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『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズからウルトラシリーズへの影響の考察


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注意

特撮テレビ番組


『ウルトラマンティガ』
『ウルトラマンダイナ』
『ウルトラマンガイア』
『ウルトラマンコスモス』
『ウルトラマンネクサス』
『ウルトラマンマックス』
『ウルトラマンメビウス』

『ULTRASEVEN X』
『ウルトラゼロファイト 輝きのゼロ』
『ウルトラマンギンガ』
『ウルトラマンギンガS』
『ウルトラマンX』
『ウルトラマンオーブ』
『ウルトラファイトオーブ』
『ウルトラマンジード』
『ウルトラマンR/B』
『ウルトラマンタイガ』
『ウルトラマンZ』


特撮映画


『ウルトラマンコスモス THE BLUE PLANET』
『ウルトラマンコスモス THE FINAL BATTLE』
『ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』
『ウルトラマンジード つなぐぜ!願い‼︎』
『ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』

ネットオリジナル特撮
『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』

『ウルトラマンタイガ』ボイスドラマ「負け犬の子」


テレビアニメ


『新世紀エヴァンゲリオン』


アニメ映画


『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』


小説


『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』
『幼年期の終わり』

これらの重要な情報を明かします。




はじめに

 私はウルトラシリーズを調べるに当たり、近年は幾つかの作品との共通点を探っています。

 そこでこの記事では、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズとの関連を探ります。
 『エヴァ』は使徒という正体不明の生物に、機械や鎧の部分を含む人造人間「エヴァンゲリオン」にパイロットが乗り込んで挑みます。
 ただし、元々『エヴァ』がウルトラシリーズの影響を受けているという可能性は多くの場で考察されています。
 そこで私はこの場では、主に『エヴァ』からそれ以降のウルトラシリーズへの影響を、逆輸入と言うべきか分かりませんが、まとめて取り上げます。
 これは、私の持つ『エヴァ』の考察本ではあまり見当たらず、ウルトラシリーズの評論やインタビューをまとめた書籍『地球はウルトラマンの星』ぐらいしか思い当たりません(切通理作 2000年:pp.14-15)。
 『エヴァ』は過激な要素も多いので、そこからウルトラシリーズのモチーフになった要素に言及するのは難しいかもしれませんが、私はあえて挙げます。

一体化の正当化、爆発、予言、相反する2つの融合

 まず、『エヴァ』からウルトラシリーズに頻繁に使われていると推測している4つの要素があります。

 『エヴァ』では人類補完計画として、人類を液体生命に変えて一体化させて争いを失くそうとします。一体化の正当化が鍵となります。
 また、セカンドインパクトという爆発が15年前に起きており、続きのサードインパクトが起きようとします。
劇中の死海文書により、未来が予測され、それに従い様々な計画が進んでいたようです。
 また、人類も18番目の使徒「リリン」だったのですが、特別な「知恵の実」を持ち、サードインパクトで使徒の「生命の実」と人類の「知恵の実」が融合したとされました。


 以下、特筆しない限り、「一体化の正当化」、「爆発」、「予言」、「相反する2つの融合」は『エヴァ』にあると前提に置きます。

 これらが平成以降のウルトラシリーズ、特に『ウルトラマンギンガ』以降のニュージェネレーションヒーローズシリーズで使われているようです。
 a.がウルトラシリーズ、b.が『エヴァ』シリーズの要素です。c.では両者をまとめて書きます。


『ウルトラマンティガ』



a.『ティガ』では、どこかの星雲から来たらしい生命体であるウルトラマンが、本質である光のみ帰り、その体である石像と、特殊な遺伝子を持つ人間のダイゴが光となって一体化してウルトラマンティガとして復活します。
b.『エヴァ』の使徒は外観に反して人間に近い遺伝子を持ち、体は「波と粒の性質を併せ持つ、光のようなもの」で構成されているようです。
a.『ティガ』では陽子と反陽子を衝突させて光を発生させる反動によるマキシマオーバードライブで宇宙まで高速移動しようとしており、それはゴブニュの造り主に予測されていたようです。
a.『ティガ』ではイルドが人類を同化させようとしました。


