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シングルでも子供がいても、多様性のある働き方

日本経済新聞の”シングルの選択”という連載記事で、“「シングルだから…」 しわ寄せこない働き方の未来”について、どのように会社が多様性を尊重しながら社員に働いてもらっているか、サイボウズ、日本レーザーの例を挙げて分かりやすく書かれていました。

私の会社にはCDO(Chief Diversity Officer)というポジションが数年前に作られ、社内でDEI(Diversity,  Equity, Inclusion)のボランティアチームが作られていて私も参加して、このテーマについて社内で深掘りすべきだなと思っています。

シングルや子供がいないために、産休•育休・介護休職などお休み中の社員分の負担が増してしまうという事態というのは、結構切実な問題ですが、なかなか声を上げることができないというのが今までの私の会社の実態です。

こうした事情は、割と多くの職場で見られることなんじゃないかと思います。日経新聞の記事で下記のアンケート結果を取り上げていました。

「患者対応をするスタッフに独身者が選ばれてしまう」「子供が成人しているから、独身の若い看護師だから、という理由で対応をしなければならない不公平感がある」。20年4月、新型コロナウイルスが日本で猛威を振るい始めたとき、日本救急看護学会のもとに寄せられた医療現場からの声だ。

また、マタニティハラスメント被害者支援に取り組む小坂さやか氏が107人から得たアンケートでは、「(子育て中の同僚が)土日や夜の勤務を免除され、しわ寄せが独身者や子供のいないスタッフに来た」「結婚祝い金や出産祝い金などの制度は不公平感が拭えない」といった経験や考えがつづられていた。その一方で、不快な出来事があったにもかかわらず「何もしなかった」という回答者が多かった。声なき声だ。
日本経済新聞

私も結婚はしているものの、子供がいないので、仕事が増えたり、また不愉快な発言をされたりしたこともあるので、DEIを語る上で、これは一つの大きなテーマなんだなと改めて考えさせられました。

では、どのように職場において多様性を尊重する環境作りをしていけば良いのか、まずはサイボウズの例です。

00年代から離職率の高さに悩まされていた同社は14年、働く時間と場所で働き方を9分類し、社員が自分に合う働き方を選べるようにした。それでも多様な社員のニーズをカバーしきれないとして、18年、全社員が自分に合う「働き方宣言」をする人事制度を導入した。

エンジニアとして働くシングルの向井咲人(29)はエンジニアやデザイナーの仲間に呼びかける。働くのは月~水・金曜の週4日、午前9時から午後6時までと「働き方宣言」をしており、自分の不在時に重要な会議は入れないようにしてもらっている。

同社では業務支援ソフト「キントーン」の業務などに従事し、木曜だけ他社で副業としてウェブアプリケーションの開発を担う。平日5日のうち数日を副業に充てる社員も珍しくなく、向井も増やすことは可能だが、「本業にしっかり貢献するには今はこのバランスが一番いい」と語る。
日本経済新聞

リモートで働くことで支障のない職種であれば、このサイボウズのように、社員に働き方を選んでもらうというのは良いアイデアではないかと思います。

また、別の例として日本レーザーの場合。

社員の能力に応じた結果にくわえ、努力も見て給与に差が付く実力主義の人事制度をつくった。住宅手当や家族手当など、業務の成果に関係のない属人的な手当は廃止。手当を月数万円もらっていた社員からは不満も出たが、浮いた原資はTOEICの点数に応じて支給する手当など、個人の成長を促すものに振り向けた。

そして近藤が導入した特徴的な人事制度が、ひとつの業務に2人の担当者を置く「ダブルアサインメント」だ。育休に入る男性と働き盛りの男性や、育児中の女性と男性、営業経験の長い男性とこれから育成したい女性など、どちらかに負荷がかかりすぎず、かつ経験や属性の違いからお互いが学べるように組み合わせる。組む前と後とで残業はほぼ変わらないという。そうすると、子育てのため時短勤務や療養、休暇中の社員がいても担当者が不在といった事態は起こらない。

とはいえ、社員数60人ほどの同社で単に担当者を増やせば人件費が倍増してしまう。そこで同時に1人の社員が複数の業務を担当する「マルチタスク」制度を採用し、会社全体の人件費は適正に保つ。

時短勤務者をサポートする社員に対し、相応の手当を支給する制度もある。背景には「他人のために利他の気持ちで支援をする」という社員に求める条件があるからだ。
日本経済新聞

こうした人事戦略を取るに至ったのには背景があり、結果として強固な組織が出来上がったと言います。

技術や取引先の盛衰が激しいレーザー業界で、会社が生き残り、持続的な成長を続けるために「社員が圧倒的な当事者意識を持ち、勉強を続け、待遇も役割も変化していくことが重要」と説く。会社が徹底的に社員を大切にするとき、「ひとくくりにせず、個人をそれぞれ個別に管理し、評価することが欠かせない」という。同社は「時間・約束を守っているか」「現状に甘んじず常に意識改革・自己革新しているか」など20項目で社員を評価する。結果は6月と12月の年に2回、上司と本人との面談でフィードバックする。評価が高くない項目があっても、どうしたら次回は評価を上げられるか徹底的に話し合う。

経営改革を始めた当初、手当の見直しや実力主義の制度の導入は自分に合わないという社員は去っていった。しかし、その後、会社の理念の理解が広がり、離職者はゼロに近い。闘病中の社員も時短勤務で貢献し続け、事務職のパート社員が営業職で正社員に転換する例や、60歳超のベテラン営業マンが新規の顧客を開拓する例もあり、組織は強固になった。
日本経済新聞

組織を変えていくことは簡単ではありません。しかし、問題提起をし、会社に考えてもらうアクションを起こす。そうすることで、より良い職場環境になり、離職率を低くし、社員のモチベーションを高めることが出来るかもしれない。まずはアクションを起こしてみようかと思います。

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