傷つけたくなくて深く傷つけた#13 冷たくなったカフェオレ


次の日がが土曜日でよかった。

学校に行かなくていい。

のぼるとめるちゃんに会わなくていいから。

でも、お母さんに怪しまれないようにいつも通り塾へ向かった。

昨日の着信はみーちゃんからだった。

のぼる、みーちゃんになんて言ったんだろう。

でもとりあえず今は、何も話せる気がしない。

塾の前まできたけど、入る気がしない。

塾の前の公園は、生徒の息抜きのための場所になっていた。

とりあえず塾には入らず、公園のベンチに座った。

もう枯れ葉が落ちてる。

なんか、夢を見てるみたい。

のぼるとめるちゃんは、ずっと連絡取りあってたのかな。

私、本当に馬鹿みたい。

一人で一生懸命になって、、

何でこうなっちゃったの?

のぼるのことが好きって思ってたけど、のぼるに恋してる自分に酔ってたのかな。

ゆう「ふふふ、はぁぁ。」

横から急に声がした。

なつ「サボりの人はっけーん。てか、ゆうちゃんこえーよぉ、一人で笑ってため息ついてたよ。」

ゆう「あれー、なつくん。。なつくんも塾出てくるの早くない?」

なつ「塾の自習室行こうとしたら、朝からサボってる人がいたから、来てみた。」

なつくんは、、知らなそうだな。よかった。

同情されたくない。

なつ「これ、飲む?どうぞ。」

あったかいカフェオレをくれた。

なつくんの手にも飲み物があるから、わざわざ私にも買ってきてくれたんだね。

胸に染みた。

ゆう「ありがとう、なつくん。あーあったかいなー!!」

ちょっと大きい声で言ってみた。

なつ「ゆうちゃん、どうした?声でかいし、キャラ変わってない?そんなにあったかい?」

今のあったかいはなつくんの優しさってことだけど、それは内緒にした。

ゆう「のぼるのこと、振ってやった。ん?振られたのか。あはは。」

なつ「ゆうちゃん、、、。のぼるとー、そっかぁぁ。まぁ、のぼるはゆうちゃんの手におえるような奴、、ではないのはたしかだけどな。」

なつくん、なんか知ってたのね。

知らないのは私だけか。

言ってよって思ったけど、言えないよね。。

なつくんは悪くない。

ゆう「ですよねー!最低、最悪!もう受験に生きるしかないかー!」

なつ「ゆう、実ははっちゃけた性格だったんだな。」

ゆう「あー私のこと、呼び捨てにした!なつくんだってキャラ変わってんじゃん!」

なつ「まぁな、ずっとニコニコかわいいみたいの、無理だから。」

ゆう「だね!いい子ちゃん、もうやってられないわ。」

なつ「無理しなくていいよ、とりあえず飲んだら?」

ゆうはもう冷たくなったカフェオレを飲み始めた。


それから、毎日塾からなつくんと帰るようになった。

あてつけって言われたら、そうなのかもしれないけどなつくんには、何も説明しなくてもよかったから楽だった。

それに今は受験がもう迫ってきている。

みーちゃんには、のぼると別れたことだけ伝えた。

もう惨めな思いはしたくなくて、理由とかは濁した。

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