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「ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!」

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最近の記事

📚本旅記録📚 - 香川編 -

あっという間に一週間経ってしまった。 長年かけてGoogleマップに立てた香川県内のフラグを全回収する心意気で作成したプランは、明らかにあるかなきかの体力に頼り切ったものだったけれど、持ち前の“詰めの甘さ”ゆえ行けなくなってしまった場所やローカル線の洗礼のお蔭で程よいゆとりができ、振り返ってみると自分的にカンペキな旅だった。 ◎仏生山温泉 「湯船に本の持ち込みOK」な温泉ということでずーっと気になっていた。濡れても気にならないようにと浴場までの壁面には200円均一の古本が

    • 凝視する

      ヴィム・ヴェンダース「PERFECT DAYS」の劇中歌プレイリストを作って毎日のように聴いてしまう。    そんな「PERFECT DAYS」熱の冷めやらぬ中、この詩集に触れ、意図せずしてそれらを繋ぐ水脈を見る。    そもそも「ドゥイノの悲歌」を知ったきっかけがヴィム・ヴェンダース(ベルリン・天使の詩)だった。   リルケの詩の表現や世界観が大好きだ。しかし、特に詩の勉強とかをしてこなかったので、解釈にはつねに「?」付きで、現代アートのように好きなように捉えてしまっていた

      • LOST IN...

        とりとめもなく始めてみる。 とにかく始めてみる。 つねづね行きたいと思っている場所にどんどん行ってみる。 たとえば、朝の船場センタービル。 地下に軒を連ねる飲食店の中に、いくつかいい雰囲気の喫茶店があるのをあなたは知っている。 たとえば、何もすることがない休日に、そのうちのひとつで朝を過ごしてみる。 店は7時開店。遅くとも9時には到着していたい。これを機に、休日は好きなだけ寝ているべきだという価値観を改めてみてもいいだろう。(平日早起きしているのだから、休日まで早起き

        • バートルビーの上司の多様性への柔軟さ

          10月になりましたね。 まだ気持ち的には5月くらいなんですが。 何でこんなに時すぎるの速いんやろか。 図書館で「書記バートルビー」を読む也。 噂は予々聞いており、読む前からバートルビーの人物像は大体出来上がっていたのだが、改めてちゃんと読んでみて、バートルビーという人間は、分析すればいくらでも枝分かれしていきそうな、こちらの興味を強く惹きつける人物であった。 その深みへはこれからハマるとして、読みたてほやほやの本日は、その周りの人物について感想を述べてみたい。 (本が手

        📚本旅記録📚 - 香川編 -

          夏休み2022〜笑う新潟のマーキー編〜

          このあいだ母と二人で大人の夏休みを満喫してきた。 毎年9月ごろに、遅めの夏休みということで、母とどこかしらへ旅行している。 旅行が終わると、次回の旅行プランが約1年かけて決められる。 そうして決められた今年の旅先は、新潟県。最大の目的はあの「大地の芸術祭」である。ずっとずっとずーっと行きたかったやつだ。 まず、現地への交通手段で難儀した。 大阪から芸術祭の会場となる十日町市へ行くには、飛行機か鉄道のどちらかの方法になる。 9月は台風の時期で早々と飛行機に決めてしまう

          夏休み2022〜笑う新潟のマーキー編〜

          読書家を侮るなかれ

          本屋さんや古本市は2周以上するのがマイルール。 1周目はつねづね欲しいと思っていた本を探す。 2周目は見落としがないかのチェック。 調子が良ければ3周目へ。びびっとくる本があるか見てまわる。 本好きなら皆さん経験があるかもしれないが、本屋乃至古本市での長居というのは、なかなか過酷。なかなかの体力勝負。 基本的に立ちっぱ→足腰にくる 文字を追いまくる→眼精疲労(ひどい時は頭痛) 集中する→水分補給・排尿機会の減少 古本市は屋外が多い→暑い・寒い こうして文字に起こしてみる

          読書家を侮るなかれ

          天使になったヴァレリー

          ヴァレリーは画家のドガに「天使」と呼ばれていたらしい。あの可愛らしいイメージの「天使」ではなく、この世と無縁な存在であるという意味での、天使👼 そんなヴァレリーの代表的作品「ムッシュー・テスト」と「精神の危機」を読みました📚 方やヴァレリー唯一の小説と言われているもので、「テスト氏」なる存在と非存在のあわいの人物との対話、氏の周辺人物の手紙、カイエ(断片的な記録)などの集積、方や、大衆に向けて書かれた文書たちということで、 この2冊はヴァレリーの“内と外”と言えるんでは

          天使になったヴァレリー

          謎の本

          佐山尚一が書いた「熱帯」は“謎”の本であるという。 “謎”にもいろいろあるけれど、古本もなかなか謎深い本だと思う。 これから私がお話する古本は、古本は古本でもただの古本ではない。 Amazonでは「中古商品-可」の品質表示がされ、商品説明にはだいたい「読むには問題ありません。」の文言がある。そういう古本のことを指す。 そういう古本が何故謎深いのか。 それは前の持ち主の色んなものが残っていることが多いからである。 線引きやメモなどの書き込みをはじめ、栞代りのチケット

