記憶と恥ずかしさと自己欺瞞と 3
「一人称単数」という短編の意味がいまいちしっくりこなくて、ずっとモヤモヤしている。村上春樹さんの文章を解釈する力が私には足りないのだろうか。
(前略)ちょっとした寄り道のようなエピソードだ。もしそんなことが起こらなかったとしても、僕の人生は今ここにあるものとたぶんほとんど変わりなかっただろう。しかしそれらの記憶はあるとき、おそらくは遠く長い通路を抜けて、僕のもとを訪れる。そして僕の心を不思議なほどの強さで揺さぶることになる。
「謝肉祭(Carnaval)」より 183ペー