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ずっと片思い

〜夏が来れば思い出す〜
みなさんには、ありますか?

なぜか、この初夏の時期になると、
思い出すことがあります。

もう30年以上も昔になります。
ある夏、私は恋をしました。

大学に入学してすぐに、
あるテニスサークルに入り
そこで、彼と出逢いました。

大学に入って、
人との出会いが楽しくて、

最初、彼はサークルの仲間の一人としてしか、
みていませんでした。

彼に連絡することがあり、
その後も何度か、彼に連絡することがありました。

必要なことを伝えた後に、
いつものように電話を切ろうとしたら、

もう切っちゃうの?
俺のことが好きだから、連絡してくるんでしょう?と彼。

その頃は、まったくそんな気持ちもなく、

勘違いされた!と思って、
思いっきり、否定しました。

私には恋愛の免疫がなかったので、
自分の気持ちには気づいてなかったのかも
しれません。

彼からそんなことを言われて、
恥ずかしい、悔しい、そんな感情がしばらく続き、

それから、彼のことばかり考えてしまい、
気になり始めました。

人前では、まったくその気も見せず、
逆に、他の誰かが素敵!という話しを
わざと友達に話したりしました。

彼のことが気になり始めてから、
連絡という表向きの理由で、
本当は彼のことがもっと知りたくて、
彼に電話をしていました。

彼の普段の生活や前の彼女の話など、
聞けばなんでも、話してくれました。

彼との電話の時間は、いつも
ワクワクして、楽しくて、
ドキドキしました。

サークルの夏合宿に参加した時に、
彼のことが好きだという
自分の気持ちに気がつきました。

自分の気持ちには気がついたのですが、
もし告白して、友達としての彼を
失うのがとても怖くて
とても告げることができません。

彼はとても不思議な人で、
姉妹しかいない、女子校卒の
男子に免疫がなかった私の固いガードを
外すことができました。

彼のハート(心臓)に手を触れたい。
そんな欲求があり、
彼の目の前に立ち、
何度も彼のハートに触れる自分を想像しました。

そんなある日、
仲の良い友達の一人が、
彼のことが好きだとみんなの前で宣言。

これで、完全に彼に告げることができなくなった、と
思いました。

彼には相変わらず、
電話をしていましたが、
ある日、彼女ができたことを
彼から聞かされました。

本当はとてもショックなのに、
おめでとう!やったね!と
心にもない言葉を彼に伝えました。

それから、彼に電話しても、
会話が続かなくて、
態度が冷たくなり、
彼から早く電話を終わらせたい雰囲気を
感じ取りました。

彼に電話をするのをやめ、
構内でも、会うのを避けました。
辛かったのです、とても‥

その後、他の人から告白されて、付き合ってほしいと
言われたことは、ありましたが、

彼じゃないとダメでした。
彼じゃないと嫌でした。

卒業間近かになり、
彼のことを忘れるため、

バイト先で、告白された人と
付き合うことにしました。

最後にもう一度、
彼と話しがしたい。

そう思って、
勇気を出して、
彼に電話をしました。

彼に告白しようとか、
そんな考えはなく、
ただ、声が聞きたい、と
そう思いました。

数年ぶりの彼との電話。
彼には、私の気持ちが伝わっていたのでしょう。

今となっては思い出せませんが、
彼から、

だから、何度も言ってるでしょう?
付き合ってる人がいるって。

その時の話し方は、
説明するのが面倒くさいような、
私からの電話を嫌がってるような
今までにない冷たさを
感じました。

私はただ、後悔しました。
電話しなければ、よかった、と。

彼を忘れるために付き合った、
初めての彼との関係性は、
最悪なものでした。

私がいけなかったのです。
好きだった彼と見比べてしまい、
好きでもない相手と付き合ってしまったから。

結婚も似たようなものでした。

ずっと片思い。
そんな片思いしてる自分が、好きなのかもしれません。















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