間にして、少なくとも1日はオフィスにこもって、棚卸しと書き出しに取り組みます。

棚卸しは、1つはこの1年間のスケジュールをもう一回1日ずつ全部見直して行って、何が意味があったか、どの動きに意味があったか、を振り返りながら、過去のスケジュールの仕分けを行い、もう1つは、ミラツクの事業として取り組んだものを全て書き出して、この取り組み方を続けることが良いか、やめた方が良いかを仕分けしていきます。

もちろん、取り組む前は全て意味があると思って取り組みを始めるものの、そこまで完璧でも天才でもないので、結果として今ひとつだったものは存在します。それを、少し厳し目に評価して仕分けることで、本当に大事なものだけを残していく。

エクセレント、グレート、グッド、プロブレムの4段階に振り分けるとしたらどこに入るか。

無理に意味を見出そうとせず、わからないものはわからない、やめるものはやめる。結果、少しだけ純度が高くなる。ここまでで一段階目。

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次に、全体の方向性を見据えた上で、こういう取り組みもありかな、こういう展開ありかな、という構想を並べてみたり書き出してみる時間。

方向性は見えてきたものの、具体的にどういう筋がありえるのか。それを、この1年の取り組みから得られた新たなリソース(仕分けた結果良い評価になったもの)を加えながら考え、言語化してみる。

ポストイットに書いたり、ノートに書いたり、模造紙に書いたり、大きな紙に書いたり。書きながら分かってくるフェーズ。ああ、そうか、そういうことをやりたかったんだ!って。

そして最後に、全体がどういう構造になっているのかを確認するためにシステム構造に落としてみます。以下は、2015~2019の5年間の変遷。この落とし込みによって、新しいミラツクの構造が見える化してきて、一体何に力を入れれば良いのかが見えてきます。

時にそれは、新しいことに取り組みたいからこそ、新しい展開を作りたいからこそ、実はここに力を入れないといけない、というような盲点化しているものもたくさんあって、一回俯瞰し直すことで全体像にとって大事なことはなんなんだろう、ということを見直します。

答えは自分の中にあるけど、思考だけでは気づけないので、文字にしてみたり、図にしてみたり、書いてみて書かれたことに言われた通りに考えてみる。言われた通りに考えてみる、というのがとても大事で、そこに想いはあっても意図は加えない。

そうして少しずつ答えの筋が見えてくる。ここで一旦寝かしておいて、年末年始はまた少し違う角度の知識に触れ合う時間を持ちます。

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6. 年末年始

本格的な具体化は、また1月を一ヶ月かけながら、アクションに落としたり、事業計画に落としたり、そしてミラツクの職員合宿で一緒に考えたり(年3回の、最初の合宿が1月にある)、1月が終わる頃にはほぼその年の重点的なテーマが具体的な取り組みになってきていて、今度は毎月ごとにそれらのテーマを振り返り指標にしながら、現状の確認を繰り返していきます。

1月に落とし込んだ後は、2~3月にかけて立ち上げていき、4~12月が取り組む時間。そうやって1年が巡り、また次の1年へ。来年何に取り組みたいか、どういう展開でいきたいか、年末年始の時間にもう少し落とし込んでみます。

これで半年かけた振り返りが終わって、次の年へ。まずは考えていることを書き出す!ということを始めてから、少しずつ少しずつ組み立ててきて、今ある形。

7. おわり

こうして、たくさんの書籍と情報、そしてたくさんの人たちと一緒にに考えられる時代に感謝!ほんとありがたい。

noteでの初めての投稿でした!読んでいただきありがとうございます。時々こんな感じで雑多な話を書いてみようと思います。読んだよ!っていう方、ぜひ教えてくださいー。

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