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『シン・ウルトラマン』を、人間を通じた寿命の観点から考察し、「ヤチヨ作戦」の可能性を探る


 

 

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注意

特撮テレビドラマ

『ウルトラマン』

『ウルトラセブン』

『帰ってきたウルトラマン』

『ウルトラマンティガ』

『ウルトラマンダイナ』

『ウルトラマンガイア』

『ウルトラマンコスモス』

『ウルトラマンネクサス』

『ウルトラマンマックス』

『ウルトラマンメビウス』

『大怪獣バトル』

『大怪獣バトルNEO』

『ウルトラゼロファイト』

『ウルトラゾーン』

『ウルトラマンギンガ』

『ウルトラマンギンガS』

『ウルトラマンX』

『ウルトラマンオーブ』

『ウルトラマンジード』

『ウルトラマンR/B』

『ウルトラマンタイガ』

『ウルトラマンZ』

『ウルトラマントリガー』

 

 

特撮映画

『ULTRAMAN』(2004)

『ウルトラ銀河伝説』

『ベリアル銀河帝国』

『ウルトラマンオーブ 絆の力、お借りします』

『シンゴジラ』

 

特撮オリジナルビデオ

『ウルトラセブン』(平成版)

『古代に蘇る巨人』

『ダークロプスゼロ』

『キラー ザ ビートスター』

 

 

漫画

『ウルトラマンTHE NEXT』

『ULTRAMAN』(清水栄一ほか)

『ドラゴンボール』

『ドラゴンボール超』

『銀魂』

『NARUTO』

 

 

 

小説

『ウルトラマンF』

『ウルトラマンデュアル』

『妖怪大戦争』

『二重螺旋の悪魔』

『魔術』(芥川龍之介)

『杜子春』(芥川龍之介)

『マン・トラップ』

『テュポーンの楽園』

『カムナビ』(梅原克文)

 

 

 

テレビアニメ

『ドラゴンボールZ』

『ドラゴンボール超』

『ドラゴンボールGT』

『銀魂』

『新世紀エヴァンゲリオン』

 

 

アニメコミックス

『ドラゴンボールGT 悟空外伝!勇気の証は四星球』

 

アニメ映画

『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』

『シンエヴァンゲリオン劇場版』

『ドラゴンボール超 ブロリー』

 

これらの重要な情報を明かします。

 

 

 はじめに

 『シンウルトラマン』に関して、私は幾つかの予測をしています。

 そこで、今回は「寿命」の観点からの考察を書きまとめます。

 

 当たらずとも遠からず、になる予感をしています。

 

 

 

2022年4月25日閲覧

 

 

 

 

 

『ウルトラマン』の「命をあげよう」

 

 

 まず『ウルトラマン』では、自分の事故で「地球人」のハヤタを死なせた「M78星雲の宇宙人」が「私の命をあげよう」と言い、ハヤタに「君はどうなる」と尋ねられた相手は「君と一心同体になるのだ」と返しました。

 そして、「困ったときに使え」と指示されたベーターカプセルでハヤタが「宇宙人」に変身したあと、戻ったハヤタが「ウルトラマン」と呼び始めました。しかし、ハヤタと宇宙人の意識の区別は劇中で難しく、宇宙人が「ウルトラマン」と名乗ったのか、ハヤタが名付けたのかは曖昧です。

 のちの展開でも、ゾフィーは「ウルトラマン」と呼び、『ウルトラマンメビウス』ではウルトラの父の説明が「我々を地球ではウルトラマンと呼ぶ」という曖昧な表現でした。

 いずれにせよ、一心同体となり、区別の曖昧となったウルトラマンは、ゼットンに敗れたとき、「ハヤタは立派な人間だ。犠牲には出来ない」、「私は2万年も生きた。地球人の命は短く、ハヤタは若い」と話しています。

 ウルトラマンも光の国の宇宙人としては若く、まだ寿命が長いにも関わらず、数十年しかないハヤタの寿命のために命を差し出そうとしたのです。ハヤタも、事故で自分を死なせた相手の「命をあげよう」で相手を心配するのですから、確かに「立派な人間だ」という余地はあります。

 (のちに初代と呼ばれる)ウルトラマンは、自分の目線で数十年しか残されていない、(おそらく20代の)ハヤタの寿命のために、生きた年数は長いものの残りも長いはずの自分の寿命を犠牲にする気だったのです。

