横展開していることが自分の価値だと認識し始めた話。
私はフリーランスの看護師をしていて、毎日日替わりで別の職場で働いている。定期的に行く職場もあるけれど、それでも多くて週に1~2回、月に4回の夜勤など、一つの職場への依存度が低い。
その合間を縫って、単発のバイトも月に何回か入れている。
このような働き方をしているため、必然的にいくつもの現場の事情を知ることになり、昨日数えてみたら、同系列の別施設だけで20施設以上行っているところもあった。
就業先の上司に別施設の事情を聞かれた
私は準社員として夜勤のバイトもしている。なので、一応そこでは上司がいて、たまに面談なんかもある。
先日、夜勤中に上司とたまたま話をする機会があったときに、別の高齢者施設での感染対策はどうなっているか、とか、別の施設での様子を聞かれる場面があった。
そこで働いている看護師は他にも何人かいるが、皆その施設でしか働いていない。過去には経験があるけれど、現在進行形ではない。だんだん情報は古くなる。
とくに、感染対策などは刻刻と変化する。
同系列の別店舗の事情は、正社員でも意外に知らない
先日働いた単発のデイサービスでは、同系列で都内に多数店舗を構えるデイサービスだったので、あちこちの店舗で働いている私に他の店舗の事情を聞かれた。
話していて意外だったのは、正社員であっても、他の店舗の事情は知らないことが多いということ。
たとえば、同じ系列でも入浴サービスがあるところ、ないところがある。
入浴サービスがある店舗の話をすると、入浴なしの店舗で働いているスタッフは「いやあそれは大変ですね」と言っていたのだけれど、私が、「でも入浴介助は完全に派遣さん任せなんですよ。店舗のスタッフがいない日だけとかではなく、最初から入浴介助は派遣会社の人しかやらないんです」と説明すると、「え?じゃあうちのスタッフは何してるんですか?」と聞かれた。
こんな感じで、私はあちこちの施設に出入りするので、この件に限らず、別施設での状況を知っているし、聞かれることもたびたびある。
横展開していることが私の強み
このような働き方ができるのは、看護師という職業ゆえだと思うし、単発バイトとしてあちこち働くのは、転職するまでの一時期という人もいる中で、長期にわたって複数の施設を行き来する働き方をしている人は看護師の中でも結構めずらしいのかもしれない、と最近思うようになった。
看護師の派遣会社も10件以上の会社で働いたことがあるので、その中でここの方が条件がいい、対応がいい、働きやすい、など比較もできている。
ここではこうしているけど、別の施設ではこうしてますよ、というのは、看護師としても一つの意見として根拠となる。私の独断やわがままでそう言っているのではなく、広く一般的な目線での回答になるし、主流や流行りを知っている、ということにもなるからだ。
時間外労働に関しても私の意見が参考になった話
大手の会社で準社員としても働いているので、上司やその他のスタッフと残業時間の取り決めについて話し合うことがあったとき、ある施設では着換えの時間も含め、15分前には仕事を切り上げてさせてくれるところもあったし、また別の施設では時間ギリギリまで働かせたり、始業時間と言われている時間の15分前には到着しているようにと言われる施設もある。
でも、今は働き方改革が必要だし、大手なのだからより従業員目線の改善が必要だと思う、というような意見を出したことも。
そして、更衣の時間や事前の情報収集の時間なども残業と考慮され、始業前の15分、終業時間後5分は毎回残業として追加していいことになった。
もちろん、私だけの意見でそうなったわけではないけれど、自分の意見を言うときに説得力のある話になっていることは確かだ。
私は最初から好んでこのポジションを選んだわけではないけれど、自分の性格や能力的にも、一つのことをずっと追求するスペシャリストには向いていないと早い段階でわかった。
人によってはこのようなあっちもこっちもやることは苦になる人もいると思うが、私ははじめましての人と働くことはそれほど苦ではない。
看護師としての働き方に限ったことではなく、一品勝負ではなく、アラカルト的に、「いろいろある」ということが私の特性となっていくかもしれないな、と考えはじめている。
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