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【映画語り】タイムマシンに乗って

夏だ、SF映画を見よう!
ということで!SFの代表的なテーマの1つであるタイムトラベルを扱った作品をいくつかご紹介しつつ、タイムトラベルといっても、作品ごとに概念というか考え方が違ったりもして、その点についても僕なりの意見も添えてお届けします!

※若干というか、まあまあのネタバレを含みます。ご了承ください。


■バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)

-あらすじ

主人公マーティは自身の平凡な家庭に不満を感じる高校生。ある日親友の科学者・ドクにタイムマシンが完成したことを聞かされ、深夜のショッピングモールの駐車場で実験の手伝いをすることになった。しかし、タイムマシンの燃料となるプルトニウムを入手する際にドクが騙したリビアの過激派が、実験の場に襲撃を仕掛けてくる。
ドクが銃撃されて、マーティは逃げようとタイムマシン(デロリアン)に乗り込む。しかし誤って次元転移装置を起動して、なんと30年前の1955年11月にタイムスリップしてしまった。マーティは1955年のドクに会い、さらに若き日の父や母を巻き込み、自身の来た本来の1985年に戻るため奮闘する。

https://newsphere.jp/culture/backtothefuture/

-僕の思い出

言わずとしれたタイムトラベル金字塔の映画です。
※以降はBTTF(略称)と表記。
タイムトラベルと言えば、BTTFを思い浮かべる人も多いかと思います。
僕も好きなタイムトラベル映画を聞かれたら、真っ先に名前を挙げます。

両親も映画が好きだったため、子どもの頃からレンタルビデオ屋でVHSを借りて家族で観ていた思い出の作品でもあり、2016年に残念ながらクローズしてしまいましたが、USJにアトラクションがあったので行った際には何回も乗った記憶があります。
※結構酔うアトラクションのようで、両親はグロッキーになっていました(笑)

-シリーズ3作品

シリーズとしては全三作です。
三作のざっくりのざっくり概要は以下の通り。
PART 1から3までが一貫して一つのストーリーとなっているため、途中から見ても楽しめますが、できれば最初から見たほうがより楽しめるかと思います。

  • BTTF PART1:1985年から1955年へ。自分と同じ年頃の両親と遭遇。

  • BTTF PART 2:1985年から2015年へ。未来の自分や子供たちと遭遇。

  • BTTF PART 3:色々あって1955年から1855年へ。自分の先祖と遭遇。

-デロリアン

BTTFといえば、デロリアン。デロリアンといえば、BTTF。
タイムマシンがまさかのスポーツカーであることに、当時幼い自分も衝撃を受けました。
タイムマシンといえば、ドラえもんのタイムマシンやもう少し機械的というか、近未来的なものをイメージしたからです。

作中でドクことエメット・ブラウン博士も「かっこいいほうがええやん」と言っており、シンプルな理由ながら「たしかにな!」と思わされますね。

-タイムトラベルの考え方(過去を変えれば、未来も変わる)

冒頭にも少し触れましたが、タイムトラベル映画はそれぞれタイムトラベルについて捉え方が違います。
完全にネタバレですが、主人公のマーティは、過去にタイムトラベルした際に自信なさげな頼りない父親を変えて、それが現在にも反映され、冴えない家庭が立派になっている…など、BTTFのタイムトラベルの考え方は「過去を変えれば、未来も変わる」です。

これは皆さんご存知のドラえもんと同じ考え方ですね。
のび太の子孫であるせわし自分の環境(現在)を良い方向に変えたいため、現在の悪環境の原因でもある先祖のび太のもとへドラえもんを送り込み、のび太を良い方向へ導き、未来(せわしからすると現在)を変える…が物語のはじまりです。

タイムトラベルといえば、「過去が変われば、未来も変わる」が根付いているのかなと個人的には思います。
そもそもタイムトラベル自体がSF、非現実的なので一番シンプルでワクワクする考え方で僕は好きです。

