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どう死にたいかじゃなくどう生きたいか

先日の腫瘍外来も予約数多めで、
最初の患者さんから不安の傾聴とセカンドオピニオンについての相談などをされたりと
なかなか内容の濃い外来でした。

昔はセカンドオピニオンに対するイメージが
決していいものではありませんでしたが、
今では治療を受けられる本人が納得されるなら
どんどん色んな医師のお話を聞きに行ってくださいという形になってきています。

当院の腫瘍外来の医師も
「ご希望があるのでしたら,是非行ってきてくださいね。お手紙は準備しておきますから。」

とお話しされていました。

今はネット検索は誰でもできる時代ですから
実にさまざまな情報が目に止まり、
それにより自分の治療内容は本当に
これで大丈夫なのか?と不安になる患者さんが
増えているのも事実です。

私たち医療者の役目は〇〇さんにとって
その情報は正しいのかそうではないのかを
しっかりとお伝えさせてもらうことだと
思います。

患者本人がどのように過ごしたいのか
、どう生きたいのかという思いに寄り添いながら情報提供していくことも大切だと考えます。

わからないので先生にお任せします。
という言葉の奥にある本当の思いを

「本当はどうしたいですか?」
「どうしてそう思われるんですか?」

と声かけさせてもらいながら…。

今日は勤務終了後に他職種でのカンファレンスがあり、1つの症例を通してどんな関わりが
ベストだと考えられるかを検討していきました。

1st lineの抗がん剤が奏功しなくなった。
2ndlineの抗がん剤を導入するために入院して
もらったけれど、本人の思いの部分に対して
上手に関われていない現状がある。

とのことでした。

緩和ケアの医師が
私たちは

どういう死に方をしたい?

と問うのではなくて

どういう生き方をしたい?

というところに着目していく必要がある。

と話されていました。

「治療はしたいけど、自分のことができなくなるのは困る。」

と症例のBさんが話した言葉の意味は?

自分のことができているとは
具体的にどこまでのことを望まれているのか?

誰とどこで過ごしたいのか。

今回の抗がん剤治療は本人の思いに沿った
治療となり得るのか。

そういったところをケアの時の雑談や
リハビリなどの場面で聞かせていただく
事で私たちの提案する治療の方向性が
Bさんの本当に望まれるものに
近づけられるのではないかとのことでした。

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