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4人を育てるシングルマザー/看護師歴23年/外来化学療法室勤務/救急外来夜勤リーダー看…

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4人を育てるシングルマザー/看護師歴23年/外来化学療法室勤務/救急外来夜勤リーダー看護師/康仁塾2022年度生/宿命鑑定師

最近の記事

母に残された命の時間

先日、2年ぶりに実家に帰省してきました。 久しぶりに乗ったANAの搭乗システムや機内に あたふたしてしまいましたが、娘が色んな手続きを全てやってくれたので助かりました。 以前に母の病状について投稿したのですが 母は胆嚢がんで、リンパ節と肝臓に転移している ために抗がん剤治療を続けています。 今回、姉の10年祭(神道なので)があり 帰省したタイミングで母の病状説明を 聞かせてもらう事になりました。 まずは直近のCTにて腫瘍やリンパ節のサイズを 確認させてもらいました。

    • 抗がん治療は負け戦?

      先日,腫瘍内科の先生と話していた時のこと。 血液内科のA先生に言わせれば、固形がんの 抗がん剤治療は血液がんの治療に比べると 負け戦だよ!! となるらしい…です。 確かに血液がんの生存率は以前と 比較すると随分伸びています。 2022年の死亡数の統計を見ても 1位肺がん 2位大腸がん 3位胃がん といずれも固形がんが占めています。 ですが、A先生の言葉を聞いて がん治療を勝ち負けで区別するのは 違うのではないかと思い、 とても違和感を感じました。 全ての治療におい

      • 彼が旅立った日

        体調のことなどから 随分と長く投稿をお休みしていました。 以前、23歳の軟部肉腫の患者さんの 倫理カンファレンスをした内容の投稿を しましたが、先月その患者さんは家族に 見守られながら穏やかに旅立ちました。 彼が最後に受診してから半年以上が経とうとしていた頃でした。 主治医や私たち看護師が危惧していた状況で 救急搬送されてきました。 主訴は呼吸苦… 酸素を10L投与していても苦しくて 安静にできない状況だったそうです。 なんとかレントゲンを撮ることができたのですが そ

        • 関係性の作り方の難しさ

          とっても久しぶりに投稿します。 夏バテからのコロナがやってきて 復帰をしたら多忙すぎる毎日でした。 以前に投稿した23歳の軟部肉腫で 抗がん剤治療をしていた患者さんが 先月1度も通院する事なく現在までに 至っていることについて、改めて倫理 カンファレンスをすることになりました。 彼にとっての利益と不利益を考えて 私たち看護師は医師と共にどんな事が 出来るのか,どう対応したらいいのかという 事について検討していきました。 彼の複雑な家庭環境の背景から 自己開示をする事は

        母に残された命の時間

          味覚障害とお付き合い

          とうとう私にもやってきてしまいました。 コロナ陽性のお知らせが… という事で、数日前より自宅療養中なのですが 解熱後の味覚障害で、口腔内が常に苦味を感じている状況になっており食欲低下が続いています。 味覚障害といえば、抗がん剤治療を受けられて いる患者さんも悩まされる副作用の1つ。 食べやすいものを食べられるだけ とよく療養指導の場面でお伝えしたり パンフレットにもそのように書いてあるのですが 何が食べられるのかわからない と食べられるものを探せられずに、 食事が

          味覚障害とお付き合い

          抗がん剤治療通院キャンセルが続く患者さんの倫理カンファレンス

          以前の記事からまた数週間経ちました。 実はその期間、あの23歳の患者さんは 1度も来院することなく、こちらから連絡をしてもとうとう連絡してくることもなくなりました。 そうして今に至っています。 そこで、私たち医療スタッフは 倫理カンファレンスをするようになりました。 こちらから連絡すると、時間は経つが連絡を返してくれていたところをみると、治療は受けたいと思ってくれているであろう。 保険証の切り替えの問題だけが彼の問題では ないのではないか。 やはり、お金に関する部分

          抗がん剤治療通院キャンセルが続く患者さんの倫理カンファレンス

          抗がん剤治療通院キャンセルが続く患者さんの真相

          夏バテ過ぎてnoteに辿り着けなかった7月。 なんとか生きています。 しばらくぶりの投稿となります。 5月より軟部肉腫で治療中の23歳の患者さんの 通院が先月からぴたりと止まってしまいました。 予約日に連絡をすると仕事が入って 都合がつかない。 医療費減免の手続きで市役所にいる。 その後に受診しようと思うがまだ終わらない。 などなど、キャンセルが続き 昨日で1ヶ月が過ぎてしまいました。 自営業の運送会社を営む23歳。 家庭もあり子供も2人いることで 稼がなければと責

          抗がん剤治療通院キャンセルが続く患者さんの真相

          どう死にたいかじゃなくどう生きたいか

          先日の腫瘍外来も予約数多めで、 最初の患者さんから不安の傾聴とセカンドオピニオンについての相談などをされたりと なかなか内容の濃い外来でした。 昔はセカンドオピニオンに対するイメージが 決していいものではありませんでしたが、 今では治療を受けられる本人が納得されるなら どんどん色んな医師のお話を聞きに行ってくださいという形になってきています。 当院の腫瘍外来の医師も 「ご希望があるのでしたら,是非行ってきてくださいね。お手紙は準備しておきますから。」 とお話しされていま