『ウルトラマンダイナ』



a.『ダイナ』のグランスフィアは惑星や無機物や住民が一体化しており、地球人類にも一体化を迫ります。『ダイナ』のロジックはアーサー・C・クラークの人間中心主義であり、そのアンチテーゼがスフィアであるとインタビューにあります(切通理作 2000年:p.221)。

b.クラークの作品で『幼年期の終わり』の結末とグランスフィアや『エヴァ』は似ていると私は考えており、『エヴァ』の考察本でも『幼年期の終わり』は言及されています(兠木励悟 2008年:pp.110-111)。
c.『ダイナ』は主人公「アスカシン」の父親「カズマ」がウルトラマンダイナに関わっているようでしたが、『エヴァ』ではパイロットの母親の魂がエヴァに宿っています。


『ウルトラマンガイア』



a.『ガイア』では、大学生でありながら博士号を持つ高山我夢が粒子加速器と脳波を同調させて「地球の意思」に触れてウルトラマンガイアになる能力を授かりました。藤宮博也も素粒子の観測器でウルトラマンアグルになったようです。
b.『エヴァ』は神秘的な生物の細胞や組織を兵器の材料として、科学技術や機械で連動させているのが、ウルトラシリーズでは特に『ガイア』に似ていると言えます。
a.『ガイア』では光量子コンピューター「クリシス」が敵の存在を予測しましたが、そもそも敵に操られていたため裏切りました。
b.『エヴァ』ではスーパーコンピューター「マギ」がエヴァを扱う組織「ネルフ」で重要になりましたが、途中で3区画の1つが裏切りました。
a.『ガイア』では終盤で、ウルトラマンを上回る巨体である天使や女神のような姿のゾグが現れてウルトラマンを倒しに来ました。
b.『エヴァ』の敵である使徒は天使の名前を持つと解説され、最後に綾波レイが女神とも取れる巨人となりました。
a.『ガイア』ではガイアとアグルの光線の衝突が、敵の怪獣「ゾーリム」を呼び寄せ、クリシスとシンクロしていました。それ自体が敵に仕組まれていたようです。これも「相反する2つの融合」だと言えます。

『ウルトラマンコスモス』



a.『コスモス』では、遺伝子情報を持つ光の粒子、光のウイルス「カオスヘッダー」が生命を変化させ、自分の意識に統一することで秩序をもたらし平和にしようとしていました。
b.使徒が光のようなもので構成された体であり、知恵の実を持たない単独兵器であること、補完計画に利用されていたのが重なります。
a.『コスモス』劇場版2『THE BLUE PLANET』の敵であるサンドロスは、顎が花弁のようになった怪獣でしたが、劇場版3『THE FINAL BATTLE』でサンドロスは元々人間に近い精神を持つ生命体であり、人間がサンドロスのようになる可能性があると説明されました。
b.『エヴァ』の使徒は、人間に近い遺伝子を持ち、人間もまた第18使徒「リリン」だったと明かされました。


