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《詩》

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《詩》仙台

《詩》仙台

駅に着いたら冷たくて可愛い豆色のずんだシェイクを飲もう
ずんだ、ずんだ
なんてふざけてた頃が懐かしい

関東はまだまだ暑くて嫌になる、いつでも心と身体がダル重くて
来年も3ヶ月近くこんなにひどいのかと思うとうなだれる

ねぇ、誰でもそうですか?

渋谷の劇場の中ではそのバッグは彼女のデザインですよねと声をかけ
観客の女性と笑顔で話をして少し気持ちが軽くなった…ものすごい繁華街だ

あの中で生き抜い

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《詩》生きている

《詩》生きている

人生はゆっくりと進んでいく
きっと私の寿命は健康な人より短い
それならなるべく笑顔でこなそう

眠れるようにと決められた薬を飲む
残された時間を愛してくれる夫と一緒にいられるように
今も刻一刻とタイムリミットは迫って

私が客席に座っていなかったらあの人との関係は終わってしまう?
何を手紙に書けばいい、それすらもよく分からないの

こんな暗い話をするなんてと自分を責めている
どんどん混乱して個とい

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《詩》恋文

《詩》恋文

大地

なかなか顔を見られないからあなたの誕生日の花家紋を調べてみたの

何とか柳薄荷っていうのだった…詳しくは忘れててごめん

その花言葉をスマホで検索して私は少し笑っちゃった

大地ってけっこう綺麗好きだし私をいつも浄化してくれる存在だから

ベランダにあるふたりで選んだ藍白の小さな風鈴が揺れてて

初めて会った時に登る約束をしたスカイツリーの色らしいよ

恥ずかしがり屋の乙女座男性からの慈し

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《詩》笑顔

《詩》笑顔

その輝く笑顔を近くで目にするだけでホッとしたのよ

暑い暑いコンクリートの上を一歩ずつ近づく距離を大切にしたい気持ち

どこまで進むかは分からないけど素直に生きていこう

この強い夏の日に日傘をさして背の高いあなたをかばいきれない私

ふたりで歩く道が続いているとしたら両端にはお日様のヒマワリが咲く

振り返って「辛くない?」と見下ろすけど首を静かに横に振った

他の人ではお互い代わりが見つからな

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