元風俗嬢・死ぬまでのカウントダウン

元風俗嬢・死ぬまでのカウントダウン

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放置していた箱の中身

2年以上放置していたnoteを思い出した。 1番最初に書いた物を読み返すのは少し恥ずかしい。 あれから私はまだ風俗嬢を続けていて、アラサーを通り越してアラフォーになった。 当時から自分よりも年上のお姉様方が少しばかり若い私なんかよりも遥かに稼いでいる事を凄いなぁと羨望の眼差しで見ていたけど 少し年をとった私もあの頃の若さが残っていた自分よりも稼いでいて。 本当に年齢なんてひとつの記号に過ぎない物だと実感を伴っているし、あの頃は想像も出来なかった事態だが、仕事自体を楽

    • 愛せないのに愛されたかった

      ただ愛されたかった。 それだけだった。 それだけの為に仕事を辞めて趣味も控えてこれからは彼を優先して生きていこうって思っていた矢先だった。 少しづつ連絡が減っていく事が今まで感じた事がないくらいの恐怖だった。 あんなに会いたいと言ってくれていたのは幻だったの?と思うくらいに、一変した。 色々と自分の行動を顧みても、結局過去は変えられないし未来ももう変える気は無い。 ただ元の場所に静かに戻るだけ。 愛せないのに、愛される訳がない。 そんな簡単な事。 愛していない癖に

      • イマジナリーライン#1

        朝起きたら男になっていた。 寝起きにいつもの様に鏡を見ると知らない男の顔が写った。誰だこれは。まだ夢でも見てるのかな、と思い、もう一度寝てみた。 そうしたら下半身がムズムズしてきて、"アレ"が起立していた。 ビックリして飛び起きた。これはなんだ?昨日までの私は一体どこに?今の私は誰なんだ?頭の中はクエスチョンで一杯なのに、勃起は治まらない。 とりあえず抜いてみる事にした。私は元々女の割には性的な事が好きだ。抵抗よりも好奇心が勝った。自分のモノを握り、手を動かしてみた。

        • 風俗と私

          「七瀬さん、おめでとう!入店初月からランキング入りだよ!来月バック上がるからね!」 店長からこう言われた瞬間、言いようのない感情が湧いてきた。それは単純に嬉しいとか、達成感とか、承認欲求が満たされるとか、そんなシンプルな物では無いような気がしたけれど、その時は分からなかった。 ただ何か凄い物を得た代わりに、絶対に失ってはいけない何かを失った様な、そんな感覚だった。深く考えるとこの仕事は病んでしまう。私は考える事を止めた。

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        放置していた箱の中身

          あの頃一番欲しかった物

          24歳の時、生まれて初めて一目惚れをした。 人生で多分もう二度とないだろう、と思うくらい衝撃的に落ちてしまった、あの人の瞳に、声に、全てに。 私より16歳年上の彼は、年齢相応の色気があった。男の人に色気を感じたのも彼が初めてだった。 初めて会ったのは私が勤めていたBARのプレオープンの日だった。 プレオープンは会社関係の人や内装業者、会長、社長の友人らのみが集まる内輪のパーティみたいなものだ。お店の社長と仲が良かった彼は友人を引き連れて来てくれていて、その友人同士セクキ

          あの頃一番欲しかった物

          風俗を辞めて1ヶ月以上過ぎて

          丁度note書くの1ヶ月振りになってしまいました。 平和に過ごしていたら書くこと無いんですよね… 最近は特に波もなく彼と仲良くやってます! …と言いたかったんですが、ちょっとした事件?発覚?はありました。マジでちょっとしたヤツ。 私にはある界隈に同性の"推し"がいるのですが ↑参照 同性だしそもそも推しは推しだし浮気とかそんなもの当然無いから、普通に彼にも推しの話を以前からよくしていて。推しの〇〇ちゃん♡、〇〇ちゃんが~♡♡て、めちゃくちゃキャーキャー言いながら話して

          風俗を辞めて1ヶ月以上過ぎて

          エンドロールのその先

          風俗を上がった。 下手したら死ぬまで上がれないんじゃないかな、って思っていたのでこんなにあっさりと辞めてしまった自分に自分が一番ビックリしている。 天職だった、とは全く思わないけれど、そこそこ向いていたとは思う。 私にとっては人に必要とされる事が良い意味でも悪い意味でも強烈に実感出来る所が、風俗という仕事の醍醐味だった。 こんなにあっさりと辞めてしまえたのは、彼が私を更に強烈に求めてくれたからでしかない。 もしかしたらそこにある物は支配欲や所有欲でしかなく、愛なんて

          エンドロールのその先

          お客さんを好きになってしまった話⑤

          「お待たせ」 「…誰か分からんかった」 この日は珍しく彼の方が早く待ち合わせ場所に着いていた。 私はいつもと違ってかなりカジュアルな服装で来た。 これから始まる話し合いが楽しいだけで終わる訳がないと思っていたから、せめて身体だけでもゆったりと自分に優しい服に包まれていたかったのだ。 「行こうか」 いつものホテルに入る前に神社に立ち寄った。 彼は神社が好きで彼と会うようになってから私もよく神社に行くようになった。 この日お参りしながら私は、ただただこの人 のそば

