見出し画像

抗がん剤治療通院キャンセルが続く患者さんの真相

夏バテ過ぎてnoteに辿り着けなかった7月。
なんとか生きています。
しばらくぶりの投稿となります。

5月より軟部肉腫で治療中の23歳の患者さんの
通院が先月からぴたりと止まってしまいました。

予約日に連絡をすると仕事が入って
都合がつかない。

医療費減免の手続きで市役所にいる。
その後に受診しようと思うがまだ終わらない。

などなど、キャンセルが続き
昨日で1ヶ月が過ぎてしまいました。

自営業の運送会社を営む23歳。
家庭もあり子供も2人いることで
稼がなければと責任感があるのか…

本人の心の内が分からず、主治医をはじめ
外来のスタッフが困惑していました。

少しだけ主治医が電話で話す機会があり
保険証の更新がうまくいかなかったので
自費になるため医療費が払えない。

実は初回治療の入院費も未払いになっていると
医事課より連絡がありました。

MSWなどに相談して、何か手段を
見つけてくれるはずなのになぁ…
私ならどうしてただろうか…

色々な思いが巡ります。

23歳で両親とは幼少期から疎遠
祖父に育てられながら
全てを自分でやりくりしてきたが
ある日突然体の異変に気づき、
検査をしたら医師から
余命は薬が効いても10年未満と言われた。

仕事も家族もどうしたらいいのかと
自暴自棄になるかもしれない…

治療をして体は見違える程楽になった。
今のうちに
仕事をなんとかしなければ
治療費も払えない
次の治療をスキップしてでも
その治療費をなんとかしようと
頑張っているのか…

ですが、現実はどんどん厳しいものに
なっているのです。

治療が再開できたとしても、治療効果は
落ちてしまいます。
彼の場合は抗がん剤がよく効くタイプの
肉腫だっただけに、看護師の立場からすると
なんともったないと思ってしまいます。

だけれども、治療しているのは彼ですし
どうありたいかは本人にしかわからない。

来週の水曜には来院できると連絡が
あったようで、外来日ではないのですが
特別診察ということで主治医が時間調整をし
今後の方針と本人の思いを改めて
確認することとなりました。

その場に私も同席することとなり
本人の真の思いを引き出せるか
今から緊張気味で過ごす数日間に
なりそうです。

とにかく後悔のない命の使い方を
彼には送って欲しいと願うばかりです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?