          謎の本

          下鴨納涼古本まつりに行くなり。

          2021年8月15日 下鴨納涼古本まつりに行くなり。 昨晩、突然浮上したある考えのせいで、このプランを確固たるものから位置選択肢にすぎないものにしてしまった。そのせいであまり眠れなかった。本当に自分は何故こんなことでこんなに悩むのか本当に嫌になる。 突如浮上したアイデアというのが、本を買わないということ。図書館へ行って会員証を作れという神からのご宣託があったのだ。何故だかこっちに惹かれた。このごろ、本が増えていくことに少しうんざりしていたのだ。好きな本は手元に置いておき

          下鴨納涼古本まつりに行くなり。

          ●月×日

          古本屋さんでドン・キホーテを買う。 岩波文庫ので、全部で6冊。 正編×3、続編×3もあるの知らなかった。 セオリー通りに正編1から読む。 物語の本題に入る前に解説がある。 ネタバレするかもと思い、飛ばそうかとも思ったけれど、これを読まないと内容分からなくなるかもよ、みたいな脅し文句があったので、読む。 古本の醍醐味だと私が信じていることの一つに、前の持ち主の書き込みがある。 この本もその例に漏れず、書き込みがある。 それもかなり熱心な書き込み手のようで、傍線の他に、行をま

          ●月×日

          正欲。

          引きこもりは長編小説にのめり込むに限ります。 しかし、どっぷりハマるには、いささか険し過ぎる世界だったかも。 そしてその世界は、この世界と一々一致するから、堪らない。 「多様性とは、都合よく使える美しい言葉ではない。自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ。時に吐き気を催し、時に目を瞑りたくなるほど、自分にとって都合の悪いものがすぐ傍で呼吸していることを思い知らされる言葉のはずだ。」 話題作なので、沢山の人がインスタ、Twitterで読了投稿をしておられるのをお見受

          正欲。

          「贈与」を見つける

          今年は124年ぶりの節分ですね、2/2。 去年の末にかけて大変素晴らしい著書を読みましたので、今回も2冊同時に力尽くでレビューしていきたく候。 まずこちら2冊を手に取ったそもそもの理由ですが、 雑誌GINZAの編集者に通称koさんという方がいらっしゃいます。 koさんのことは、もともと彼女のファッションが好きでインスタもフォローしてチェックしていました。 見る人をハッピーにするそのファッションセンスもさることながら、彼女はかなりの読書家であるらしいことを最近知りました。

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          2020ベストリード📚

          2020年は60冊読みました。 2019年の2.5倍です。 コロナってこともあったけど隙間時間見つけたらすかさず本読むようになってもう仕事とご飯の時以外本読んでるといっても過言では無いくらい本読んでました。(その割に60冊は少ないな〜) そして去年はエッセイとかヘラヘラしたの多めやったけど、今年は実用書多めで一冊一冊内容がかなりずっしりしていました。 本を読めば読むほどそれに関連する本が読みたくなって数珠繋ぎ式に芋づる式にもう止まらない。 一ヶ月の書籍代は直近6ヶ月で平均8

          2020ベストリード📚

          アートの行方

          師走。 ちかごろ政治経済に興味が沸くという私史上未だかつて無い状況にある。 それだけでなんとなく自分がまた一段と成長したような気になり、とても気分が良い。 まったく興味が持てなかった分野に踏み出せたのは、大好きなアートのお蔭と言っても過言では無い。アートは今も昔も私の人生に寄り添ってくれている。 ひとえに“アート”といっても色んな在り方があるだろう。 定義されるものではない、触れることのできない哲学的なものであり、ビッグマネーを動かす換金性の高いものでもある。 捉えどこ

          アートの行方

          点と点を つなぐ日々。その3

          とまああっという間に前回から日が経ち本日は既に5月。 「その1」を書いたのが緊急事態宣言出て10日後ぐらいで今日は当初期日とされていた日だから、あっちゅうまでした。 何事もなかったかのように「その2」から線をつないでいこうと思う。 なんでプロテスタントが出来たのかというと、歴史の一ページを飾っているかの”宗教改革”がきっかけ。 わたくしは小学校~最近までありとあらゆる歴史という学問が苦手で、宗教改革も「聞いたことあるな」ぐらいの認識やったんですが、「オリジン」を読んだ

          点と点を つなぐ日々。その3

          点と点を つなぐ日々。その2

          さっそく(やっと)ダン・ブラウンさんの小説「オリジン」について、思ったこと感動したことただただ好きなことを好きなだけ書いていこうと思う。脱線は多々あると思う。それが旅の醍醐味だと思う。(以下敬称略) まず簡単にストーリーのご紹介を僭越ながらさせて頂きますと、ダン・ブラウンの小説には、江戸川乱歩の明智小五郎、東野圭吾の加賀恭一郎、京極夏彦の中禅寺秋彦的存在であるロバート・ラングドンという人物がいる。ラングドンは大学の教授で、物語の主人公。そして彼と同じくらいダン・ブラウン小説

          点と点を つなぐ日々。その2