 

個人として縮めつつ、全体として延ばす

 

 

 そして、逆にウルトラマンの寿命が人間により、逆説的に延びる可能性があります。「遺伝子レベルで引き継がれる」ことです。

 『ウルトラマンティガ』では、「星雲から来た」巨人に関わる遺伝子が3000万年前の地球の超古代文明から現代に引き継がれ、その人間が光になり、巨人の体である石像を復活させてウルトラマンティガとなりました。

 巨人の本来の寿命より長く、人間の遺伝子を通じて「ウルトラマンティガ」が生き延びた可能性があります。

 月刊ヒーローズ連載の漫画『ULTRAMAN』にも似ています。

 なお、紛らわしいのですが、『ウルトラマン』をリメイクした2004年の実写映画『ULTRAMAN』での敵は人間と融合して遺伝子レベルで変異させましたが、ウルトラマンの方はどうか曖昧でした。その漫画版『ウルトラマン THE NEXT』では、「ザ・ネクスト(ウルトラマン)の方は人間を遺伝子レベルでは変化させていない」としていますが、こちらではその発言をした人間に技術的な誤認も見られるため、断定は出来ません。

 『ウルトラマンF』では、『ウルトラマン』で初代に関わったある人物が新たなウルトラマン「F」となりましたが、一卵性双生児が重要な鍵を握るため、その遺伝子も重要かもしれません。

 いずれにせよ、仮にウルトラマンの能力が人間の遺伝子に組み込まれれば、ウルトラマンは逆に人間を通じて、本来のものを超える寿命を手にするかもしれません。

 

 

『ドラゴンボール』と『ウルトラマン』

 

 たとえば、『ドラゴンボール』で、単独で「人間が2本の足で立つ頃」からの単位の寿命を持つ可能性のある魔人ブウは、能力の一部が「悪の化身」として倒され、その生まれ変わりが強さを引き継いだ地球人「ウーブ」となりました。本体は心を改め、ウーブは最初から穏やかに暮らしています。

 そして『ドラゴンボールGT』ではウーブを助けるためにブウが一体化し、その寿命は地球人のものに縮んでしまった可能性があります。しかし、遺伝子レベルでは、ウーブの子孫を通じて、ブウの能力を地球人の中に残すことで本来のブウ単独より長く生きられた可能性もあります。

 孫悟空も、『GT』ではドラゴンボールと一体化して、単なる人間としては生きられなくなったものの、逆に永遠の命を得た可能性があります。そして100年後の子孫に出会っています。ただし、ドラゴンボールと一体化しているので、ドラゴンボールが管理するナメック星人に引き継がれる限りの命かもしれません。

 その悟空の子孫は、魔人ブウやウーブに関わるミスター・サタンの子孫でもあります。

 


2022年4月25日閲覧 

遺伝子の寿命と個人の意識の寿命

 

 

 

 「遺伝子に意識が宿るわけではないのだから、ウルトラマンの子孫のようなもので、初代ウルトラマン個人の寿命にはならないだろう」という反論もあるかもしれませんが、ここである例を挙げます。

 『二重螺旋の悪魔』では、「遺伝子の中に個人の意識が閉じ込められている」設定があります。

 なお、『ティガ』オリジナルビデオ版「古代に蘇る巨人」では、本編の主人公のダイゴ個人の「記憶遺伝子」という独自の概念が、息子のツバサに引き継がれている可能性が指摘されました。

 『二重螺旋の悪魔』では、人間のDNAに封じ込められていた怪物が、バイオテクノロジーで復活し、逆に人間を「みんな」DNAに閉じ込めようとしました。

 主人公の元バイオ学者は、自分がそうなりかけたとき、「これは俺がさんざん生物にやってきたことの報いだ」としています。

 また、そののちの敵の1体は、人間に意識を電子媒体に閉じ込められ、無数に複製されては再生されて尋問されるのを繰り返しました。

 また、電子媒体で『NARUTO』の月読や芥川龍之介の『魔術』や『杜子春』のように、主人公も果てしない体感時間に閉じ込められましたが、「俺は今まで、死んでも迷惑をかけた人間に会いに行けると楽観的だったが、この時間の中で仮に死んでも、あの世に行く頃には狂っているかもしれない」という独特の恐怖を味わいました。しかし、それは先述した敵の状況にも似ています。