『ウルトラマンネクサス』


a.『ネクサス』ではウルトラマンネクサスが自分の体を量子力学的に変化させてメタフィールドという亜空間を作り出し戦いますが、敵のウルティノイドも逆向きの空間「ダークフィールド」を作れます。また、敵のスペースビーストは人間の恐怖を吸収します。
b.『エヴァ』で基本的にエヴァしか使徒に対抗出来ないのは、使徒のA.T.フィールドという「心の壁」を相殺あるいは侵食出来るのがエヴァだけだということでしたが、これはオープニングによると「ABSOLUTE TERROR FIELD」、「絶対恐怖領域」と訳されます。
a.『ネクサス』では免疫の特殊な体質がなければナイトレイダーに入隊出来ないらしく、訓練していない人間でも斎田リコは出来るようです。
b.『エヴァ』でエヴァを操縦するチルドレンは、母親の魂がエヴァに入っているかが関わり、戦う上で深層心理や体質が訓練より重視されます。
a.『エヴァ』では、エヴァや綾波レイを「人形」と表現することがあります。
b.『ネクサス』では、斎田リコは溝呂木に操り人形だと表現され、その溝呂木も「俺も操り人形だった」とのちに振り返り、彼を操るダークザギでさえ、元々はビーストを倒すための兵器でした。
a.ダークザギは誰がウルトラマンになるかを予知していました。
c.また、主人公の上司であり、防衛より復讐を優先していると指摘されるのが、『ネクサス』の凪と『エヴァ』のミサトは似ています。また、凪は敵視していたウルトラマンに、味方として受け入れたあととはいえなりましたが、ミサトも「使徒」へ復讐するつもりが、『Air/まごころを、君に』で、「人間も使徒の一種だった」と突き止めました。
c.『ネクサス』でも『エヴァ』でも、かつての人知を超えた災害を隕石の衝突として偽装しています。


『ウルトラマンマックス』



a.『マックス』では、人類に知恵と物作りの能力を与えたと主張するニーナが、高い再生能力を持つエラーガを操り人類を滅ぼそうとしました。また、ゼットン星人に遺伝子を操作されていた人間の子孫のナツミは永遠の命などと引き換えに協力を迫られましたが、反抗して倒しました。
b.『エヴァ』では、人類が知恵の実としての個体の区別があり、使徒が生命の実としての再生能力を持ちます。また、『まごころを、君に』で碇ゲンドウに補完計画の遂行を要求された綾波レイは、最終的に裏切りました。


『ウルトラマンメビウス』


a.『メビウス』では、ソリチュラが人間や惑星を一つの生命体として意識を統一して救いとしました。
a.『メビウス』の防衛組織「GUYS」は、宇宙人から複製した科学技術「メテオール」を使いますが、小説版『アンデレスホリゾント』で整備長のアライソは、個人の見解で、量産化されたマグマライザーを「最初のメテオールではないか」と表現しています。
b.『エヴァ』のエヴァは、零号機と初号機が「しょせんプロトタイプとテストタイプであり、弍号機こそ本物のエヴァンゲリオンである」と、そのパイロットのアスカが述べています。初号機が「リリスの分身」であるのに対して、弍号機は「アダムの分身」であり、のちの「エヴァシリーズ」とそれは同じであるようです。
c.GUYSの用いるマケット怪獣はかつて現れた怪獣のコピーですが、エヴァも使徒のコピーです。
c.『メビウス』では宇宙怪獣「ケルビム」が登場し、この名前の由来はキリスト教の天使あるいは怪物のようです。『エヴァ』の使徒の名前は私があまり知らない天使から取られます。
a.『メビウス アンデレスホリゾント』では、天使として呼ばれる怪獣「ユーゼアル」が善意の存在でありながら凶悪そうな外見です。


『ULTRASEVEN X』


c.『ULTRASEVEN X』は、記憶喪失の主人公のジンが水を強くイメージしています。また、上層部は部下を詰問するときに、「質問にのみ答えよ」と命じており、これは『エヴァ』のゼーレがミサトに「君の質問は許されない」としたのに似ています。月と水を重視した狼男の回もあります。


『ウルトラマンゼロ』シリーズ

a.ウルトラマンゼロは自分を乗っ取ったウルトラマンベリアルが仲間を抹殺したのに対して、精神の世界で新しい姿となり、ベリアルを取り込もうとし、逆に追い出しました。
b.『エヴァ』のエヴァ零号機は、使徒「アルミサエル」に侵食され、操縦する綾波レイが拒絶するA.T.フィールドを逆転させて抑え込み自爆しました。

