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30代女性。文章を読むことが大好きで、ついつい携帯や本に手がのびてしまいます。小説など…

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30代女性。文章を読むことが大好きで、ついつい携帯や本に手がのびてしまいます。小説など書いてます。普段はナースしてます。

最近の記事

傷つけたくなくて深く傷つけた#21 After story

3年経った。 あれからのぼるとは連絡取っていない。 のぼるから連絡があれば返そう、、と思ってた。やっぱり色んな記憶を思い出すのが怖かったから、自分からはしなかった。のぼるからも一度もこなかった。 3年間、ずっとなつくんのことを想っていた。 想えば想うほど、 なつくんの優しさ、誠実さ、笑顔が思い出されて、裏切ってしまった後悔が募った。 もう思い出しすぎて、理想のなつくんが私の中に存在している。 なつくんと行った場所、駅でなつくんを探してしまう癖がついていた。 も

    • 傷つけたくなくて深く傷つけた#20 自分の好きな自分

      家に帰ってきて、みーちゃんに電話をした。 堰を切ったように話し出した。 ゆう「みーちゃん、なんか色々ごめん、私が全部壊して台無しにしちゃった。まだのぼるのこと、自分の中で本当に決着ついてないのに、見て見ぬ振りをしてなつくんの気持ち利用して、、ひどいことした。。」 みーちゃん「ゆう、私も昨日はひどいこと言って、、ごめん。でも、ゆう、のぼるは、ただなつくんと幸せそうにしてるゆうのこと取り返したかっただけだよ?おもちゃをとられて駄々こねてるみたいな。。だって、こんなこと言いた

      • 「若者のすべて」についての考察

        9月も中旬を過ぎ、だいぶ涼しくなった。 暗くなるのも早い。 私の「若者のすべて」月間がもうすぐ終わろうとしている。 「若者のすべて」とは、フジファブリックの名曲だ。 多くの音楽ファンに愛されている。 昔、兄の彼女がフジファブリックのファンで、時々家にあるCDで「茜色の夕日」を耳にしていた。 それがフジファブリックと私の出会いだった。 兄は「若者のすべて」という曲がとてもいいと言っていた。 かかっていたような気もするがじっくりと聞いたことはなかった。 そして彼女が志村さんの死に

        • 傷つけたくなくて深く傷つけた#19 汚れた自分

          のぼるは私のことを後ろからぎゅっとしながら、 のぼる「ゆう、来てくれてありがとう。やっぱ俺はゆうがいないと無理だわ。」 ゆう「うん、、明日なつくんと話してくる。」 のぼる「そっか、そーだよな。俺、終わったあと行こうか?」 ゆう「ううん、大丈夫。私が話さなきゃ。」 夕方二人でカラオケを出たとき、みーちゃんにばったり会ってしまった。 みーちゃんは私に向かって  みーちゃん「はぁ。ゆうはなんでのぼると会ってるの?二人して、、ゆう!あっちフラフラこっちフラフラ、何が正し

        傷つけたくなくて深く傷つけた#21 After story

          傷つけたくなくて深く傷つけた#18 もう元には戻れない

          卒業式はみんな涙涙で終わった。 ゆうはこれから起こる何かが怖くて、ただただ静かに時がくるのを待っていた。 なつからメールがきた。 "今日は一人で帰るね。また連絡するから。" なつくん、、 私のこと信じてるからそう言ったんだよね。 私は自分の中に二人の人がいることに気づいた。 危険な道に行きたい自分と、温かい幸せが欲しい自分。 怖かった。 優しい幸せをくれるなつくんのことを好きな自分もいる。安心感、安らぎ、温もり。 でも、あのどうしようもなくのぼるを好きな自

