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ヒットチャートについて考える

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オリコンやビルボードなどの総合チャートについての考察、そこから派生して自分オリジナルのヒットチャートの作成や時々の樹になる音楽の紹介をしていきます。
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#ビルボード

2021年 年間ランキング (歌謡曲編)

2021年 年間ランキング (歌謡曲編)

ヒットチャートマニアとして、今年の年間ランキングを掲載する大仕事を終えこれですべて完了と思ったのですが、何か足りないと気づいて本稿を書き起こしています。というのも、もっとも歌謡曲・演歌を手厚く保護しているNHKでさえ紅白歌合戦から演歌勢を排除しようとしている今こそ、そのような大人向けポップスの、懐メロではない最新の動向を注視するべきだと思ったから。ビルボードジャパンの年間チャートはもちろん、オリコ

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2021年 年間ランキング 10位→1位

2021年 年間ランキング 10位→1位

10位 OH MY GIRL / Dun Dun Dance

2021/05/12リリース。その時点から気になる曲には浮上していましたが、その2か月後にJapanese Ver.が発表され、その日本語のナチュラルな発音に驚いたのが自主ランキング入りの決め手になりました。高音パートが非常に多く、またその高音へと1オクターブ跳躍するようなメロディラインも多い非常に難しい曲をよく踊りながら歌いこなして

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2021年 年間ランキング 20位→11位

2021年 年間ランキング 20位→11位

20位からは1曲ずつ振り返りたいと思います。

20位 TOMOO / HONEY BOY

アーティスト名は「ともお」。女性シンガーソングライター。YouTubeのAIによるレコメンド機能によって出会いました。この曲はYouTubeライブ配信で本人も語っていましたが「懐かしさ」を感じるMVであり楽曲構成になっています。8月にリリースした新曲「Ginger」では、FM802のOfficial髭男d

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2021年 年間ランキング 40位→21位

2021年 年間ランキング 40位→21位

年末連載企画、ここからTOP40に突入します。

31位~40位

YOASOBIとNiziUが2曲ずつランクインしています。このゾーンの中で一般知名度が一番低そうなのは40位でしょうか。Griffのこの曲はYouTubeのレコメンド機能か、U.K.のOfficial Chartのどちらかが知るきっかけだったと思います。

40位 Griff / Black Hole

BTSの Permissi

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2021年 年間ランキング 60位→41位

2021年 年間ランキング 60位→41位

本家ビルボードにならって2020年12月第1週から2021年11月最終週まで毎週こつこつと作成した自主ランキングの集計結果を連載しています。この記事では41位~60位までを紹介します。

51位~60位

YOASOBI「夜に駆ける」、LiSA「炎」はこのゾーンに登場しました(ビルボードジャパンの年間チャートではそれぞれ3位と4位でしたね)。「夜に駆ける」は2020年の自主ランキング年間1位でした

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2021年 年間ランキング 100位→81位

2021年 年間ランキング 100位→81位

2021年もついに1年を総括する12月を迎えました。まだ1ヶ月残っているのに、と思いますがビルボードは早々に年間ランキングを発表することでしょう。ですので個人でヒットチャートをつけてみることを勧め、実際に毎週記録している私も、2020年12月から2021年11月までの12か月間で集計した年間ランキングをここに掲載しようと思います(毎週のランキングによるポイントと同期間にiTunesで記録された再生

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INI vs BE:FIRSTの初週対決が開拓したのは…新たな地獄なのか

CDハーフミリオンのINI、ストリーミング歴代記録のBE:FIRSTという棲み分けをしてどちらのファンも満足のいく結果になったように思います。

しかし、この渦中に加わってない大多数の一般人にとってはどちらもヒット曲でもなんでもないってことは冷静に認識する必要があるかなと。

INIに関してはジャニーズグループでないのにハーフミリオン購入できるファンダムを形成する頑張るオタクが誕生したという事実が

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INI vs BE:FIRST フラゲ日売上対決

前回取り上げた、新世代ボーイズグループのデビュー対決。オリコンのデイリーランキングにて、CD売上に関する結果が早速出ています。

INIが36.6万枚、BE:FIRSTが12.7万枚と、およそ3倍差でINIが大勝。ここまで差がつくとは予想外でした。

INIは活動曲投票、Rocketeer MV発表、Brighter MV発表、KCON出演、シブヤノオト出演と、デビュー日発表以降の供給量でBE:F

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ボーイズグループ新世代はトレンドを巻き起こせるか…2021/11/3 BE:FIRST vs INI

書こう書こうと思ってなかなか着手できなかったテーマですが、いよいよ機が熟したようなので。

SKY-HIプロデュース、日本テレビ「スッキリ」でオーディションの模様が放送されていたBE:FIRSTが8/16にプレデビューデジタルシングルをリリースし、デジタルダウンロードとストリーミングの2冠達成。さらにこれと同時期にCDシングルランキングではJO1の「REAL」が1位を獲得していて、トレンドとして非

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K-POP、ジャニーズ…ヒット曲を情報としてでなく体験として認識できるかは自分次第

ヒットチャートに不満がある場合の多くは、自分にとってヒットしている実感がない曲が並んでいるときだと思います。そんなとき、実際には不正など何もないのに、特定のアーティストをひいきしているとか集計方法がおかしいとか思ってしまう場合があります。そしてそれは、巨大かつ特殊なファンダムが形成されているジャンルにおいてほど発生しやすいと思います。典型的なのはジャニーズ、アニソン、K-POP。

自分自身そうだ

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存在意義を失い続けるオリコン

CDTVライブライブは微妙なところがあるけれど、MステやNHKの番組などはビルボードがメインになっていて、上半期ランキングも年間ランキングも、紹介されるのはビルボードのほう。

ビルボードが年間トップは「夜に駆ける」でしたと発表し終えた後で、AKBの「失恋ほにゃらら」と誰も納得しない結果を発表できる強心臓ぶりはある意味すごいけれど。

業界誌なのに業界に使われないランキングを作り続ける意味は何? 

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続・Billboard仕様変更は日向坂46への制裁か

前回、速報的に記事を上げた後、どうまとめるか、言語化するかを思案していましたら、いつも読んでいるWASTE OF POPSさんが私の言いたいことの大半を代弁してくださっていました。

まず、下半期に変わったタイミングでレギュレーション変更したのがたまたまこの週にぶつかっただけ、だから日向坂つぶしではないよ、という風に思わせようとしている節がありますが、それは嘘でしょう。日向坂BTS対決がもし上半期

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Billboard仕様変更は日向坂46への制裁か

この件に関してビルボードさんは、アーティストの並びを見てどちらに忖度するかを恣意的に決めて係数をいじっているという印象を持たれないようにする必要があると思います。日向坂46が一位を取るのはけしからんから狙い撃ちで係数いじったったw のような人意が介入する形ではなく、動的に最適な係数が計算されるようなアルゴリズムです、と言えるようにするべき。

そうでないと、CDをたくさん売るだけで一位になる(そし

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オリコン/ビルボード 週間ストリーミング再生数集計値の違い

オリコン/ビルボード 週間ストリーミング再生数集計値の違い

これまで私は漠然と、Spotifyを調査対象にしていないオリコンよりも、対象にしているビルボードの方がストリーミング再生数は概して大きな値になると思い込んでいて、特にそれを確認するための検証もしていなかったのですが、5/26に両社から発表されたチャートにおけるBTS「Butter」のストリーミング再生数を見比べて驚きました。

BTSの「Butter」は5/21(金)に配信開始されたので、5/26

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