『ウルトラマンギンガ』及び『ウルトラマンギンガS』


a.『ギンガ』のダークルギエルは、生命体を「命の時間の止められた」操り人形「スパークドールズ」に変えて「永遠の静寂」をもたらそうとしました。これは意識の統一とも言えます。
b.『エヴァ』では人類の意識を統一する上で、綾波レイが「操り人形」であり、魂を新しい体に入れ替えていました。
a.『ギンガ』ではウルトラマンギンガに変身するためのアイテムであるギンガスパークが剣から槍に変化します。
b.『エヴァ』では補完計画に必要なロンギヌスの槍のコピーが、最初は剣の形でした。
a.『ギンガS』は、『ギンガ』において月でダークルギエルが爆発したのが始まりだとも言えます。『ギンガ』でも、遥か昔にルギエルがきわめて巨大な姿で「闇の波動」を放出して多くのウルトラマンや怪獣や宇宙人をスパークドールズに変えました。これも爆発に近いと言えなくもありません。
b.これらは『エヴァ』のセカンドインパクトやサードインパクトに似ており、補完計画では綾波レイがリリスと一体化してエヴァ以上に巨大化しました。
c.『ギンガS』で、ウルトラマンタロウがルギエルに人形にされたままなのを逆手に取りウルトラマンギンガと一体化するとき、「今こそ、一つになるとき」と、ある種で補完計画を連想します。
a.『ギンガ』では月でルギエルが倒され、それを復活させようとするチブル星人エクセラーの基地に、ギンガが『ギンガ』最終回のような高速移動をしにくかったのか、地球から主人公達が手出し出来ませんでした。
b.『エヴァ』ではアラエルを倒すために投げられたロンギヌスの槍が月の衛星軌道に入り、人間には回収出来なくなりました。


『ウルトラマンX』

a.『X』では、『ギンガ』との関連は分かりませんが、ウルトラマンエックスが怪獣をスパークドールズに変えて人間を守ります。
b.『エヴァ』であくまでも権力者の思想として進められていた補完計画に近いものを、主人公やウルトラマンの主張としています。
a.『X』劇場版ではエックスの新しい姿が、X字に見えなくもない翼を展開しています。
b.『エヴァ』ではセカンドインパクトのときに、4枚の翼が発生しています。
a.『X』では未来からの電波が来ています。
怪獣の情報から複製されたロボットのような姿のサイバー怪獣はマケット怪獣に似ています。
a.『X』では、スパークドールズに「光の粒子」を取り込ませることで復元させられるようです。『ギンガ』の「闇の波動」と対をなしています。使徒の体の光の粒子と波動を連想させます。
c.『X』ではグリーザにより防衛組織のネバダの施設が「消滅」し、『エヴァ』ではS2機関の実験の失敗で施設が「消滅」しました。


『ウルトラマンオーブ』



c.『オーブ』序盤と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のフォースインパクトでは、二重の輪が発生しています。
c.『オーブ』では『太平風土記』で予言がされています。また、ウルトラマンオーブ・サンダーブレスターが暴走してロボット「ギャラクトロン」を内部の仲間の人間ごと攻撃したのは『エヴァ』のバルディエル戦を連想します。
c.さらに、ギャラクトロン戦の前のマガオロチ戦では、人間が危機的状況で花に水をあげています。
『エヴァ』でのバルディエル戦のあとのゼルエル戦では、やはり危機に「俺は花に水をまくことしか出来ない」と話す人物がいました。
c.『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』では、サイキが宇宙の生命体の知恵を消して争いをなくそうとしています。また、「ビッグバンのような爆発」も起きそうになりました。これは『エヴァ』の補完計画やセカンドインパクトを連想します。
a.また、『ウルトラファイトオーブ』では時間の逆流が起きています。


