井上真

人生は暇つぶし。豊かな時間を過ごしたい。

井上真

人生は暇つぶし。豊かな時間を過ごしたい。

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人生に意味はない。

誰もが通る道だと思うが、10代のころ、人生の意味について悩む時期があった。人は必ず死ぬ、そうであれば、生きることに何の意味があるのか、その答えを得るために本を読み漁り、考え抜いた。死ぬことが怖くてしかたなかった。10代で出した結論としては、自分が死んでも他人の記憶に残ることで生きた証が残る、世の中に忘れ去られなければ意味があったと言えるのではないか。偉人のようにいつまでも記憶に残るようなことを成し遂げることを人生の目標にしようというものだった。 若さゆえの考えとも思えるが、

    • オッペンハイマーを観て思う。理解できないものへの恐怖は惨劇を生む。

      映画、オッペンハイマーを観た。事前情報全くなしに映画館に行ったのだが、上映時間が3時間とは予想外だった。レイトショーだったので終わったころには24時。時間が長かっただけでなく、内容についても非常に疲れる映画ではあったものの、飽きることがなかったのは、質の高さの現れだろう。日本人として、この映画をどのように受け止めるべきかは意見が分かれると思う。大作であることは間違いないが、観終わったときに複雑な心境になった。 原爆の投下は決して正当化されるものではないと思うが、アメリカがそ

      • パン屋の顔はみんな同じに見える

        パン屋さんがテレビで紹介されるといつも思うのが、働いている女性の顔がみんな似ているということだ。清潔感があり、健康的で、表情が柔らかい。これが共通したイメージだ。 柔らかいパンを作り続ければ、柔らかい顔になるのだろうかと、馬鹿げたことを考えてみたが、もしかしたら本当にそうなのかもしれない。接客業なので笑顔でいることが多いだろうし、身なりにも気を使う。柔らかい商品を扱うため、力強さよりは繊細な動きが求められるだろう。早朝からの仕事のため、生活サイクルが整って健康的になるという

        • レシピは料理を下手にする。

          私の妻は料理が嫌いなのだが、以前ハンバーグを作ってもらったとき、緊張感からなのか、包丁を持ちながら震えていた。その姿を見た私も震えた。それ以来、なるべく私が料理をするようになっている。 料理は好きなので、毎日してても全く苦ではなく、新しい料理などにもたまにチャレンジしている。作ったことのない料理を作ろうと思った時、まずすることは検索だろう。検索すると最近は美味しそうなレシピ動画がたくさん出てくる。文章と違って動画は分かりやすいので、レシピ動画を参考に料理する機会が増えてきた

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        人生に意味はない。

          海外で聴く宇多田ヒカルは沁みる。

          20代のころ、青年海外協力隊に参加し、パプアニューギニアで2年間生活したことがある。初めての海外での生活、しかも途上国。日が落ちれば周りは真っ暗であり、外には出かけられない。最初のころは友人もいなかったため、非常に孤独を感じた。 iPhoneが世の中に出る前だったのでスマホはもちろんないし、インターネットはダイヤルアップで頻繁につなげられる環境ではなかったため、夜にやれることは本を読むか、音楽を聴くことくらいだった。そのころ、よくかけていた曲が宇多田ヒカルのアルバム、Fir

          海外で聴く宇多田ヒカルは沁みる。

          なぜ写真を撮るのか

          趣味として写真撮影を続けていると、仕事としてブツ撮りやポートレートの撮影を頼まれることがある。頼まれればその期待に応えたくなるが、お金をもらう以上、失敗は許されないし、クライアントのニーズに応えるためには、それなりのカメラやストロボなどの機材が必要となるため、100万円くらいは機材にお金をかけた。最近の機材は優秀だし、撮影テクニックはYoutubeで勉強できるので、ある程度機材さえ揃えてしまえば、仕事が出来てしまうのである。もちろん、長年プロカメラマンとしてやってきた人とはク

