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なぜ写真を撮るのか

趣味として写真撮影を続けていると、仕事としてブツ撮りやポートレートの撮影を頼まれることがある。頼まれればその期待に応えたくなるが、お金をもらう以上、失敗は許されないし、クライアントのニーズに応えるためには、それなりのカメラやストロボなどの機材が必要となるため、100万円くらいは機材にお金をかけた。最近の機材は優秀だし、撮影テクニックはYoutubeで勉強できるので、ある程度機材さえ揃えてしまえば、仕事が出来てしまうのである。もちろん、長年プロカメラマンとしてやってきた人とはクオリティに大きな差があるのだろうが、大多数のクライアントは、そこまでのクオリティを求めていないことが多く、気軽にお願いできてそれなりに見栄えのする写真を作りだせるカメラマンというニーズが世の中には多いように感じる。つまり、撮影を仕事にしようと思えばできるのだが、プロとしての撮影がやりたいのことなのかというと、それは違う気がする。

私がなぜ写真を撮るのかというと、それで稼ぎたいからではなく、何かを表現したいからなのだ。カメラマンではなく写真家でありたいのだ。そして、以前も投稿したが、撮影の行為そのものも楽しみたいのだ。

写真家として何を表現するのか、その答えはまだ完全には出てないのだが、きれいな景色や花の写真は、So what?と感じてしまう。今のところ撮っていて何かを表現できたかもと感じるのは、スナップ写真だ。街を歩き回り、ふと気になった一瞬を切り取る。そうして撮れた写真で「人の日常が持つ美しさ」を表現できたなら嬉しい。ただ、日常をそのまま写し出しても記録写真にしかならないので、作品にするには非現実感が必要である。そのためには、ブレさせたり、ボカしたりと、いくつか方法はあるが、まずは色の排除を試してみる。まだまだモノクロ専用機を使いこなせていないのだが、モノクロのスナップを撮り続ければ、何かを生み出せる予感がある。今年はひたすらLeica M11モノクロームで撮り続けるつもりだ。目標は1年間で1万枚である。

今後は撮影を仕事にせず、作品作りとしての撮影に邁進していくつもりだ。しかし、もし沢山お金をくれると言われたなら、仕事は断らない。むしろ喜んで引き受けるだろう。それだけは答えが出ている。


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