          どう死にたいかじゃなくどう生きたいか

          久しぶりに会えたAさん

          しばらく投稿が途絶えてしまいました。 看護レポートのサポーターや、自分の課題や 色んな事に追われてしまっています。 見出しの写真はいつかの夜勤… 仮眠したのは5時を過ぎていました。 さて、本題に入ります。 以前の投稿で登場した乳がん治療中の Aさんですが、 脳転移に対する放射線治療も終わり、 先日から抗がん剤治療が再開となりました。 今回の放射線治療が決まった時にAさんが 「娘たちにはまだ病気の事を話せていないんです。」 とお話しされていたのが気になっていました。

          久しぶりに会えたAさん

          患者さんと実習生のかかわり

          今週は看護大学から在宅療養に関する 見学実習があり、私の勤務場所にも 毎日2人ないしは3人の実習生が来ています。 指導者について オリエンテーションの見学や、 実際に点滴治療を受けている患者さんに 在宅療養中でのお困りごとなどを 聴かせてもらいながら,治療室では どんな看護が必要なのかと気づいたことを 指導者と教員を交えた振り返りの 時間で発表し、実習は終わりとなります。 学生たちはオリエンテーションを受ける 患者さんや実際に抗がん剤治療を 受けている患者さんとの関わりで

          患者さんと実習生のかかわり

          一生涯のセルフケア

          以前の投稿にも書きましたが、私のパートナーは がん治療経験者です。 現在は15年以上過ぎているのでフォローは 終わっているのですが、治療をした結果で 様々な身体機能の変化が今でも残存しており それにより、リハビリを含む 毎日の様々なセルフケアをしなくては なりません。 見出しの写真はセルフケアに欠かせない アイテムの1つネラトンカテーテルです。 普通は口腔内や鼻腔内の吸引に使うものですが パートナーの場合は洗浄道具になります。 どのように使用するかというと、 毎日の鼻

          一生涯のセルフケア

          腫瘍内科外来で思うこと

          昨日は腫瘍内科外来の勤務でした。 予約数が多く,お一人お一人と関わる時間が 少なくなってしまい不完全燃焼気味で 勤務終了となってしまいした。 ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが 腫瘍内科外来はガン治療の中の薬物療法 いわゆる抗がん剤治療における専門医が 診察,治療を提供する外来になっています。 ですので、補助療法や術前治療など抗がん剤 治療の回数が決められている患者さんは クールが終われば主科の外来に戻り その後の診察や治療などが継続されます。 昨日の予約患者さん

          腫瘍内科外来で思うこと

          患者さんと寄り添うために

          梅雨のない土地で生まれ育った私にとって 6月は体調不良になる月でもあり、 やはり今年も眩暈症状が出現してしまい 仕事もままならない始末… しばらくnoteの投稿もできずでした… 見出しの写真は後輩看護師Yさんが作成した ケーススタディの下書きになります。 私は今回、サポーターとして 彼女のレポート完成までの数ヶ月を 関わっていく役割を担いました。 施設によって教育カリキュラムは異なると 思いますが、当院ではラダーに沿って 1年目は新人教育で、基本的な看護技術から 各領域

          患者さんと寄り添うために

          癌治療から15年経った今

          以前に書いたかもしれませんが、実は 私のパートナーは20代の頃に 血液の癌になりました。 夢だった職種にやっと合格した矢先の 癌告知であったと聞きます。 癌と診断されてから放射線治療と抗がん剤治療 を続け、口腔の中にできた癌治療でしたから 半年以上経口摂取出来ず、放射線治療の副作用を考慮し口腔内の手術が可能になるまで数年の間 マウスピースをつけなければ話すことができない状況でした。 6年後にやっと手術をすることになり オペの前日にマウスピースを外した自分の声を 録音した

          癌治療から15年経った今

          患者さんの笑顔や言葉に私も救われる

          数日間、梅雨入りなどの影響か体調不良が続き投稿が出来ずにいました。 梅雨が明けるまで体調に合わせて投稿していこうと思います。 本日の治療室は予約も40名を切り ゆったりとした時間の中で患者さんと 関われる時間がたくさん作ることが出来ました。 (いつも同じように関わることが出来れば良いのですが…) そんな中、先週再発がわかったAさんが午後から 治療に来られました。 先週は再発しているということを受け止めるのに必死で、娘さん2人に病状告知をどのタイミングでしたらいいのか考え

          患者さんの笑顔や言葉に私も救われる

          再発を伝えられたAさん

          今日は乳がんで治療中の50代のAさんが 以前、治療をした場所と同じ場所に 再発腫瘍が見つかったとして 主治医から説明を受けた後に 治療室に来られました。 診察室のスタッフより 主治医からの説明の後は 明らかに動揺されていたのでフォローを お願いしたいと連絡が入りました。 治療が終わり、帰ろうとするAさんに 私は特別な声かけはせず、 そっと寄り添いながらただただ肩をさすりました。 「聞いてくださったんですか?また同じところに再発したみたいです。マーカーは落ち着いてるので安

          再発を伝えられたAさん