傷つけたくなくて深く傷つけた#17 なつくんとのぼる


全然眠れなかった。

でも卒業式、なつくんと行く約束してる。

なつ「おはよう、ゆう。今日で一緒に行くの最後かー。」

ゆう「おはよう。本当だね。」

元気出そうと思ったけど、出ない。

なつ「もうセンチメンタルな気分なの?はやいぞー!」

なつは笑ってたけど、私は笑えなかった。

昨日のことで頭がぐちゃぐちゃになってる。

何の話をしたかも覚えてないけど、

最後だしってことで少し遠回りして行くことになった。

するとなつくんは急に私の腕をひいて人から見えない倉庫の裏に連れて行った。

首筋の見えないところに強くキスをしてきた。

なつ「お守り。」

そう言ってニコッとしたなつくんは、いつものなつくんとは別人のようだった。

私のこと見透かしてる。

強く抱きしめられた。

なつ「好きだよ。」

なつの目からは本気な思いが伝わってくる。

なつくんはわかってるんだ、私が揺れていること。

私は、、どうすればいいのか急すぎて自分の気持ちが分からない。

のぼるのこと忘れたって思ってた。

でもそれは間違いで、のぼるへの気持ちに蓋をしてた。

また蓋が開いてしまったら、あの頃と同じ。

開いてしまった蓋は、どんどん前のことを思い出させる。

人には間違ってると言われるだろうけど、二人のことを傷つけたくなくて、、一人は寂しくて。

これが逃げだってこと、分かってる。

でものぼるを突き放すことが、できないんだよ。。

みんなで笑ってたあの頃、辛いこともあったけど、あの頃に戻りたいよ。。

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