旅の話

モーツァルトは
「芸術家は旅をしなければいけない」と言ったそうで。
馬車で旅を重ねながらたくさんの名曲を産み出していった彼らしい言葉だな、と思って私はとても好きで。

私も子どもの頃は両親のおかげで何度も海外に行くことができた。
その思い出は今でも大切に残っている。

大人になっても、私はふとした思い付きで会社を休んで風来坊のように新幹線に飛び乗ってしまうような人間で…( ̄▽ ̄;)

子どもが産まれて子育てに追われて、
旅に行くことなんて夢のまた夢に思えたときは本当に苦しかった。
そしてモーツァルトの言葉を思い出して考えた。

人は何のために旅をするんだろう。

そのとき気付いた。
人は、心が旅をしていなければいけないんだと。

旅をする目的は人それぞれ違う。
だけど、人は旅を通じて未知のものに出会い、
未知の感情に出会う。
そして今まで知らなかった自分に出会うのだ。

そしてこう思った。
心が旅をすることは、家でもできる。
旅をするように暮らしてみよう。

海外の料理やお菓子の本をたくさん買って片っ端から作ってみたのも、その一貫だけど…

朝ごはんのパンひとつ取っても、
毎日ちょっと違う種類にしてみたり、
違う食べ方にするだけでも気分は変わる。
毎日、新しい日を新鮮に過ごすことができる。
同じことの繰り返しに慣れてしまわないことは、
毎日家にいてもちゃんとできる。
そういう感受性を持っていつかまた旅に出たらどれだけ素晴らしい思い出になるだろう。

人生は自分の力でままならないこともたくさんある。
でも、人はほんの少しの想像力で旅に出ることができる。

別にGo to キャンペーンがどうとか言うつもりはない。
観光産業を守ることが大事じゃないとも言わない。
ただ、人の心がちゃんと旅をしているか?
人が旅をするように生きられるか?
という問いも、忘れてはならないと私は思うのです。

さあ、今日は隣の公園に、娘を連れて旅に出てきます。
楽しみだな!

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