          なぜ写真を撮るのか

          高機能なカメラはつまらない。

          初めて一眼レフを買ったのは、Canonのフィルム機だった。20年以上前、絞りやISOなどの意味も知らない初心者だったが、もしかしたらいい写真が撮れたかも、と思いながらシャッターを切り、写真屋さんにフィルムを持ち込んだ。どんな写真に出来上がるのかを想像しながら現像を待つのが楽しみで仕方なかった。もちろん、駄作も量産したが、たまに良い写真が撮れた時はお宝を発見したような感覚だった。 その後、デジタルカメラに買い替えた後も写真が趣味と言えるくらいはハマったのだが、昨年、ミラーレス

          高機能なカメラはつまらない。

          猫のように生きたい。

          ジンとウォッカという保護猫を2匹飼っているのだが、たまに猫の行動を観察して、その行動の意味を勝手に想像している。例えば、ウォッカは餌を食べたあとに必ず大きな声で鳴く。それは雄叫びと言ってもいいくらいの激しさで、まるでワールドカップの決勝でゴールを決めたときのような誇示だ。野生時代に獲物を取っていたときの名残りなのかもしれない。人間から与えられたカリカリを食べて「獲物を捕ってやったぞ!」と雄叫びをあげているんだと思うと、なかなか面白い。 また、猫はよく毛づくろいをするが、本当

          猫のように生きたい。

          ジーンズのシワが好き。

          以前、革靴のシワについて投稿したが、ジーンズのシワも奥が深い。カッコよく色落ちをさせるにはシワの入れ方が重要で、そのためには買ってから数か月、人によっては1年以上洗濯しないでいたりする。また、いい色落ちをさせるために海で洗ってみたりと、ジーンズマニアの行動はなかなかの奇行っぷりである。私もPETIT NEW STANDARD というA.P.C.のジーンズを育てているのだが、買ってから半年間、洗濯しなかった。夏に履いていると汗が発酵してだいぶいい匂いになってくるので、半年が限界

          ジーンズのシワが好き。

          ローバーミニの楽しさは理屈ではない。

          地方に住んでいると生活をする上で車は必需品だが、都市部に住んでいると必要性がほとんどなくなる。日常は自転車で十分だし、遠出する場合も公共交通サービスを使ったほうが安上がりで、寝ていれば目的地に連れて行ってくれるので運転で疲れることもない。交通事故のリスクも下げることができるため、移動手段としての車の価値は激減する。 ということで、私も40代になるまで車を所有したことがなかったのだが、ある時、バイクレースにハマってしまい、サーキットにバイクを輸送する必要があったため、トランポ

          ローバーミニの楽しさは理屈ではない。

          ハインリッヒディンケラッカー

          好きなブランドは何かと聞かれたらハインリッヒディンケラッカーと答える。ドイツの靴メーカーなのだが、何よりも好きなのがそのブランド名の響きである。声に出すと心地よく、何度も言いたくなる。その靴どこのブランドですか?って聞かれて答えたい。なんだったら、靴の話になるよう話題を誘導する。 もちろん、名前だけでこのブランドが好きになったわけではなく、様々な要因がそこにある。ほかの人は知らない良いものを自分だけが知っているという優越感や、レアなものを入手したという満足感など、特定のブラ

          ハインリッヒディンケラッカー

          良い革靴は人生を豊かにする。

          靴を見ればその人が分かるとよく言われるが、最近までそこまで靴に関心がなかった。スニーカーは好きだったが革靴は必要最低限のものを持っているだけ。面倒くさがりなので、靴のケアはせずに基本ほったらかし。革靴はできれば履きたくないと考えていたので、クールビズによって多少カジュアルな恰好でも許されるようになると、ビジネスシーンでもセットアップにスニーカーという組み合わせがほとんどになった。 しかし、ある時シワがダイナミックに入った革靴の写真をネットで見つけ、一目惚れする。コードバンと

          良い革靴は人生を豊かにする。