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レディー・ガガだってアリアナ・グランデだって、その奇抜なコスチュームを着て舞台で動き回るのよ - シン・ファッションデザイン

 

(写真 Rei Kawakubo for Comme des Garçons, Photographe by Paolo Roversi)

私は現在、ニューヨークにあるパーソンズ美術大学のパリ校であるパーソンズ・パリの、2年半前に新設されたファッションデザインとアートの修士課程 MFA(Master of Fine Arts) Fashain Design and the Artsのアソシエイトディレクターとして、プログラムディレクターのトマスと共に「Core Studio」という、デザインの元になるインスピレーションから「服」というプロダクトにどう落とし込み、発展させていくか、その過程を欧州のファッションブランドとのコラボプロジェクトを通して指導している。

企業コラボはこれまでにヴェルサーチェ(VERSACE)、エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)、カンペールラボ(CAMPERLAB)、そしてミュグレー(MUGLER)のクリエイティブディレクターとそれぞれのブランドの特徴に合わせて課題を出していただき、それに則って学生たちがひとりひとりプロジェクトを制作、発表するというものだ。

(ヴェルサーチェ公式Youtubeチャンネル、 パーソンズ・パリとのコラボプロジェクトのドキュメンタリー動画)


もちろん、クリエイティブディレクターたちは自社コレクションの準備で多忙を極めるので、多くても2、3回学生に会っていただくのがやっとで、殆どの過程をラグジュアリー業界と関わりの深いクリエイティブディレクターのトマスと、同じく仏米ラグジュアリーブランドで20年ファッションデザイナーとして働いてきた私が指導することになる。


パーソンズ・パリの母体であるパーソンズ美術大学(Parsons School of Design , The New School)は1896年創立のニューヨーク、マンハッタンにあるアートとデザインの私立大学で、セントラル・セントマーチン芸術大学 (ロンドン)、アントワープ王立芸術アカデミー (ベルギー)と共にファッション分野で著名な世界3大スクールに数えられる。

卒業生にマーク・ジェイコブス、アレキサンダー・ワン、ダナ・キャラン、トム・フォード、スティーヴン・マイゼル、アナスイ、ポール・ランド、ナルシソ・ロドリゲス、ジャスパー・ジョーンズ、ノーマン・ロックウェルなど数多くの著名アーティストやデザイナーを輩出してきた。


パーソンズの分校であるパーソンズ・パリ(PARSONS PARIS)も意外と歴史は長く1921年創立、私が仕事を始めた2021年に100周年を迎えたばかりだ。パーソンズ美術大学もパーソンズ・パリも共にマンハッタン、グリニッジヴィレッジにある私立総合大学ニュースクール大学 (The New School)の傘下である。

パリに設置された大学だが、アメリカの修士号MFA(Master of Fine Arts)が取得出来る。大学の授業は英語で行われる。

パーソンズ・パリのファッションデザインとアートの修士課程(MFA)には世界中の国々でBFA(Bachelor of Fine Arts)を取得した学生たちがやってくる。ご当地フランス人やEU出身の学生は残念ながらあまり見かけない。欧州の大学は学費が殆どかからないので、学費のかかるアメリカの私立大学にわざわざ来る学生が少ないのだ。日本人も全学部合わせても現在1人だけで私のキャンパスと違うキャンパスに通っているので、残念ながら私は普段日本語で仕事をする環境ではない。


いろいろな国の大学でファインアートやファッションデザインを4年間勉強してきた殆どの学生たちに共通して言えることは、彼らのいうファッションデザインが想像の域を越えて「服」というプロダクトに変換され切っていないことである。

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