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大阪にて、色々見て


2024年6月1日(土)

実家に帰って来た。
朝9時半過ぎの新幹線で大阪へ。
いつもは夜行バスなので、久々に乗る新幹線。
気持ちが良い。
出発と共にビールを開けた。
気持ちが良い。

コロナ禍の時は車両に自分1人しか乗っていないことがあって、本当に閑散としていたけど、今では大賑わいだ。
外国人も多い。
寝ようと思ってたけど、気分が良いので、スマホをいじったりPCで作業したりしていた。

国立民族学博物館に行った。
大好きなみんぱく。
「みんぱく創設50周年記念特別展「日本の仮面――芸能と祭りの世界」」(https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/46168)を見た。
土偶から伎楽、能、神楽、来訪神・・・などと来て、月光仮面、赤影、仮面ライダー、プロレス、仮面女子までいくという、正にみんぱくの本領発揮の展示でとんでもなかった。
特に、各地の芸能や行事の様子を記録した映像と、そこで使われている仮面をずらっと並べた展示がめっちゃ充実していた。
ショップで、図録とか手ぬぐい(地元に毎年来ていた伊勢の獅子舞のやつがあったので)とか、合わせて5000円ぐらい買ってしまった。
いや、でもこれは一生もんだ。
次のみんぱく創設50周年記念特別展は「吟遊詩人の世界」(https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/51494)らしい。
ヤバいっすよ。

「みんぱく創設50周年記念企画展「水俣病を伝える」」(https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/47870)を見た。
元々はこっちが見たくてみんぱくに行くことにした。
水俣病を伝える活動がどういう人たちや、どういう試みによって展開されてきたのかを、長年のフィールドワークに基づいて紹介する展示。
水俣病そのものを伝えるんじゃなくて、水俣病を伝えることを伝えるっていう内容で、めちゃくちゃ新鮮だった。
活動家の方とか、地域の博物館とか、遺族の方とか、色んな活動が紹介されていた。
特に、地域の博物館の展示方法を客観的に評価する(博物館が博物館を評価する)のが斬新で興味深かった。
「水俣病よりは水俣のほうが大きい」とは、水俣出身の民俗学者、谷川健一の言葉らしい。
水俣病は水俣の一部でしかない。
今年は水俣に行こう。
本当に、見れて良かった。

南森町のギャラリーN projectでみょうじなまえさんの個展「I'll give you a name」(https://n-project.art/exhibition/みょうじ-なまえ「ill-give-you-a-name」/)を見た。
パレスチナの問題を筆頭に、あちら側とこちら側、そうであるものとそうでないもの、の区別と軋轢を、社会の中の色んな場面で感じる昨今。
みょうじさんは「名前を付ける」(=「線引きをする、型にはめる」)ことを比喩に、そうした現状のいびつさをあぶり出していた。
ギャラリーの方とも話していたんだけど、みょうじさんはフェミニズム関係の作品も多くて、フェミニズムの作家と見られがちだけど、こういう作品を見ると、もっと根源的な、人として、個人として、どう生きたいか、社会がどうなって欲しいか、という問題が作品に通底していて、あくまでフェミニズムはその発露の一側面でしかないことに気付く。
これからどうなっていくのか本当に楽しみ。
みょうじさんが何にどう反応して、それがどう表れるのかが。
早く美術館で見たいな。
あと、誠に僭越ながら、今回は映像作品のナレーションの英語字幕の翻訳を担当させて頂いた。
本当に光栄。
みょうじさんの作品は国籍に関係なく普遍的に訴えかける力があると思うから、英語字幕(英語に限らないかもだけど)は大事なんだと思う。
字幕のお陰で幅広い方に伝わったなら僕も嬉しい。
あと、この空間は写真じゃ伝わらない部分がかなり大きいので、是非多くの方に生で見て頂きたいなぁ。
特に、今の世界、社会のいびつさを作品が伝える一方で、作品の後ろの窓越しに見える街の風景はのほほんとして何事も無く・・・このギャップは強烈な印象として心に残った。
是非、現地で。

夜は、母親とすき焼きを食べた。
たらふく食べた。
美味しかった。

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