恐らく、多くのタイムトラベルを題材とする作品が、BTTFやドラえもんと同じ考え方をとっているかなと思います。

■アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)

-あらすじ

最凶最悪の敵“サノス”によって、人類の半分が消し去られ、最強チーム“アベンジャーズ”も崩壊してしまった。はたして失われた35億の人々と仲間を取り戻す方法はあるのか?大逆転の確率は、1,400万605分の1…。 わずかな希望を信じて再び集結したアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーたちに残されたのは、最強の絆だけ──。“今はここにいない”仲間のために、最後にして最大の逆襲が始まる!

https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame

-長い道のり(MCU 22作目)

映画史に残る名作として、「アバター」に次ぐ2位の興行収入を誇るアベンジャーズ/エンドゲーム。
日本国内においては、以前はマーベルやDCの違いも曖昧な人が多かったかと思います。過去にあまりアメコミ映画に興味がない友人からアベンジャーズ(2012年)が公開された頃に、スーパーマンやバットマンは出ないの?と聞かれたことがありましたが、アイアンマン(2008年)からはじまったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の影響でだいぶ認識の交通整理がされたかなと思っています。

さて、本題のエンドゲームですが、MCUフェーズ3の集大成。
MCUでは22作目、アベンジャーズシリーズでは4作目、エンドゲームをちゃんと理解して観ようと思うと、かなり長い道のりです…。
もちろん、エンドゲームを理解するだけであれば、22作を見る必要はないかなと個人的には思いますが、アベンジャーズシリーズ4作目は絶対見てほしいところで、メインのキャラクターの単体作品などを見ようと思うと合計で10作程度はあるため、やはりハードルは少し高めとなっています。

-インフィニティ・ウォー(2018)で消えてしまった人たち

エンドゲームは、インフィニティ・ウォー(2018)でサノスがインフィニティ・ガントレットを使った指パッチンで消えてしまった人たちを生き返らせれないか?からスタートします。
キャプテン・アメリカをはじめとする生き残ったメンバーでインフィニティ・ウォー(2018)のラストに姿をくらましたサノスを探し出し、インフィニティ・ガントレットを奪い、今度は自分たちで指パッチンをしようと考えますが、サノスが既に2度目の指パッチンをして、インフィニティ・ストーン(インフィニティ・ガントレットについているパワーストーン)を破壊していました。
「こんなもん無い方がええわ」
というお前が言うんかい、というツッコミ待ちのような理由からです。
そのため、消えてしまった人たちを生き返らせる望みは絶たれてしまったのです。

インフィニティ・ガントレットを装備したサノス

「ああ、もうあかんやん」とキャプテン・アメリカたちはなり、その後5年の歳月が経ちます。
細かい説明は省きますが、紆余曲折あり「なんかタイムトラベル出来そうかも?」ということで試行錯誤を重ね、アイアンマンことトニー・スタークがタイムマシンを開発します。そして、過去に戻ってインフィニティ・ストーンを集め、もう一度指パッチをしてみんなを生き返らせよう!となるわけです。

-タイムトラベルの考え方(過去を変えても、未来は変わらない)

エンドゲームの劇中で、ウォーマシンことジェイムズ・ローズ大佐がハルクことブルース・バナー博士にこう尋ねます。

訊いていいか?戻れるなら、いっそのこともっと昔に戻って、赤ん坊のサノスを見つけてさ…(首を絞めるジェスチャー)

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)

それに対して、ブルース・バナー博士は答えます。

残酷すぎる!それに時間の仕組みを誤解している!
過去を変えても未来は変わらないんだ!

