みぽりんモンロー

都内で活動中のジャズシンガーです。

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最近の記事

娘よ、母を越えていけ。

ここ数ヶ月、毎日欠かさず外郎売という、滑舌の練習をしている。 門前の小僧とはよく言ったもので、ずっと原稿を音読していた私を尻目に娘達の方が先にあっという間にそらんじてしまった。 二人で芝居がかった身振りまでつけて、ゲラゲラ笑いながら暗唱しあったりしている。 子どもにとってはこんなことも遊びなのだな。 私もようやくなんとか暗記して言えるようになり、 近頃はより速く正確に言えるようにと、時間を測ってやるようになった。 そして測ってみたら… 長女先生の方があっという間に速く言え

    • 今の政治についてどうしても言いたいこと。

      昔運動部のマネージャーをしていた頃、 捻挫の治療はまずとにかく冷やせ、凍傷になってもいいから(?!)とにかく2日間冷やしまくれ、 そして3日目からは痛くても少しずつ動かせ、じゃないと固まっちゃうから、と教わりました。 人の体も社会も似たようなものだとしたら、 経済も血流のように、回すべき時と回すべきでない時があるのではないかと私は思います。 怪我をしたときに無理をして動き回ったらその分治りが遅くなったり、下手したらもっと悪化してしまうこともありますよね。 人間を見るとい

      • 映画オタクジャズシンガーの、歌詞に対する尋常ならざるこだわりの話。

        Have Yourself a Merry Little Christmasという、言わずと知れた名曲がありますが、 この歌詞、2種類あるのを皆様ご存知でしょうか? そしておそらく改変後の歌詞の方が人口に膾炙しているようなのですが、 私は先にできた歌詞の方を好んで歌っております。 この曲は1944年のMGM映画『若草の頃』(原題:Meet Me in St. Louis)が初出です。 ジュディ・ガーランドの主演映画の中でも最高傑作のひとつです。 監督はヴィンセント・ミネリ、

        • チョコチップクッキーの冬が来た。

          12月に入り学校が早く終わった午後、 長女先生が一緒にお菓子作りがしたいと言い出した。 何がいいかな…?と一緒に考えていて、 彼女が言い出したのはチョコチップクッキーだった。 うちでは毎年クリスマスイブの夜、サンタさんのためにお供え(?)のチョコチップクッキーとミルクを用意しておくのが慣わしだ。 「サンタさんのために作ってあげたいの」 サンタさんの正体を彼女はもう知ってるんだけど、 サンタさんっていう素敵なファンタジーは持ち続けていたいみたいだ。 家にある材料をごそごそと

          親子の好みが違うとき。

          小学生の娘達がYouTubeで色んな音楽を漁っていたときにふと耳にしたのがこの曲。 『夜に駆ける』。 あ、綺麗な曲だな、と思った。 また聴いてみたいな、と思っていたとき、 たまたま学校の行事のBGMでこの曲が流れた。 うん、たまには子どもの好きな曲を覚えるのもいいな、と思って、帰ったら練習してみよう、と私は小さく決意した。 私自身、実は普段自分の好みでしか音楽を聴かない。 ジャズシンガーという職業柄、 ジャズスタンダードだけでも覚えたい曲、覚えなきゃと思っている曲は山ほ

          親子の好みが違うとき。

          子育てと歌の両立について。2019.9.24再録

          私の手帳には、好きなミュージシャンやお店のライブやセッションのスケジュールがぎっしり書き込んである。 一度会っただけの人が知ったら、え?私のまで?って驚くかもしれないけど、大体毎月の後半~月末にかけて一人一人のHPやブログを訪問して翌月のスケジュールを手帳に書き込む、という作業を、この3年間ずっとし続けている。 そうやって書き込んだもののうち、行けたのは1割にも満たない。 行きたいけど、なかなか行けない。 子どもがいるからね。 子ども達を連れて行けるのは、次の日に学校がない