 それについて私個人は、『ドラゴンボール超』において死亡してあの世の地獄に閉じ込められたフリーザが、生き返ったあとの『超 ブロリー』で「死ななくても動けないのでは苦痛なだけ」と話したことを思い出します。フリーザは、原作の願いである不老不死をやめています。

 そして、これは『シンエヴァンゲリオン劇場版』のカヲルが「特殊な形でしか死ねず、生き続けるしかない」と悲観的だったのを連想します。

 仮にウルトラマン個人の意識が、人間に何らかの目的で、遺伝子に封じ込められて「死ねなくなる」とすれば、「人間の都合で、死ねないようになっても良いのか?そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」と言われるかもしれません。

 私はそれを、「ヤチヨ作戦」と呼ぶのではないかと推測しました。

 

 

人間社会の歴史とウルトラマンの寿命

 

 なお、そもそも人間のDNAが本来のウルトラマンの寿命ほど、歴史のレベルで存続するのかも怪しいのですが、『シンゴジラ』では、牧教授の記録から、暦が現実の西暦より1万年長いようなので、『シンウルトラマン』でも可能性はあります。

 元々『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』も、『新世紀エヴァンゲリオン』と異なり、西暦の描写が曖昧ですし。

 『ウルトラセブン』平成版「地球より永遠に」では、ガッツ星人により人間が改造されて、いずれ来るとされる火山活動を生き延びるのを、「人間のDNAを残す意味では有意義かもしれない」としています。

 「未来に引き継がれる永遠の命」、「愛こそが永遠だ」という台詞が、それぞれ『ウルトラマンギンガS』と『ウルトラマンオーブ』にありますが、「人間がウルトラマンの愛に甘える」、「人間の遺伝子にウルトラマンの意識が永遠に閉じ込められる」という皮肉な展開になるかもしれません。

 梅原克文さんの作品では、『マン・トラップ』が、『ウルトラマン』や『ドラゴンボール』を「長寿」で繋げるところがあります。

 そして、「乗り物に乗る方が強者とは限らない」珍しい状況でもあります。『シンウルトラマン』もそうかもしれません。

 『テュポーンの楽園』でも若さの概念があります。『カムナビ』では、「循環に閉じ込められる」という要素があります。

 

 

 

日本神話とウルトラマンと『エヴァ』

 

 

 また、日本神話ではイワナガヒメとコノハナサクヤヒメ、聖書ではアダムとイブの物語が、「人間は個人の長寿より儚い命を選んだ」というバナナ型神話に似ているようです。

 「サクヤ」は『ギンガS』にいますし、ダークルギエルはイワナガヒメのような「永遠」の要素を持ちます。

 『ティガ』は「石像」というイワナガヒメの要素と、人間による繁栄というコノハナサクヤヒメの要素を併せ待ちます。

 ウルトラマン新世代(ニュージェネレーション)ヒーローズシリーズは、『エヴァ』のユダヤ教やキリスト教の代わりに日本神話を取り入れたようだと私は捉えています。

 

2022年4月25日閲覧


2022年4月26日閲覧



相手の目線での気遣い

 

 また、『ウルトラマン』の初代のハヤタへの行動は、相手の目線で気遣いをする広い視野での利他的な精神があります。

 たとえば『ウルトラマンZ』では、主人公の20代の地球人のハルキが、幼い頃死んだ父親のいる過去にタイムスリップして自分の悩みについての答えを尋ねました。しかし父親は、明確な答えを出せなかったものの、相手が未来の息子だと気付いたようです。さらに、その過去は父親の死んだ時間に循環して繋がっていたらしく、「死ぬかもしれない」状況で父親はハルキに「また会える」と言い残して姿を消していました。これは、「仮に自分がここで死んだとしても、自分にとっての過去の自分に、息子にとって未来の息子が再会出来るから、自分ではなく息子の目線ではまた会えることになる」という独特の気遣いがあった可能性があります。

 これを振り返りますと、初代ウルトラマンは、自分の常識ではむしろ短い人生である「2万年」しか生きられず、長い寿命が残されていたのが、「地球人にとってそれはあまりに長く恵まれている」と自分の常識を疑い、自分にとってあまりにも短いハヤタの数十年の寿命を与えるために自分の寿命を犠牲にしようと考えたのです。それがゾフィーに「そんなに地球人が好きになったのか」と言わせた部分があるのでしょう。