          傷つけたくなくて深く傷つけた#18 もう元には戻れない

          傷つけたくなくて深く傷つけた#17 なつくんとのぼる

          全然眠れなかった。 でも卒業式、なつくんと行く約束してる。 なつ「おはよう、ゆう。今日で一緒に行くの最後かー。」 ゆう「おはよう。本当だね。」 元気出そうと思ったけど、出ない。 なつ「もうセンチメンタルな気分なの?はやいぞー!」 なつは笑ってたけど、私は笑えなかった。 昨日のことで頭がぐちゃぐちゃになってる。 何の話をしたかも覚えてないけど、 最後だしってことで少し遠回りして行くことになった。 するとなつくんは急に私の腕をひいて人から見えない倉庫の裏に連れ

          傷つけたくなくて深く傷つけた#17 なつくんとのぼる

          傷つけたくなくて深く傷つけた#16 突然のメール

          二人の受験がすべて終わり、私は、第1希望は落ちたけど第2希望に受かることができた。 なつくんも卒業式の前日に第1希望の発表があり合格することができた。 ゆう「なつくん、めっちゃすごいよー!」 なつ「ゆう、泣いてるじゃん!無理かと思ったけど、、やったー頑張ってよかった!」 ゆうとなつくんは二人ですごく喜んだ。 私も受験を最後までやりとげられたのはなつくんのおかげ、本当にありがとう。 色んなことがあった高校生活ももう終わり。 明日は最後の登校か。。 しんみりしてい

          傷つけたくなくて深く傷つけた#16 突然のメール

          傷つけたくなくて深く傷つけた#15 教室でのキス

          次の日は、なつと一緒に行った。 みーちゃんと、、まさかののぼるに会った。 みーちゃん「おはよー!ん!?え!?」 なつ「あはは、みーちゃんおはよー!」 みーちゃん「えー、そういうことになったの!?、、、お先に失礼しまーす!」 のぼるの腕をひっぱって行ってしまった。 私、何も言えなかった。 そしてのぼるのことチラッと見ちゃった。 のぼるは困ったような顔で笑ってた。 今までずっとのぼるに会うことを避けてきた。 登校時間をずらし、帰るのも。 だから全然会わなくて

          傷つけたくなくて深く傷つけた#15 教室でのキス

          傷つけたくなくて深く傷つけた#14 受験

          12/24 クリスマスイブも塾にきていた。 受験生に年末年始はない。 最後の大詰めだし。 冬休みに入って忙しくすることで私はのぼるのことを思い出さないように、心から追い出すようにしていた。 塾に来て、勉強して、帰りはなつくんと帰る。 ルーティーン化した毎日は、逆に楽だった。 模試ももうそろそろ全日程終わりを迎える。 12/25の夜 そういえばなつくん明日模試だって言ってたな。頑張ってねって言うの忘れちゃったな。 いつも特に何も言わないけど、なつくんがそばに

          傷つけたくなくて深く傷つけた#14 受験

          傷つけたくなくて深く傷つけた#13 冷たくなったカフェオレ

          次の日がが土曜日でよかった。 学校に行かなくていい。 のぼるとめるちゃんに会わなくていいから。 でも、お母さんに怪しまれないようにいつも通り塾へ向かった。 昨日の着信はみーちゃんからだった。 のぼる、みーちゃんになんて言ったんだろう。 でもとりあえず今は、何も話せる気がしない。 塾の前まできたけど、入る気がしない。 塾の前の公園は、生徒の息抜きのための場所になっていた。 とりあえず塾には入らず、公園のベンチに座った。 もう枯れ葉が落ちてる。 なんか、夢を

          傷つけたくなくて深く傷つけた#13 冷たくなったカフェオレ

          傷つけたくなくて深く傷つけた#12 馬鹿にしないで

          放課後、いつもとは違う公園についた。 ゆう「急にどうしたの?朝、言ってくれたらよかったのに。」 笑顔を向けたが、のぼるに笑顔はない。 のぼる「ゆう、本当にごめん。驚くと思うけど、、、実はめると連絡とってた。。」 その名前を聞くまで、想像してなかった。 でも頭の片隅にずっとあった小さな不安。 ゆう「え、、なんで?」 どんどん不安が自分を飲み込んでいく。 のぼる「俺、最悪なことした。めると、、」 自分でもびっくりするような大声で、 ゆう「いや!!言わないで!!

