傷つけたくなくて深く傷つけた#7 涙のバレンタイン


あっという間に放課後になった。

お昼休みにめるちゃんと話したら、今日はまさとくんのためにチョコレート作ってきたんだって。めるちゃんが彼氏の話するなんてびっくりした。打ち解けて少し話してくれるようになったのかな?お幸せに〜って言ったら恥ずかしそうに笑ってた。やっぱ笑顔のめるちゃんは破壊力がすごい。

カバンにはのぼるへのチョコレートが入ってるけど、もう渡すタイミングも元気もない。

みーちゃんと二人で食べるか。。

みーちゃんに声かけようとしたとき、

のぼるがこっちへきた。

のぼる「ちょっと、話したいんだけど。」

ゆう「えっ、今日?い、いいけど。」

場所を変えるのかのぼるが先を歩き出したから、急いでカバンを持ってついていった。

近くの公園まで来た。

のぼるは時々私がついてきてるか確認してるけど、先を歩いて全然話さない。

ベンチに少し離れて座った。

のぼる「この前は、、ごめん。しかもそっからあんまり話せなくてごめん。」

ゆう「え、うん、もういいよ。気にしないで。めるちゃんからちょっとずつプライベートな話もしてくれるようになってきたんだよ。」

のぼる「 そっか、ありがとう。ゆうがいてくれてよかった。」

ゆう「そんな大したことしてないから、いいよ。」

沈黙が続く。。話したいことってそのこと?教室でよくない?なんか緊張して損した。

ふーっと息を吐いて景色をみてると

のぼる「なつとか他の男にもチョコレートあげたの?」

ゆう「え?見てたの?」

のぼる「なつにスゲー自慢されたよ。あいつはてっきり俺も貰ってると思ってたから。」

ゆう「のぼるも私にチョコレートもらえるって思ってたんでしょ?ゆうは俺の事気にしてるからって思ってるよね。」

はぁ、可愛くないこと言っちゃった。。

下を向く。

のぼる「ゆう、、ごめん。。俺ずっとゆうに甘えてた。甘えすぎてた。この前のことがあってからゆうが自分から少しずつ離れていってるのが分かって、、怖くなった。俺、女の子の友達はたくさんいるけど、みんな求めてるのは冗談言って、楽しませてくれる俺だけ。俺の中身を見てくれるのはゆうだけなんだ。今日なつとか他の男が、ゆうからチョコもらってるの見て、ショックだった。自分勝手なこと言ってるけど。。俺さ、めるのこと本当に好きだった。実際めるがまわりが騒いでるのにぼーっとしてるとまだ心配になる。またまわりと壁作ってんなって。でもそれとは別でゆうを他の男にとられたくないって今日はっきり分かったんだ。」

目を見て、そう言われた。

このタイミングでめるちゃんの話してる。。もう、聞きたくないのに。。そう思ったけど、話を聞いてたら涙がぽろっと出た。

のぼる「俺のそばにいて笑っててほしい。」

ゆう「、、、のぼるはさ、大事なこと言ってないよ?私のこと好きってこと?」

涙で声が震える。

のぼる「うん、好き、、だと思う。とにかく誰にも渡したくないってはっきり思ったんだ。」

ゆう「ふふ、、、なんかのぼるらしいね。かっこよさそうでちょっと本音出てるとこが。」

のぼる「それって、、どういうこと?」

ゆうは落ち込むのぼるのシャツの裾をひっぱって

ゆう「私はもう、ずーっと前から大好きだよ!」

のぼるは優しく頭を撫でて、ぎゅーっと力強く抱きしめてくれた。

ゆう「チョコ、受け取ってくれる?」

二人でカバンに入ってたチョコを食べた。

のぼる「ゆう〜、これ絶対本命のチョコじゃないだろ!」

そう言って二人で笑った。

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