 ちなみに、『ウルトラセブン』では、ウルトラセブンの仮の姿であるダンを、セブンと何故か区別出来ない外見の同胞が「340号、いやウルトラセブン」と呼び、「これ以上戦えば死を意味する」、「今は自分の心配をするんだ」と言っています。ちなみに彼は図鑑では「セブン上司」ですが、ダンが敬語を使っていないので、心なしか、私には「ダン自身の恐怖心や望郷の感情が投影され、自分に話しているつもりになっている」ようにも見えました。

 ゾフィーも「セブン上司」も、「あまりに地球人に合わせ過ぎている」と考えたのかもしれません。

 このように、自分と相手の異なる常識をすり合わせた優しさというのは、『ウルトラマン』にあります。

 「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」という概念は、それをどのように捉えるかが難しくなります。

 

「人間」と「地球人」

 

 そもそも、ウルトラマンは「地球人の命は短い」、「ハヤタは立派な人間だ」と奇妙な使い分けをしているところがあります。

 ちなみに、『ウルトラセブン』「ノンマルトの使者」では「人間は本当の地球人ではない」という表現がありますが、その続編「わたしは地球人」では、「地球人」、「人間」の表現が混乱していました。『大怪獣バトル』では、「地球人」は遺伝、「人間」は外見の意味合いでケイトとレイが使い分けているらしい場面があります。

 『メビウス』では、「(光の国の)ウルトラマンは元々人間に近い種族だったのが力を手に入れた」と説明され、「昔の自分達にダブらせているから地球を守っているのか」と表現されました。

 「人間」と「地球人」の使い分けに、どこまで意味があるのかは微妙ではあります。

 

 

「寿命」の「美談」と「暴力」

 

 そして、「寿命の長い強者が譲るべきだ」というのが、「美談」に見せかけた「暴力」になる例もあります。

 たとえば『妖怪大戦争』小説版で、妖怪にそのような強制をする場面がありました。原作者の荒俣宏さんは、『アラマタ大事典』で、ある種の定義で、「ポケモンやウルトラマンも妖怪のうちである」としていますから、ウルトラマンが妖怪のような立場になるかもしれません。

 初代のデザイナーである成田亨さんは、「怪獣は妖怪ではない。傷などは付けない」と主張していましたが、『コスモス』のヤマワラワや『マックス』のゲロンガは、妖怪やモンスターと怪獣の境目を曖昧にした説明があります。

 では、その「譲る」ことについての私にとっての可能性は、ウルトラマンの寿命が実験対象にされることです。

 仮に、ウルトラマンの寿命などの能力が人間に分析され、搾取される側になれば、幾つかの危険性があります。

 まず、強力な兵器の源にされることです。ただし、『ウルトラマンZ』では、『ウルトラマンR/B』のウルトラウーマングリージョの前身である怪獣に似たグルジオライデンから主人公達がロボットを作り使い続けているため、主人公側もウルトラマンに関わる存在の能力を搾取している可能性はあります。

 また、人間が長寿を求めてウルトラマンの力を吸収し、耐えられなくなり暴走することです。『ティガ』のマサキケイゴが「進化して人類を導く」ために変身したイーヴィルティガが近いかもしれませんが、マサキは変身したあと、具体的にどう活動するかの方針が曖昧でした。

 切通理作さんの『怪獣使いと少年』では、『帰ってきたウルトラマン』のウルトラマンになる「光」を「誰かを救うためというより、日常を切り裂くためのもので、切り裂いた時点で物語は終わっている」という趣旨の文章があります。

 しかし、ウルトラマンの能力を人間が使うことの多い平成ウルトラシリーズ、ウルトラマンさえ敵や怪獣の能力を使うことの多い新世代を経た『シンウルトラマン』では、「光」を手にしたあとの人間の先が重視されるかもしれません。むしろ「その先」こそ物語の鍵になるかもしれません。

