【高校初】Webライティングの特別授業をしてきました
7月19日、岐阜県立大垣東高校さんでWebライティングの特別授業をさせていただきました。
■ この記事を書いている人
Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
大学ではWebライティングの講義を受け持っています。
私の知る限り、Webライティングの授業は全国で私のものが唯一のようで、高校での授業は初です。
7月21日には中日新聞にも授業の様子が掲載されました。
[2022/8/26追記:8月26日付け読売新聞に授業の様子が拙著(一生使える Webライティングの教室)とともに大きく掲載されました。]
高校でWebライティングの授業を実施した理由、特別授業の様子について紹介します。
Webライティングの特別授業を実施した理由
「なぜWebライティングの授業を無料で高校で実施したのか?」
社会貢献と本当に実現できるかの検証です。
Webの文章は、最も書く機会が多いにもかかわらず学校(小中高)では習いません。
中学校の国語の教科書を見てみましょう。
新課程の中学の教科書「国語」では様々な文章の型が例文付きで丁寧に解説されています。
中2の教科書にはメールの書き方まで例文付きで出てきます。
ちなみに、高校の教科書には文章の型は出てきません。
小中高では、個人個人が自分でひとつのことを研究する授業「総合」もあります。
Web上で個人が情報発信することが増えているいま、Webの文章の書き方を学ぶ必要性が高まっています。
私は大学生からこんなことを言われました。
「中学からWeb上で情報発信しはじめるから、大学では遅い」
「中学時代にWebライティングを習いたかった」
たしかに中学で学べるといいな。
その前に高校ってどうなのかな?
そこで、実際にやってみました。
高校でのWebライティングの授業
Webライティングの授業、どんな様子だったのかお伝えします。
0) Webライティングを学ぶメリット
Webライティングを習得するとこのようなメリットが得られます。
Webライティングの型は論理的な話し方の型と同じです。
書くだけでなく、話す場面でも使えます。
大学入試の面接、授業でのプレゼンテーション等、短時間で必要なことを相手に的確に伝えなければならない場面で、Webライティングの力が活きます。
大学生になってからは就職活動の面接、社会人になってからは簡潔にわかりやすく報告、伝達しないといけないシーンでもWebライティングの力が役立ちます。
Webライティングを習得することにより、みなさんの人生がより明るいものになるでしょう。
1) Webと紙の違い
Webと紙ってどんな違いがあるのでしょうか。
実際に各自タブレットを触って感じたWebと紙の違いをみんなの前で発表してもらいました。
■ Webの特性
閲覧環境により見え方が違う。
視界が限られている。
視線の動きに特徴がある。
Webの特性を考慮すると、Webではどう書いたらよいのでしょうか?
2) Webの文章の型
代表的な2つのWebの文章の型、PREP法(プレップ法)とSDS法(エスディーエス法)について学びました。
PREP法 「面接、プレゼンテーション」等に使える説得力のある構成
SDS法 大勢の前で「スピーチ」するときに使える事実を伝える構成
PREP法、SDS法、どちらも結論から先に述べる点は同じです。
私の説明の後で、実際にWebの文章の例文を生徒さんに声に出して読んでもらいました。
声に出すことが大事です。
私は大学院時代、東京外国語大学出身でNHKラジオ講座の講師もされている先生から語学を教えていただきました。
先生の教え
「言葉ができるようになりたければ話しなさい」
私は「話す」ことにより外国語を習得しました。
文章の書き方を説いた代表的な本、谷崎潤一郎さんの『文章読本』(初版1934年)では「音読の大切さ」を伝えています。
声に出して読むことにより脳のトレーニングにもなります。
東北大学の川島教授によると「音読は脳を活性化させる」。
言葉の学習ですから「話す」ことは大事です。
◆学習到達度テスト
授業後のアンケートという名のテストでは全員全問正解。
公立高校で問題なく実現できる内容であることが実証できたかと思います。
大学の最初の授業で伝えていることと全く同じことを高校でも話しました。
「ITという分野においては、生まれながらにしてWebに囲まれて生きてきたみなさんのほうが、いまの時代に即した順応性、発想力、感性があります。
みなさんのほうが私より頭がいいと思います。
ぜひみなさんの力を世の中の役に立ててください」
高校での授業は、私に多くの学びを与えてくれました。
大垣東高校のみなさん、ありがとうございました!
Webライティングの授業の全体像
高校の授業時間である50分で行なった今回の授業内容は「Webの文章の型」。
「Webライティングって文章の型を習うだけなんだー」
違います。
全体像について補足します。
■大学の授業
メディア表現論/1コマ90分、15回
課題あり(平均毎回1~2時間)※次週の授業前日までに提出。
メディア表現論とは、Webライティングの授業のことです。
講義と演習を交えて進行します。
調査からライティングまで全工程を各自行ないます。
テーマは、自分の好きなこと。
自分の好きなこと、かつ世の中の人が求めることを書きます。
自分の書きたいこととユーザの知りたいことの重なる部分を書くイメージです(下図)。
世の中の人が求めることはWebツールを使えば簡単にデータが得られますので、授業中に解説します。
その上で、「オリジナリティの高い内容」を企画し書きます。
【授業の流れ】
Webライティングの基本(説明)
検索エンジンで上位表示させる方法(説明)
キーワード調査
調査分析
企画立案 ※「文章の型」はこの段階で学びます。
情報収集
Webライティング
Webライティングの見直し
Web記事タイトルの作成
画像の作成
■前期の授業を振り返って
大学では7月21日が前期の最終授業日でした。
「オリジナリティにこだわり絶対世の中にないことを追求しました!」と気迫に満ちていて、みんな研究レベルになっていました。
1記事1万文字突破しているものもあったり、平均6000文字くらいであったりと、大作になっています。
レベルが高く、全員一番良い成績にしたいと思う作品ばかりでした。
成績をつけるのが心苦しいです。
まとめ
2022年7月19日、高校としては全国初となるWebライティングの特別授業を実施しました。
Webライティングの特別授業を実施した理由は大学生の言葉「中学時代にWebライティングを習いたかった」。
まず高校で検証。
検証結果、高校で通用した(全員全問正解)。
最後に大学の授業の全体像を紹介。
今回のWebライティングの特別授業「Webの文章の型」が、Webライティングの流れ(全体像)のどこに位置するものなのかお伝えするために、大学の授業の流れ(全体像)も紹介させていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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