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李家に生まれて

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「三木才代」という人間がどんなルーツを持ち、どんなことを想い、どう生きるかを決めたか、を記憶を掘り起こして書いています。 自分の過去を大事にお伝えすることで、同じような経験や感覚…
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#学校

李家に生まれて #9

李家に生まれて #9

自分の存在意義が危うくなった。
何とか大学受験へのモチベーションを取り戻そうとしても
進んでは後退するの繰り返し。
授業にほとんど身が入らなくなっていた矢先の出来事だった。

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李家に生まれて #8

李家に生まれて #8

念願の志望校合格。
私は完全に浮かれていた。
当時の内部試験は、附属の中学校4校から、
附属の高校を受験希望する者が集まる。
私たちの学校は4校の中でも比較的のんびりというか穏やかというか、
おおらかというか、あまりがつがつしていない雰囲気があった。
事前に高校はレベルが高いから、気をつけてとも言われていた。

実際、入ったのはいいものの私は自己流で勉強していたので
どう頑張っても追いつけないこと

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李家に生まれて #7

李家に生まれて #7

今はもう私の母校だった中学校は存在しない。
片道1時間半かけ3年間通った学校は
今はもう帰国子女のための中高一貫校になっているという。

運良く合格した学校のおかげで私は合法的な家の離れ方を覚えた。
校則では許されていなかったが、できる限り寄り道した。
私と同じルートで通学する生徒がおらず、存分にひとりの時間を楽しめた。
できる限り怪しまれない程度に、できる限り遅く帰る。

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