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不染鉄と母


2024年2月12日(月)

母親と奈良県立美術館に行った。
奈良県立美術館に行くのは初めてだったけども、奈良は隣県ということもあって何度も何度も行っている。
だから一応道順を調べたものの、大体こんな感じだなというざっくりしたイメージで向かったら、道を間違えて30分以上遅れてしまった。
中途半端に分かっている感じの状態が一番道を間違えやすい気がする。

今、奈良県立美術館では「開館50周年記念 特別展 漂泊の画家 不染鉄 ~理想郷を求めて」をやっている。
不染鉄は、奈良県立美術館話題と東京ステーションギャラリーで開かれ、話題になった2017年の展示の際に知った。
絵もいいけど、絵に添えられた言葉がなんとも好きだ。
つぶやきみたい。
Twitterみたいだなぁと思った。
不染鉄は絵葉書をいっぱい描いてるから、もしTwitterとかインスタなんかのSNSがある時代に生まれてたらめっちゃ面白かっただろうし、本人にも合ってたんだろうなぁ。

各地を転々としながら仮住まいで暮らし、色んな人と出会い、ひたすら絵を描き続けた不染鉄の人生。
旅みたいだなぁと思った。
高齢になっても「人生とは何でしようか」と悩み、昔を思い出し、亡くなった母のぬくもりを懐かしみ、人恋しさを抱え続けながら、釣りをしては絵を描く。
いくつになっても、子どもの頃から変わらない純粋さと真面目さがあったんだろうなぁ。
不染鉄の絵と言葉に触れて、自分はどんな人生の旅をして、どんなことを思って、考えて、何を残していくんだろう・・・と考える。

お風呂屋さん併設のレストランでお昼ご飯に担々麺とミニ麻婆丼のセットをガッツリ食べて(母親がアジフライとからあげも1つずつくれた)、お風呂に入って帰った。
脱力。

東京に戻る。
夜行バスに乗ると、流石に帰りの便の隣は知らない人だった。
休憩のパーキングエリアで降りると京都だ。
奈良、大阪、京都と三つの古都を経て、新都、東京へと向かう。
なんだか嬉しい。

母親に美味しいものを色々食べさせてもらった。
美味しかった。
満ち足りた。
不染鉄は、家の窓の明かりが母の心のように見えると書いていた。
家って、母だ。
がんばろう。
やがて自分も父として家を支える。
がんばろう。
純粋さと真面目さを忘れず。

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