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紡いでいく、うた。

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つたないうたを紡いでいます
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#poem

幾つもの傷跡を抱えて

わたしには幾つもの傷跡がある
初めて付けた右腕の十字架
自暴自棄になって付けた両腕の縞縞模様
誰にも見られぬ様にこっそり付けた足の甲の哀色

これら ぜんぶ 自分で付けた傷跡
これからも消えずに 背負っていく鎖
でも 消えないからこそ
今に繋がっている、生きている、在る事が出来ている

そして

下腹部に作られた 大きな縦の慈しむべき傷跡
2度も 同じ所を 同じ様に 切り刻まれ
その腹の中から わ

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きっと、もう咲いてくれてたんだ。

きっと、もう咲いてくれてたんだ。

夢を見ようと想ったとき。
夢の中に居ると感じたとき。
夢から離れようと決めたとき。

諦めてばかりだったのは、
自分が弱くて、脆くて
しんどいなぁって
自分を守る事が出来なかったから。

生きることをやめたかった。
けれど、やっぱり生きたかった。

もう枯れてしまったと
決めつけていた花が
太陽の光を向いて
元気よく、咲いているのを

まるで、
あたたかな光に
包まれた君のように感じて。

まだ、

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いきるこころ

生きることを 諦めていない
そもそも 死ぬ病気になんて
かかったことない
だから
身体が動く限り 心臓が鳴る限り
このいのちを 辞めることは叶わない

それでも 何故でしょう

「生きる事がつらい」と
「死んだ方が楽だ」と

みんなから 笑われるような想いで
わたしは 世界を漂っているのです

生きてるからには
元気でいたいです
痛いとか 苦しいとか
そんなもの 要らないです
ただ 楽しくて 嬉し

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ひとり

哀しみに暮れた
もう 涙は出ない
霞んだ空を
見上げて
唇を噛み締めている

胸が痛くて
身体を抱えた
震えているだけ
失うということが
この胸を切り裂く
僅かな望みさえ
無くなってしまう

こんな事になるならば
私は此処に居なかったのに
日が暮れて
暗闇の中 震えている
捨てられた猫のように
怯えている
今は
誰の手も 取りたくない
誰の温もりも
要らない

ただ ひとりで
こうして蹲って
哀し

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初恋

初恋

叶わないと 分かっていて
何度も 口遊んでしまう

きみが 居てくれたら
よかったな
きみが 一緒だったら
よかったな

手を繋ぐことも
抱き締めることも
出来なかった
好きだったのに
何も 伝えられなかった
後悔してから
こんなにも
好きだったのだと
気が付いてしまった

きみが 見えない 世界で
きみが 聴こえない 世界で
わたしは 歌をうたう
叶わないと 分かっていて
何度だって 口遊んでい

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