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関係性の作り方の難しさ

とっても久しぶりに投稿します。

夏バテからのコロナがやってきて
復帰をしたら多忙すぎる毎日でした。

以前に投稿した23歳の軟部肉腫で
抗がん剤治療をしていた患者さんが
先月1度も通院する事なく現在までに
至っていることについて、改めて倫理
カンファレンスをすることになりました。

彼にとっての利益と不利益を考えて
私たち看護師は医師と共にどんな事が
出来るのか,どう対応したらいいのかという
事について検討していきました。

彼の複雑な家庭環境の背景から
自己開示をする事は簡単なことではない
彼にとって我慢する事が普通で、そうしなければならないと生きてきたのかもしれない。

100万円以上の医療費の滞納について
誰に相談することもなく、病院側にも
相談することもなく、これ以上の借金をしてまで
治療したくないと主治医に伝えてきた事は
本心ではないことは誰もがわかったことでしたが
今までは本人の口からSOSが出ることは
ありませんでした。

それは最初の関わりをしていた看護師や
経理課職員がマニュアル通りのこちらの
正しさで対応してしまった事が彼の心を更に
開示させにくくしてしまった原因だったのかと
振り返りました。

色々な場所のスタッフに相談したところ
早速、来週に福祉担当が
最初から同席して今の本人の思いを
確認するための面談が設定される事に
なりました。

AYA世代と言われる患者さんはご両親が現役な
事が多く家族のサポートがあったりする中で
彼は頼る両親がいない…

キーパーソンの祖父も孫に任せていると
治療費の滞納について知りながらも
協力が難しい現状…

そんな状況の中、本人は滞納している状況で
そこまでして治療したいと思わないと。

本人の本当の思いをまずは確認させて
もらう事で、治療したいという意志が
確認できれば福祉が動ける!

お金の不安がなく治療が受けられる環境調整を
しながら、限られた命の時間を家族とどう
過ごしたいのか,今をどうありたいのかに
焦点を当てて面談に同席させてもらおうと
いう事になりました。

こちらの正しさをぶつけてはならない

真の困りごとに耳を傾ける

思いを分かち合う,寄り添う

長年の経験から自分の中の作られた常識は
彼にとって常識ではないし、常識は
人の数だけあるということを肝に銘じて
介入すること!!
と自分に言い聞かせたカンファレンスでした。

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