          子育てと歌の両立について。2019.9.24再録

          夢が叶った日。

          大学生になるまで、自分で服を選んだことがなかった。 子どもの頃からずっと、母の趣味で選んだ服は、黒、紺、グレー、たまに茶色、と決まっていた。 その方がシックだから、というのが母の口癖だった。 ピンクのフリフリした服を、母はよく小馬鹿にしていた。 着てみたい、と言い出したら母に軽蔑されるのが怖かった。 いつしか私も、ピンクの服を小馬鹿にするようになった。 子どもは親を見て育つ。 時は流れて30歳を目前にしたとき、 多くの女子のご多分に漏れず、私は焦った。 もう若くなくなる。

          夢が叶った日。

          子育てと、バウンダリーと、ホテルの話。(2018.9.14)

          【子育てと、バウンダリーと、ホテルの話。】 子ども達が赤ちゃんだった頃から色んな子育ての情報は仕入れてきたけど、その中でも特に心に残っているのが、 「子どもは親というホテルに20年ほど滞在するお客様」という喩え。 この言葉の中には、 子どもがいつか自立していく存在だと忘れないこと、 自立してもまた来たくなるリピーターを育てるつもりで育てること、 居心地よい場であるためにはしてあげること・ほっとくことがそれぞれ適切であること、 そして子どもと親の間に適切なバウンダリー(境界)

          子育てと、バウンダリーと、ホテルの話。(2018.9.14)

          長女が教えてくれたこと。(2019年8月21日)

          【長女が教えてくれたこと。】 人には自分なりの成長するペースってものがある。 いっぺんにたくさんのダメ出しをされたり、高い期待をされるのは本当に嫌で、 自分でスッ転んで自分で学ぶのを待ってくれ、と 最近の私は頑なにマイペースを守り続けてるんである。 それは、親のペースに合わせてひたすら勉強して東大に入ったけど気付いたら自分の人生なんか何もなかった、という人生最大の挫折から学んだことのひとつ。 誰かのいい子になるためじゃなくて、自分が自分自身の喜びのために学んだことしか残ら

          長女が教えてくれたこと。(2019年8月21日)

          美人の話。

          【美人の話。】 4年くらい前かな、半年ほど勤めた医療事務の仕事のときに思ったことをふと思い出したので書いてみる。 私が勤めていたのは婦人科のクリニックで、 患者さんが女性しか来ない。 しかも土地柄のせいか、毎日美人の患者さんが山ほど来院した。 最初のうちはいちいち「こんな美人見たことない…(○_○)!!」と内心仰々しくビックリしていたものだが、 1ヶ月も経たないうちに 「あ、また美人か」くらいに落ち着いた。 要は美人を見慣れたというか見飽きたというか。 そして美人の患者さ

          みぽりんは昼行灯(2018.8.3)

          【みぽりんは昼行灯】 優柔不断、とちょいちょい言われます。 それでいいと思ってます。 歳の功もあると思うんだけど、 決断をギリギリまで先延ばしにして粘る力って、意外と使えたりもするので。 私、元々せっかちで、 しかも中途半端に器用でなまじっか色々こなせるものだから 目に見える結果がすぐに出ないと焦ったり不安になったりもするんですが… ある時点で絶対にできない(と思ってる)ことが、 いつの間にかできるようになってる、みたいなことって結構あるんだなと。 それは自分の成長だったり

          みぽりんは昼行灯(2018.8.3)

          旅の話

          モーツァルトは 「芸術家は旅をしなければいけない」と言ったそうで。 馬車で旅を重ねながらたくさんの名曲を産み出していった彼らしい言葉だな、と思って私はとても好きで。 私も子どもの頃は両親のおかげで何度も海外に行くことができた。 その思い出は今でも大切に残っている。 大人になっても、私はふとした思い付きで会社を休んで風来坊のように新幹線に飛び乗ってしまうような人間で…( ̄▽ ̄;) 子どもが産まれて子育てに追われて、 旅に行くことなんて夢のまた夢に思えたときは本当に苦しかっ