『ウルトラマンジード』



a.『ジード』ではベリアルの起こした「クライシスインパクト」で宇宙が一度崩壊してウルトラマンキングと一体化したことで再生されましたが、その飛散した欠片をベリアルが吸収して再び崩壊しかけました。『エヴァ』のセカンドインパクト、サードインパクト、補完計画に繋がります。
a.また、ウルトラマンジードはウルトラマンベリアルの遺伝子から生み出され、「模造品」と呼ばれました。
b.『エヴァ』のエヴァは使徒のコピーでした。
『ジード』ではベリアルを弱体化させるカレラン分子の容器をウルトラマンゼロが走って打ち込み、『エヴァ』での綾波レイの零号機が爆弾をゼルエルに打ち込んだのに似ています。
a.『ジード』劇場版では、電子媒体の歴史書『太平風土記』が、終盤で書き換わったような描写があります。それに関わるウルトラマンジード・ウルティメイトファイナルがコンピューターウイルスを取り込んでいたので、電子的に書き換えただけかもしれませんが、時間の流れをさかのぼった可能性もあります。
a.『ジード』のストルム星人は正五角形の集まりであるバリアを持ちますが、平面の全ては敷き詰められません。
b.『エヴァ』のA.T.フィールドは八角形でした。
正五角形も八角形も、平面をそれだけでは敷き詰められません。


『ウルトラマンR/B』



a.『R/B』では主人公の湊カツミとイサミの母親のミオの感情から分身として「アサヒ」が生まれました。また、ミオは未来を見ていました。
b.『エヴァ』の綾波レイは主人公の碇シンジの母親のユイの消え去った場所で生まれ、遺伝子や外観を引き継いでいるようです。アサヒと綾波レイ、ミオの予知と死海文書が繋がります。
a.『R/B』劇場版では、カツミとイサミの変身するウルトラマンロッソ、ウルトラマンブルと妹のアサヒの変身するウルトラウーマングリージョが融合してウルトラマングルーブとなります。
c.『R/B』では愛染マコトが小牧カオルを拘束しましたが、『エヴァ』では日向マコトが渚カヲルを調査しました。
c.『R/B』劇場版でウルトラマンジード=リクはアサヒに「僕は母親がいない。君には本当の父親がいない」と話しており、『エヴァ』の綾波レイとカヲルの「君は僕と同じだね」というやり取りを連想します。
c.『R/B』のダーリンはマコト、美剣、ミオの3人の生命体に従い、『エヴァ』のマギは3区画に分かれています。
a.『R/B』は「あやか星」の墜落による爆発が過去にあります。
c.『R/B』のアサヒは無意識に周りの記憶を書き換え、『エヴァ』の魂を新しい体に入れ替えた綾波レイは自覚が薄く、『ヱヴァ:Q』でシンジは記憶を操作されていると判明しました。
c.『R/B』ではキングジョーが、『エヴァ』ではジェット・アローンが、それぞれ人類を守るロボットでありながらハッキングされています。

『ウルトラマンタイガ』



c.『タイガ』では、ウルトラマントレギアとウルトラマンタロウが共に自爆したところから始まり、『エヴァ』のセカンドインパクトを連想します。
a.『タイガ』では3人のウルトラマンが主に地球や人類を守ります。
b.『エヴァ』で主に3体のエヴァが人類を守ります。

c.『タイガ』と『エヴァ』では主人公の父親がかつての爆発に関わったと言えます。『ジード』もそうですが。
c.『タイガ』ではブラックキングがナックル星人オデッサに卵に戻され、『エヴァ』のセカンドインパクトは「アダムを卵に戻すため」だったそうです。
a.『タイガ』のオデッサはタイガ=ヒロユキに、申し訳ないという意思を見せつつも自分の闘争本能として戦いを挑み倒されました。それはトレギアに仕組まれています。
b.『エヴァ』のシンジは、「アダムの魂を宿した」カヲルが使徒として人間と対立せざるを得ず、「すまない」と言われつつ、頼まれて抹殺しました。それはゼーレに仕組まれていたようです。