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)

劇中でハッキリと明言され、それを聞いたアントマンことスコット・ラングやホークアイことクリント・バートンも色々タイムマシン映画の名前を挙げ、その中にはそれこそBTTFもありましたが、全て間違っていると一蹴されてしまいます。アントマンも「BTTFはデタラメなの…?」と驚きを隠せません。

ブルース・バナー博士曰く、

過去を旅すると、過去は君たちの未来になる。
そして現在は、君たちの未来になる。
新しい未来が出来ても変わることはない。

アベンジャーズ./エンドゲーム(2019)

MCUの量子物理学としては、過去を変えると、自分たちがいた時間軸とは別の新しい未来が生まれるだけで、自分たちがいた時間軸の現在に変化はないということです。なんとも難しい…。
言葉だけだと分かり難いので、簡単にまとめて頂いているWEBページから以下を引用させていただきました。

※以降、MCUではこの時間軸の枝分かれを題材としたマルチバースが展開されていきますが、それはまたの機会にしたいと思います。

BTTFやドラえもんのような過去を変えて、現在も変えるを真っ向から否定する考え方ですよね。
この考え方のほうがしっくり来る気もしますが、タイムトラベル映画のお決まりのハッピーエンドが通じないため、少し寂しい気もしますが、これこれで新鮮で映画館で感動したのを覚えています。

■タイムマシン(2002年)

-あらすじ

1890年代のニューヨーク。大学教授のアレクサンダーは、ある日、婚約者のエマを暴漢に殺されてしまう。現実をどうしても受け入れられないアレクサンダーは過去に遡ってエマを救い出したいとの一念で、ついにタイムマシンを発明してしまうのだった。しかし、エマの死んだ日に戻ったアレクサンダーはそこで、エマの運命そのものはどうやっても変えようがないことを知る。諦めきれないアレクサンダーはその理由を解き明かすため、今度は一転、未来へ向け時間移動し2030年の世界へと降り立つのだったが......。

-小説が原作

ハーバート・ジョージ・ウェルズにより1895年に発表された「タイム・マシン」が原作の映画です。
H・G・ウェルズが原作の映画は、スピルバーグの「宇宙戦争(2005年」もその一つで、主演がトム・クルーズということもあり、僕自身はこちらのほうが正直記憶に残っています。

-タイムトラベルの考え方(運命は変えられない)

あらすじの通り、主人公アレクサンダーは殺された恋人エマを救うために、過去に戻って死を回避するために行動しますが、何度やってもエマには死という運命が訪れて、その結果、「ほな、過去に戻ってダメなら未来に行くか」と血迷ってしまうぐらいに運命(過去)は変えられないことが強調されています。

エマは〇〇〇〇年〇月〇日〇分〇秒に死ぬことは決定事項であるため、多少の過程は変わったとしても結果はどれも同じになるようです。

BTTFの場合は、過去に戻って死んだエマは救えるし、未来では幸せな家庭が築けてるというハッピーエンドでしょうし、エンドゲームの場合だと過去でエマは救えるけど、元いた時間軸では死んだまま。だけど、エマが生きている時間軸があるので、まあまあハッピーっていう感じでしょうか。
この映画の場合は、かなり報われないタイムトラベルになっています。

その後の細かい説明は省きますが、ヤケクソで未来にタイムトラベルして、80万2701年に辿り着きます(笑)紆余曲折あり、地底人みたいなのと戦って、その後未来に腰を据えることにし、最終的には「過去や未来に囚われず、現実見て生きていこうぜ」的な大谷翔平もビックリなフルスイングで終わります(笑)

内容としては、「うーん…」な映画ではありますが、タイムトラベルの考え方自体は興味深いのでご紹介させていただきました。

■沢山あるよ、タイムトラベル映画

今回は3作ピックアップしてご紹介しましたが、タイムトラベル映画ってめちゃくちゃありますよね。

ブルース・ウィルス兄貴主演の「12モンキーズ」

我らがシュワちゃん主演の「ターミネーターシリーズ」

きゅんきゅんなラブストーリーの「アバウト・タイム」

日本映画では、今では豪華共演の「サマー・タイムマシン・ブルース」

などなど…、挙げ始めたらきりがないぐらい沢山あります。
逆に「これも面白いよ!」などあれば、是非コメントで教えていただけると嬉しいです!

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