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癌治療から15年経った今

以前に書いたかもしれませんが、実は
私のパートナーは20代の頃に
血液の癌になりました。

夢だった職種にやっと合格した矢先の
癌告知であったと聞きます。

癌と診断されてから放射線治療と抗がん剤治療
を続け、口腔の中にできた癌治療でしたから
半年以上経口摂取出来ず、放射線治療の副作用を考慮し口腔内の手術が可能になるまで数年の間
マウスピースをつけなければ話すことができない状況でした。

6年後にやっと手術をすることになり
オペの前日にマウスピースを外した自分の声を
録音したとして、それを聞かせてもらった時は
衝撃すぎて涙が止まらなかったです。

なぜ涙が止まらなかったかと言いますと、
内容は家族一人一人への感謝と
自分への感謝と明日の手術に向けての
前向きな決意だったからです。

彼は6年間口腔内に穴が空いた状態で
生活していましたから、彼にとって
手術が出来るということは不便なマウスピースを
つけないで過ごせる事だけではなく、
やっと癌治療の最終的な外科治療に
踏み込むことができるという希望であったのでは
ないかと感じました。

当時の思いを彼に聞いてみると

「10時間に及ぶ手術であったけれど
これで普通の生活に戻れるなら
不安はなかった。それまでの入院で家族に
特に母には迷惑を沢山かけたから、
これで母への負担も減るだろうと思った。」

と話してくれました。

現在の彼はやはり放射線治療の影響で
虫歯になりやすい、歯が折れたり抜けたり
しやすい。
唾液が少ないので食事は水で流し込んだりする。
食べたものが鼻腔へ上がる。
飲み込みにくさがある。
話すと空気が漏れるので相手に伝わりにくい言葉がある。
ストローは吸うのに時間がかかる。
という状況です。

15年経ち癌治療のフォローアップが終了したとしても、後遺症で手術を繰り返しており、
秋にもまた手術を受けることになりました。
手術の内容はさまざまですが、今回で8度目に
なるのではないかと思います。

彼がいつも明るく笑顔で偉そうにすることなく
周りの人のために心配り気配りができるのは
私には到底計り知れない精神的苦痛を経験して
きているから故のことなのだなと思います。

生かされている毎日に感謝して過ごせる彼の
姿は今まさに見えない先の不安で
心が弱っている方達の希望になるのではないかと
いつも感じているのでした。

秋の手術もスムーズに終わりますように…

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