a.『タイガ』には「シンジ」という少年もいます。

c.『エヴァ』では、シンジが「人類と使徒のどちらかしか生き残れない」と使徒のカヲルに言われて抹殺し、「生き残るならカヲル君の方だったんだ」と悔やみ、なおかつ自分以外の人類のことにまで視野が及んでいませんでした。
 また、これと大きく異なる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でシンジとカヲルの同時に乗るエヴァ第13号機は、2対の腕を持ちます。
 『タイガ』ボイスドラマ「負け犬の子」では、ウルトラマンフーマが近い状況になっています。かつて両生類と人の中間で4本の腕を持つ宇宙人のゲルグと、「人間」型宇宙人のフーマは、ウルトラマンオーブなどに能力を与えた惑星O-50の試練に挑み、「化け物の姿のゲルグはなれないのか」という疑問が残っていました。
 そして、途中の妨害などもあり、意識を失ったあとにフーマだけウルトラマンになっており、ゲルグの姿はなく、「この変身を解いて化け物の姿なら、どれほどの異形の宇宙人が希望を持てるだろうか。けれど、きっと人間のままだろうから、俺は変身を解かない」と話しています。つまり、フーマとゲルグが一体化などをしたままウルトラマンになった可能性があります。実際に、「ウルトラマンフーマ」はどこか水棲動物を連想するようにも見えます。
 また、フーマは「O-50に選ばれなくて幸運だった」という趣旨の台詞を、意識を失う直前に話しています。
 「自分ではなくもう1人が選ばれるべきだった」と話し、なおかつ自分が選ばれたことで多くの誰かを救える可能性にまで、考えがとっさに及ばなかったのは、その時点のフーマとシンジの共通点です。
 なお、O-50の系統のウルトラマンは、ウルトラシリーズとしては珍しく四大元素を重視し、フーマも『タイガ』の劇中で話しています。タイガ、タイタス、フーマの3人の変身では、タイガが火、フーマが風、タイガの強化形態「フォトンアース」が「大地の光」を用いて「土」を連想させ、仮にゲルグがフーマと融合しているならば、「水」属性も含み、やや歪ですが、この3人のウルトラマンは四大元素を全て併せ持つのかもしれません。


『ウルトラマンZ』



a.『Z』で防衛組織「ストレイジ」が用いるロボット兵器「特空機」は、宇宙怪獣「グルジオライデン」から複製された情報で構成されており、有線でなければバッテリーによる行動時間に制限があります。
b.『エヴァ』のエヴァは、最初の使徒「アダム」あるいはそれに似た生命体「リリス」(少なくとも新劇場版では第2使徒と説明されています)からエヴァが生み出され、電力がやはり有線か時間制限のあるバッテリーで動きます。
a.『Z』でのブルトンは時間を操作しています。このとき、ハルキやヨウコは自分の願望に沿った世界に閉じ込められましたが、ヨウコが自分の世界から、ハルキの世界の中のヨウコに繋がったと取れる描写があります。

b.『エヴァ』テレビアニメ版の終盤では、精神の描写が重視され、「シンジの中のミサト」、「ミサトの中のシンジ」などの会話があったようでした。
c.また、ブルトンがウルトラマンゼロを別の空間に引き込んだときに、『エヴァ』のサハクィエルの模様(眼球かもしれませんが)に似た図形が浮かんでいます。

まとめ



 『エヴァ』はここまで、『ウルトラマンティガ』以降のウルトラシリーズに影響を及ぼしているようです。
 これが他の物語と繋ぎ合わせられれば、何らかの発見があるかもしれません。

参考にした物語


特撮テレビ番組


村石宏實ほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),1996 -1997,『ウルトラマンティガ』,TBS系列(放映局)
村石宏實ほか(監督),川上英幸ほか(脚本),1997 -1998(放映期間),『ウルトラマンダイナ』,TBS系列(放映局)
根本実樹ほか(監督),武上純希ほか(脚本),1998 -1999 (放映期間),『ウルトラマンガイア』,TBS系列(放映局)
大西信介ほか(監督),根元実樹ほか(脚本) ,2001 -2002(放映期間),『ウルトラマンコスモス』,TBS系列(放映局)
小中和哉ほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2004 -2005 ,『ウルトラマンネクサス』,TBS系列(放映局)
村上秀晃ほか(監督),金子次郎ほか(脚本),2005-2006,『ウルトラマンマックス』,TBS系列(放映局)
村石宏實ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2006 -2007 (放映期間),『ウルトラマンメビウス』,TBS系列(放映局)