          傷つけたくなくて深く傷つけた#12 馬鹿にしないで

          傷つけたくなくて深く傷つけた#11 話したいことって何?

          始業式の日 みーちゃん「おはよー!昨日うまくいった?」 ゆう「う、うん!!みーちゃんのおかげでありがとう!!!」 みーちゃん「ゆう、、あれ、なんか綺麗になってない?」 ゆう「もぉー急に何!!!」 みーちゃんは笑いながら隣の教室へ入っていった。 私は、本当に、本当に幸せだった。 勉強も頑張って、のぼるともずっと二人で助け合ってやっていきたい。 頑張ろう。そう思っていた。 2学期になって、さらに忙しさが増してきた。 のぼるとは朝一緒に行くけど、この前の模試があ

          傷つけたくなくて深く傷つけた#11 話したいことって何?

          傷つけたくなくて深く傷つけた#10  夏休みの終わり

          あっという間に夏休みが終わろうとしてる。 毎日塾で勉強していた。そのおかげでリズムも作れて予定通り進んだ。 のぼるからの連絡は減ってる。でもみーちゃんとのぼるは同じ塾だから、毎日来てるよって報告してくれた。 でも、一日くらい会いたいよ。少しでもいいから。いいかな、、? だって夏休み最後の日は、のぼるの誕生日。 ケーキを作ってサプライズしたい。 みーちゃんにリサーチして、この日は15時に授業は終わるっていうからその時間に塾の前にスタンバイした。 友達とのぼるが話し

          傷つけたくなくて深く傷つけた#10  夏休みの終わり

          傷つけたくなくて深く傷つけた#9  受験生

          高校3年生になってみんなグラスがバラバラになった。 なつくんとのぼるは一緒のクラスに、みーちゃんと私もばらばらになった。 めるちゃんも違うクラスだ。のぼると一緒じゃなくてよかった。。 まだそこまで切迫感はないけど、学校でも受験の話題が増えてきた。 やっぱりクラスが離れてから、会える時間が減った。 みーちゃんとは廊下で時々話したりするくらい。 めるちゃんはまさとくんと一緒に帰ってるのをよく見かけた。 のぼるとは毎朝一緒に行くけど、帰りは塾の予定とかもあってなかなか

          傷つけたくなくて深く傷つけた#9  受験生

          傷つけたくなくて深く傷つけた#8 幸せな日

          久しぶりにいつものカフェにきた。 みーちゃんと私で待ってると、のぼるとなつくんが来た。 なつ「あれ?珍しい!なんかここで4人集まるの久しぶりだね!」 みーちゃん「ゆう、二人と約束してたの?」 のぼる「みーちゃんごめんな、俺がゆうにみーちゃんと一緒に来てって頼んだんだ。」 私はドキドキして心臓が飛び出そう。 みーちゃんは何か察知したのか、私とのぼるを交互に見て口を抑えてる。 のぼる「実は、俺とゆう、付き合うことになった。」 一瞬時が止まった。 なつ「えー!!!

          傷つけたくなくて深く傷つけた#8 幸せな日

          傷つけたくなくて深く傷つけた#7 涙のバレンタイン

          あっという間に放課後になった。 お昼休みにめるちゃんと話したら、今日はまさとくんのためにチョコレート作ってきたんだって。めるちゃんが彼氏の話するなんてびっくりした。打ち解けて少し話してくれるようになったのかな?お幸せに〜って言ったら恥ずかしそうに笑ってた。やっぱ笑顔のめるちゃんは破壊力がすごい。 カバンにはのぼるへのチョコレートが入ってるけど、もう渡すタイミングも元気もない。 みーちゃんと二人で食べるか。。 みーちゃんに声かけようとしたとき、 のぼるがこっちへきた。

          傷つけたくなくて深く傷つけた#7 涙のバレンタイン