 『シンゴジラ』では、「ゴジラを倒したあとの国際関係も考えるならば、核攻撃もやむを得ない」という台詞があります。

 「閉じ込められたウルトラマン」と言えば、『ウルトラ銀河伝説』から『ウルトラマンジード』にかけてのウルトラマンベリアルを思い出します。

 『シンウルトラマン』では、「禍威獣や外星人に勝利したあとのことを考えれば、ウルトラマンを人間が利用するのもやむを得ない」と言及される展開になるかもしれません。

ウルトラマンの方が感謝する「美談」がどうなるか

 

 ただ、ウルトラマンの寿命が人間の遺伝子の中で延びるならば、そもそも「償い」になるのか曖昧とも言えます。ウルトラマンの命をむしろ負担に思う人間がいる、あるいはウルトラマンの方も人間と一体化して得をするのでは償いにならない、という考え方もあるかもしれません。

 たとえば『メビウス』では、一体化しているわけではないとはいえ、ウルトラマンメビウス=ミライは死を覚悟したインペライザー戦で「ありがとうございました」と仲間のリュウに言い残し、「それは俺の台詞だ」とリュウは言っています。

 『銀魂』では長谷川や吉田松陽が、「自分が子供を助けるつもりが、逆に助けられていた」と話したことがあり、幽霊を助ける「お岩」にも似たところがあります。

 しかし、それを安易に持ち出せば、「美談」に見せかけた「搾取」や「暴力」になる危険性もあります。

 

 

 

 

 

ウルトラマンに対して出来る「甘え」

 

 ちなみに、『ウルトラマンデュアル』では、明らかな侵略者に地球人の社会が制圧されそうになり、ウルトラマンの星の聖女に味方すれば罰せられる中で、「ウルトラマンに味方して侵略者が勝てば罰せられるが、侵略者に味方してウルトラマンが勝っても罰せられない」ために、地球人は侵略者の味方を形の上でせざるを得ませんでした。

 ウルトラマンを米軍になぞらえる主張は見られますが、日本人と米軍の関係と異なるのは、地球人がウルトラマンを裏切る行動をしても、ウルトラマンは刑罰や経済制裁を出来ないことです。

 ある意味で、『メビウス』でエンペラ星人に屈してウルトラマンメビウスを引き渡そうと(→追放しようと、2022年11月26日訂正)した地球人も、「宇宙人に地球の平和を任せるのが悪い」と言いながら「地球の平和を約束する」としたエンペラ星人に頼るのは、「自分達に手出し出来る強者に屈して、手出し出来ない強者だけくじけば体面が良くなる。仮にエンペラ星人が負けてもウルトラマンが制裁することはない」と計算したのかもしれません。それは日本人が米軍にすることの出来ない「甘え」です。

 そして、『デュアル』の地球人はウルトラの聖女に「甘える」という状況でしたが、本作のウルトラマンは侵略者や怪獣にも歩み寄る姿勢や自分達の危険性を認める部分があるため、主人公の地球人は、侵略者に「お前達こそ、愛に甘えている」と断じました。

 『シンウルトラマン』では、ザラブ星人が『ウルトラゾーン』「THE LOVE」から、「愛」に言及するかもしれませんが、「ウルトラマンは人間に利用されても制裁はしないほど人間が好きになっている。人間はその愛に甘えている」という構図があるかもしれません。

 それが、「ウルトラマンの寿命を人間が利用する」から思い付く可能性です。

 

 

まとめ

 これらから、『シンウルトラマン』と人間とウルトラマンの寿命の関係を予測して考察しました。人間の短く引き継がれ続ける命の遺伝子にウルトラマンの意識が組み込まれる展開が起こり、そこに良くも悪くも何かがあるかもしれません。仮にそれを私は「ヤチヨ作戦」と呼びます。

 

 

 参考にした物語

特撮テレビドラマ

樋口祐三ほか(監督),金城哲夫ほか(脚本),1966-1967,『ウルトラマン』,TBS系列(放映局)

野長瀬三摩地ほか(監督),上原正三ほか(脚本),1967 -1968(放映期間),『ウルトラセブン』,TBS系列(放映局)

東條昭平ほか(監督),上原正三ほか(脚本),1971-1972,『帰ってきたウルトラマン』,TBS系列(放映局)

村石宏實ほか(監督),長谷川圭一(脚本),1996 -1997,『ウルトラマンティガ』,TBS系列(放映局)

村石宏實ほか(監督),川上英幸ほか(脚本),1997 -1998(放映期間),『ウルトラマンダイナ』,TBS系列(放映局)