          お客さんを好きになってしまった話⑤

          お客さんを好きになってしまった話④

          お店に来てくれた翌日、いつもの場所で待ち合わせしてカラオケに行った。 彼は学生時代バンドのボーカルをやっていただけあって、歌が上手い。 歌が上手い人が好きな私は彼とカラオケに行くことが好きだった。 音楽の趣味は正直あんまり合わないけれど、たまに私が好きなアーティストの曲を歌ってくれる事も嬉しかった。 「昨日は俺の後お客さん来たん?」 「うん来たよ」 「どんな人?」 「え?なんで?リピーターさんやけど」 「…その人と本番したん?」 「…してないよ」 「顔にした

          お客さんを好きになってしまった話④

          もう逃げられない

          そんな人だと思わなかった、さようなら。 …って、出来る人間だったら私の人生は180度変わっていただろう。 人と深く関わると多かれ少なかれこの様に思う事はあるだろう、ましてや男女の関係だと更に。 一度好きになってしまうと思ってたのと違った、がっかり、とは私は思えないのだ。例え相手が犯罪者だろうと。 もしも性犯罪や子供を虐待している様な人間だったら、一瞬で切り捨てられるのかもしれない。 ただまだ幸いにもその手の鬼畜には出会った事はない。 鬼畜とまでは言わないまでも、可

          もう逃げられない

          お客さんを好きになってしまった話③

          あれから何度か話し合いは行われたが、堂々巡りだった。 お金を出してでも仕事を辞めて欲しい彼と、お金に取り憑かれてるが故に仕事を辞めたくない私。 お金出してくれるならいいのでは?と思うかもしれないが、そんな簡単な話ではない。 当たり前だけど一生困らないぐらいのお金をくれる訳ではないのだ、私だってそこまでは当然求めていない。 たかが風俗、されど風俗。 少なくともこの2年ほどは仕事として真剣に取り組んできたつもりだ。 ちょっとやそっとで切れる様な縁ではないくらいの関係性を

          お客さんを好きになってしまった話③

          お客さんを好きになってしまった話②

          「仕事辞めて欲しい。嫉妬をコントロール出来ない、辛い。お金ならサポートするから。」 思いが通じ合ってから間もなくこう言われてしまって、(きたか…)と思った。 風俗で働いてる女と付き合って、その仕事を心から応援出来る男などほぼいないだろう。 だけど私は応援して欲しかったのだ。 彼は元々お客さんだし、私が頑張って働いてる事を知って見ている存在だからこそ。 でもお客さんだからこそ、それが無理なんだろう。 「…正直昔の仕事に対していい加減な私ならそんな風に言ってくれたら嬉し

          お客さんを好きになってしまった話②

          "推し"

          最近恋愛の曲を聴くと"推し"への想いピッタリだなこの歌詞…と思うようになった。 そこは恋人じゃないんかい、と自分で自分にツッコんでしまうが、恋人への想いよりも深い物があるのだ"推し"には。 まず、私が今こんなに仕事を頑張れる様になったのも"推し"のおかげだ。 彼女に出会う前の私は、明確に風俗の仕事を舐めていたし、客を見下していた。 「私、お客さんの事人間と思ってないんで~」 とヘラヘラ笑いながら言って、同じお店のお姐さんやスタッフをドン引きさせたり、遅刻や当日欠勤は当た

          "推し"

          お客さんを好きになってしまった話

          「フェラチオはしなくていいから」 と言われてしまった。 男は皆、フェラチオされる事が好きなんだと思い込んでいた私は価値観を頭から壊されたようで衝撃を受けてしまった。 「男が皆好きな訳ないよ、俺は女性に何かされる事が好きじゃない。俺がしてあげたいからね、しなくていいよ。」 「……私がしたいって言っても?」 「それ本心ではないよね?正確には男を満足させて、男に求められる事で承認欲求を満たしたいから、したい、なんじゃない?」 出た、まただ。彼は私の痛い所を毎回突いてくる。

          お客さんを好きになってしまった話

          絶対に死なない死にたがり

          あ、死のう と思った事が人生で何度かある。 それは突発的衝動で、とても事前に他人に迷惑をかけない様に…なんて計画を練ることなんて出来ない様な強い念の様な物に動かされそうになる。 でも結局行動は起こさず踏みとどまって生きているので、きっとこの先も死なない。 一番最初に死にたいと思ったのは小学校4年生の時。性に関する原体験に書いた様に、自分がされてきた事を自覚してしまった瞬間のおぞましさが、死にたいというよりも消えたい、と思ったのを覚えている。 あの時に初めて遺書を書

          絶対に死なない死にたがり

          お母さん

          母の人生について最近考えてしまう。 母は20歳頃からうつ病だったらしく おそらく40代の頃には統合失調症を発症していて 64歳で亡くなるまでの間ずっとずっと精神を病んでいた。 人生の3分の2以上を病んだ精神で生きてきた彼女は幸せだと思う瞬間がどれほどあったんだろうか? 私が25歳の頃から本格的な介護生活が始まった。 統合失調症は陰性症状が進むと認知症とほぼ同じ状態になり、要介護3の認定を受けた。 周囲の人間には認知症で通していた。 統合失調症なんて普通の人は知らない

          お母さん