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レシピは料理を下手にする。

私の妻は料理が嫌いなのだが、以前ハンバーグを作ってもらったとき、緊張感からなのか、包丁を持ちながら震えていた。その姿を見た私も震えた。それ以来、なるべく私が料理をするようになっている。

料理は好きなので、毎日してても全く苦ではなく、新しい料理などにもたまにチャレンジしている。作ったことのない料理を作ろうと思った時、まずすることは検索だろう。検索すると最近は美味しそうなレシピ動画がたくさん出てくる。文章と違って動画は分かりやすいので、レシピ動画を参考に料理する機会が増えてきたのだが、最近料理の腕が落ちたことに気づいた。

具体的に言うと、塩加減などの味付けの感覚が鈍ったのである。昔は失敗などしなかった得意料理が、作っても美味しくない。以前はレシピはほとんど見ず、適当に作っていた。そのため、試行錯誤の連続で、失敗もあれば成功もあり、その経験の蓄積で料理の感覚が磨かれていったと思う。それが最近は動画が全て教えてくれるので、自分なりの感覚が不要になってしまったため感覚が鈍っていったのだと思われる。

もちろん、レシピ動画そのものが悪いわけではない。新たなレシピを知ることは楽しいし、料理の幅も広がる。ただ、料理が下手にならないためには、レシピ動画の活用方法として全体の流れの把握や材料を確認するだけにとどめ、料理の際は動画を見ずに作るのがいいのかもしれない。

また、レシピ動画を見て作った料理は、次に作ろうと思ってもレシピを覚えておらず、毎回動画を見てしまう。レシピに依存してしまうのだ。これは、車を運転する際にナビに頼るといつまでたっても道を覚えないのと同じだ。

今の世の中、覚えておかないといけないものが多数あるので、レシピを覚えないという選択も悪いわけではないが、私はレシピ通りの料理を楽しくないと感じてしまう。楽しくなければ続かないので、そのうち料理をしなくなってしまうだろう。そうなると、また妻が包丁を持ちながら震える日がくるかもしれない。それは、我が家の危機である。



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