根本実樹ほか(監督),武上純希ほか(脚本),1998 -1999(放映期間),『ウルトラマンガイア』,TBS系列(放映局)

大西信介ほか(監督),根元実樹ほか(脚本) ,2001 -2002(放映期間),『ウルトラマンコスモス』,TBS系列(放映局)

小中和哉ほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2004 -2005,『ウルトラマンネクサス』,TBS系列(放映局)

村上秀晃ほか(監督),金子次郎ほか(脚本),2005-2006,『ウルトラマンマックス』,TBS系列(放映局)

村石宏實ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2006 -2007 (放映期間),『ウルトラマンメビウス』,TBS系列(放映局)

菊池雄一ほか(監督),荒木憲一ほか(脚本),2007 -2008(放映期間),『大怪獣バトル』,BS11系列(放映局)

菊池雄一ほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2008 -2009(放映期間),『大怪獣バトル Never Ending Odyssey』,BS11系列(放映局)

アベユーイチほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2013 (放映期間),『ウルトラマンギンガ』,テレビ東京系列(放映局)

坂本浩一ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2014 (放映期間),『ウルトラマンギンガS』,テレビ東京系列(放映局)

田口清隆ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2015 (放映期間),『ウルトラマンエックス』,テレビ東京系列(放映局)

田口清隆ほか(監督),中野貴雄ほか(脚本) ,2016 (放映期間),『ウルトラマンオーブ』,テレビ東京系列(放映局)

おかひでき(監督),小林雄次(脚本),『ウルトラゼロファイト 第1部 新たなる力』,テレビ東京系列(放映局)

アベユーイチ(監督),足木淳一郎(脚本),『ウルトラゼロファイト 第2部 輝きのゼロ』,テレビ東京系列(放映局)

田口清隆ほか(監督),井口昇ほか(脚本),2011-2012,『ウルトラゾーン』,tvkほか

坂本浩一ほか(監督),安達寛高ほか(脚本) ,2017,『ウルトラマンジード』,テレビ東京系列(放映局)

武居正能ほか(監督),中野貴雄ほか(脚本),2018,『ウルトラマンR/B』,テレビ東京系列(放映局)

市野龍一ほか(監督),林壮太郎ほか(脚本),2019,『ウルトラマンタイガ』,テレビ東京系列(放映局)

田口清隆ほか(監督),吹原幸太ほか(脚本),2020,『ウルトラマンZ』,テレビ東京系列(放映局)

坂本浩一ほか(監督),ハヤシナオキほか(脚本),2021-2022,『ウルトラマントリガー』,テレビ東京系列(放映局)

 

 

特撮映画

小中和哉(監督),長谷川圭一(脚本),2004,『ULTRAMAN』,松竹(配給)

坂本浩一(監督),小林雄次ほか(脚本),2009,『大怪獣バトル THE MOVIE ウルトラ銀河伝説』,ワーナー・ブラザース(配給)

アベユーイチ(監督・脚本),2010,『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』,松竹(配給)

田口清隆(監督),中野貴雄(脚本),2017,『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、お借りします!』,松竹メディア事業部(配給)

庵野秀明(総監督・脚本),2016,『シン・ゴジラ』,東宝(提供)

 

特撮オリジナルビデオ

神澤信一ほか(監督),武上純希ほか(脚本),1998 -2002(発売日),『ウルトラセブン』,VAP(発売元)

村石宏實(監督・原案),山本優(脚本),2001,『ウルトラマンティガ 古代に蘇る巨人』,バンダイビジュアル(発売元)

おかひでき(監督),荒木憲一(脚本),2010年11月26日-12月20日(発売期間),『ウルトラマンゼロ外伝 ウルトラマンゼロvsダークロプスゼロ』,バンダイナムコアーツ(発売元)

アベユーイチ(監督),荒木憲一(脚本),2011年11月25日-12月22日(発売期間),『ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』,バンダイナムコアーツ(発売元)

 

 

漫画

沢樹隆広(漫画),円谷プロダクション(監修),2008,『ウルトラマン THE NEXT』,ウェッジホールディングス(出版社)

清水栄一×下口智裕,2012-(発行期間,未完),『ULTRAMAN』,ヒーローズ(出版社)

