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腫瘍内科外来で思うこと

昨日は腫瘍内科外来の勤務でした。
予約数が多く,お一人お一人と関わる時間が
少なくなってしまい不完全燃焼気味で
勤務終了となってしまいした。

ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが
腫瘍内科外来はガン治療の中の薬物療法
いわゆる抗がん剤治療における専門医が
診察,治療を提供する外来になっています。

ですので、補助療法や術前治療など抗がん剤
治療の回数が決められている患者さんは
クールが終われば主科の外来に戻り
その後の診察や治療などが継続されます。

昨日の予約患者さんの中にも
今回の治療で腫瘍内科外来は終診となる
方が2名ほどいらっしゃいました。

お2人とも口を揃えて言われたことがありました。
それはこれで終わるからうれしい!
というようなことではありませんでした。

毎週来てたのに,明日から月1回になるなんて
心細い。
良いことなんだけど、複雑…

治療を受けられているということで
癌とうまく共存されていることも多く
治療スケジュールが終了し、今後は主科での
経過観察となると途端にまた不安が増強される
場面に出逢います。

私のパートナーもその1人で
10年のフォローが終わっていましたが
先生の顔が見れなくなるからと
3ヶ月ごとに通院をしていました。
その奥には彼の不安がありました。

もし,また何かあったらどうしよう
最初から僕のこの複雑な病状を
知ってくれている先生はこの人以外に
いないのに…

という思いがあったと話してくれた
事がありました。

多くの患者さんはパートナーのような
思いに苛まれると思っていて、
だからこそ看護師として何ができるか
どんな寄り添い方が患者さんの
不安の軽減につながるのかと考えます。

今,そのままの患者さんの思いに共感する。
患者さんの人生を擬似体験をする。
その思いに寄り添いながら

今,ここ

というところに一緒に立ち支援する。
今まで辛い治療を頑張って受けられて
来られたプロセスがあるからこそ
今ここに立てているとともに喜ぶ。

先の見えない不安や恐怖は
誰でもありますし、私もそうです。

ですので、今後外来で経過観察の通院に
なった患者さんたちに多くのスタッフは

「治療頑張っていただきありがとうございました。これからは外来診察だけになりますが、
診察日には時々お顔を見せてくださいね。」

とお声かけさせていただいています。
その時々に押し寄せてくる不安に
寄り添って少しでも不安の軽減に繋がる
お手伝いができれば、 

今ここ

にご自身をリセットしていただくことができる。

いつでも相談できる場所がある、
不安で揺れている気持ちを少しでも
和らげる,話を聞いてくれる人がいる。

そういう場所でありたいですし
そういう看護師で
ありたいと思っています。

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