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お誕生日に想いを馳せる

1月17日は祖母のお誕生日。
生きていれば、90歳のお誕生日だった。

2年前、突然帰らぬ人となった祖母は、88歳の大往生だった。
家庭にあまり恵まれなかった私を、とても大切に思ってくれた、優しい祖母だった。

認知症を患い、私のことをきちんと認識できなくなったとしても、はじまりの会話がいつも同じであったとしても、ホームに行くとぱっと輝く笑顔は、私の生きる標と言っても、過言ではなかった。

祖母が亡くなって半年が経っても、ホームの近くにさえも、近づけずにいた。

もうこの世界にはいないことを、もう二度とあの温もりに触れることができないことを、思うたびに嘆き悲しんでばかりいた。

祖母のことを思い出すときに、必ずと言っていいほどに、忘れられないことがある。

「それは、人と共感できない悲しみだから。
悲しみと戦うのではなく、自分の気持ちに寄り添うことが大切。
存在が大きければ大きいほど、気持ちは振れるけど、波はいつか小さくなるから。」

職場で、恥ずかしげもなく涙が止まらなくなった私に、紡がれた上司の言葉。

悲しくてかなしくて、どうしようもなかった。
辛くてつらくて、どうしようもなかった。

でも悲しいのは祖母がすきだからで、辛いのは祖母が大切だったからで、悲しくてもいいのだと、辛くててもいいのだと、その時初めて、祖母の死を受け入れることができたように思う。

ねえ、おばあちゃん。
お誕生日おめでとう。
元気にしてますか。

17日と25日で、また一緒にケーキ食べたいね。


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