鳥山明,1985-1995(発行期間),『ドラゴンボール』,集英社(出版社)

鳥山明(原作),とよたろう(作画),2016-(発行期間,未完),『ドラゴンボール超』,集英社(出版社)

空知英秋,2004-2019(発行期間),『銀魂』,集英社(出版社)

岸本斉史,1999-2015,『NARUTO』,集英社(出版社)

 

 

 

 

小説

梅原克文,1998,『二重螺旋の悪魔(上)』,角川ホラー文庫

梅原克文,1998,『二重螺旋の悪魔(下)』,角川ホラー文庫

梅原克文,1993,『二重螺旋の悪魔 上』,朝日ソノラマ

梅原克文,1993,『二重螺旋の悪魔 下』,朝日ソノラマ

小林泰三,2018,『ウルトラマンF』,ハヤカワ書房

三島浩司,2016,『ウルトラマンデュアル』,ハヤカワ書房

荒俣宏,2005,『妖怪大戦争』,角川書店

芥川龍之介,2010,『蜘蛛の糸 杜子春』(『杜子春』、『魔術』),新潮文庫

梅原克文,2018,『テュポーンの楽園』,KADOKAWA

梅原克文,1999,『カムナビ』,角川書店

大多和伴彦/編,服部まゆみほか(著),2000,『憑き者』,東京アスキー(『マン・トラップ』)

 

 

 

テレビアニメ

清水賢治(フジテレビプロデューサー),松井亜弥ほか(脚本),西尾大介(シリーズディレクター),小山高生(シリーズ構成),鳥山明(原作),1989-1996,『ドラゴンボールZ』,フジテレビ系列(放映局)大野勉ほか(作画監督),冨岡淳広ほか(脚本),畑野森生ほか(シリーズディレクター),鳥山明(原作),2015-2018,『ドラゴンボール超』,フジテレビ系列(放映局)
金田耕司ほか(プロデューサー),葛西治(シリーズディレクター),宮原直樹ほか(総作画監督),松井亜弥ほか(脚本),鳥山明(原作),1996 -1997(放映期間),『ドラゴンボールGT』,フジテレビ系列(放映局)

藤田陽一ほか(監督),下山健人ほか(脚本),空知英秋(原作),2006-2018(放映期間),『銀魂』,テレビ東京系列(放映局)

庵野秀明(監督),薩川昭夫ほか(脚本),GAINAX(原作),1995-1996(放映期間),『新世紀エヴァンゲリオン』,テレビ東京系列(放映局)

 

 

アニメコミックス


鳥山明(原作),1997(初版),2017(デジタル版),『ドラゴンボールGT アニメコミックス 悟空外伝!勇気の証しは四星球』(booklive)

 

アニメ映画

庵野秀明(総監督・脚本), GAINAX(原作),1997,『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』,東映(配給)

庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2007,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』,カラーほか(配給)

庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2009,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』,カラーほか(配給)

庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2012,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』,カラーほか(配給)


庵野秀明(総監督・脚本),鶴巻和哉ほか(監督),2021,『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』,カラーほか(配給)

長峯達也(監督),鳥山明(原作・脚本),2018年12月14日(公開日),『ドラゴンボール超 ブロリー』,東映(配給)

 
https://shin-ultraman.jp/sp/story/

https://twitter.com/shin_ultraman/status/1514876177931939841?s=21&t=WZ8_b8GRoffDzCd3CWhnuw

https://m.youtube.com/watch?v=3G0dtM4BFn8

https://twitter.com/hg1543io5/status/1517449075570122752?s=21&t=WZ8_b8GRoffDzCd3CWhnuw


https://m-78.jp/news/post-5776

2022年4月30日閲覧

 

 

参考文献

 

 

 

切通理作,2000,『怪獣使いと少年』,宝島社文庫

成田亨,1996,『特撮と怪獣』,フィルムアート社

荒俣宏,2007,『アラマタ大事典』,講談社

神谷和宏,2015,『ウルトラマン「正義の哲学」』,朝日文庫

神谷和宏,2012,『ウルトラマンは現代日本を救えるか』,朝日新聞出版

 清水保雅(発行者),2005(第1刷),2019(第22刷),『決定版 全ウルトラ怪獣完全超百科 ウルトラQ~ウルトラマンパワード編』,講談社





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