八木毅ほか(監督),小林雄次ほか(脚本),2007,『ULTRASEVEN X』,TBS系列(放映局)
アベユーイチ(監督),足木淳一郎(脚本),2012,『ウルトラゼロファイト 第2部 輝きのゼロ』,テレビ東京系列(放映局)
アベユーイチほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2013 (放映期間),『ウルトラマンギンガ』,テレビ東京系列(放映局)
坂本浩一ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2014 (放映期間),『ウルトラマンギンガS』,テレビ東京系列(放映局)
田口清隆ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2015 (放映期間),『ウルトラマンエックス』,テレビ東京系列(放映局)
田口清隆ほか(監督),中野貴雄ほか(脚本) ,2016 (放映期間),『ウルトラマンオーブ』,テレビ東京系列(放映局)
坂本浩一(監督),足木淳一郎(脚本),2017,『ウルトラファイトオーブ』,テレビ東京系列(放映局)
坂本浩一ほか(監督),安達寛高ほか(脚本) ,2017 (放映期間),『ウルトラマンジード』,テレビ東京系列(放映局)
武居正能ほか(監督),中野貴雄ほか(脚本),2018(放映期間),『ウルトラマンR/B』,テレビ東京系列(放映局)
市野龍一ほか(監督),林壮太郎ほか(脚本),2019(放映期間),『ウルトラマンタイガ』,テレビ東京系列(放映局)
田口清隆ほか(監督),吹原幸太ほか(脚本),2020(放映期間),『ウルトラマンZ』,テレビ東京系列(放映局)


特撮映画


北浦嗣巳(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2002(公開日),『ウルトラマンコスモス THE BLUE PLANET』,松竹(配給)
北浦嗣巳(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2003 (公開),『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』,松竹(配給)
田口清隆(監督),中野貴雄ほか(脚本),2016(公開),『劇場版 ウルトラマンエックス きたぞ!われらのウルトラマン』,松竹メディア編集部(配給)
坂本浩一(監督),根元歳三(脚本),2018(公開),『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い‼︎』,松竹メディア編集部(配給)
武居正能(監督),中野貴雄(脚本),2019(公開日),『ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』,松竹(配給)


アニメ映画


庵野秀明(総監督・脚本), GAINAX(原作),1997年7月19日(公開),『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』,東映(配給)

ネットオリジナル特撮


小中和哉ほか(監督),小林弘利ほか(脚本) ,2016年12月26日-2017年3月13日(配信期間),『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』,アマゾンプライムオリジナル(配信元)

『ウルトラマンタイガ』ボイスドラマ「負け犬の子」


https://m.youtube.com/watch?v=DyxDT_PHUSU

https://m.youtube.com/watch?v=30bmPqWLSZc

https://m.youtube.com/watch?v=sadg0NvCOw0


2022年10月12日閲覧


テレビアニメ

庵野秀明(監督),薩川昭夫ほか(脚本),GAINAX(原作),1995-1996(放映期間),『新世紀エヴァンゲリオン』,テレビ東京系列(放映局)

アニメ映画
庵野秀明(総監督・脚本), GAINAX(原作),1997(公開),『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』,東映(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2007,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2009,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2012,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』,カラーほか(配給)


小説

朱川湊人,2013,『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』,光文社
クラーク(著),池田真紀子(訳),2007,『幼年期の終わり』,光文社古典新訳文庫


参考文献

兠木励悟,2008,『エヴァンゲリオン研究序説Ⅱ〈新版〉』,データハウス
切通理作,2000,『地球はウルトラマンの星』,ソニー・マガジンズ

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