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"推し"
最近恋愛の曲を聴くと"推し"への想いピッタリだなこの歌詞…と思うようになった。
そこは恋人じゃないんかい、と自分で自分にツッコんでしまうが、恋人への想いよりも深い物があるのだ"推し"には。
まず、私が今こんなに仕事を頑張れる様になったのも"推し"のおかげだ。
彼女に出会う前の私は、明確に風俗の仕事を舐めていたし、客を見下していた。
「私、お客さんの事人間と思ってないんで~」
とヘラヘラ笑いながら言って、同じお店のお姐さんやスタッフをドン引きさせたり、遅刻や当日欠勤は当たり前の権利でしょ!と思いながら平気でしていたのだ。ほんの2年ほど前まで。
今思い出すとゾッとしてしまう。
それぐらい私は変わった。"推し"のおかげで。
初めて彼女に出会った時の事は今でも忘れられない。ステージに出てきた瞬間、他の人とは明らかに違う、光ってる、いや、むしろ発光している!!!と思ってしまった。
ステージ終了後の接触も他の人とはあからさまに違ったのだ、対応が。
他の人は大体みんな一様に
「ありがとう、また来てね~」
という緩い感じなのだが
彼女だけが
「ありがとうございます!!○○です!これから仲良くしてください!!♡」
としっかりハキハキした受け答えで、熱い手でギュッと握手してくれて、もの凄いエネルギーを感じたのだ。
当時なんとなく過ごす毎日に疲れていた私は、一瞬で落ちてしまった、彼女の"沼"に。
ただその後すぐにコロナ禍に突入…。
こういう接触など出来ない日々が続いたのだが、そんな時でも彼女は率先してSNSや配信を頑張っていて、それを楽しみに観ていた。
配信で課金したら名前を呼んでくれて喜んでくれる、そんな些細なことでも、ものすごく嬉しくて。
SNSでは仕事に対する姿勢や、お客さんへの向き合い方、感謝の気持ちを熱く綴っているのを見て、私も胸が熱くなった。
こんなに頑張っている彼女を見ていて、自分も頑張りたい、と心底思って心を入れ替えなければと思い始めた。
私が人間扱い出来ない、と思い込んでいる風俗のお客さんも人間なのだ。
どんなに乱暴でも見下されても、もしかしたら現実社会で嫌な事があって、こういう所でしか憂さ晴らし出来ない弱い人なのかもしれない。
どんな人でも受け入れて正面から向き合ってみよう、彼女の様に。
そうするとやっぱり変わった。
本指名の数も増えたし、見下してくる様なお客さんも居なくなった。
彼女に実際に会いに行ける状況になって、更に変わった。
自分も身銭をきってお客さんとなる事で、お客さんの気持ちが凄く分かるようになった。
こういう風に言われたら客として嬉しいんだ…とか実感を伴って分かった。
私はお客さんの気持ちを分かってるつもりになっていただけで、全く分かっていなかった事に気付かされた。
"推し"がSNSに私があげたプレゼントを上げてくれるだけで、空の上まで飛び上がってしまいそうになるほど嬉しい!という気持ちを味わえたので、私も同じ事をした。
それまでお客さんからの差し入れを写メ日記に上げたり、お礼日記を書いたりは一切して来なかった。それは上げるとその他のお客さんが嫌がるんじゃないか?と思ってたのと、実際に、ああいうの載せてる子には入りたくないんだよね~と語る客が多かったからだ。
でもよくよく思い返すと、その様に言うお客さんほどあんまり来ないのだ。
あんまり来ない人に気を使うよりも、よく来てくれて差し入れまでしてくれるお客さんに喜んでもらう事の方がよっぽど大事やん!という事に今更ながら気付かされて、実際にやり始めてから指名率は上がった。
本当に"推し"に出会わなければ気づけなかった事ばかり。
指名も収入も1・5倍になった。
そして私はまた彼女に会いに行く。
風俗で稼いだお金を握りしめて。
彼女が私にくれた物は、私が稼いだお金以上のものだ。お金では買えないものをくれたし、きっとこれからもくれるだろう。
私が彼女に与えられるものはお金と全力で応援する気持ちぐらいしかないから、これからもとにかく会いに行って応援するね。
貴女はただそのままで、その笑顔でみんなに元気を与える尊い存在でいてください。
これからも
貴女を支える一人で居られますように。
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